デモ隊と
警察による
激しい衝突が
続いていたバングラデシュで、ハシナ
首相が
辞任したことを
受け、
暫定政権を
率いる最高顧問に、ノーベル
平和賞受賞者のムハマド・ユヌス
氏が
就任することが
決まりました。
バングラデシュでは、先月以降、公務員採用の特別枠に反対する学生などによる大規模なデモが各地に広がり、警察の弾圧によって多数の死傷者が出る事態となって、5日にハシナ首相が辞任に追い込まれました。
これを受けて、シャハブッディン大統領は選挙を実施するまでの間、暫定政権を発足させることを決め、軍や野党関係者、それにデモを主導してきた学生団体の幹部による協議が続けられてきました。
その結果、大統領府は6日夜、暫定政権を率いる最高顧問にムハマド・ユヌス氏の就任が決まったと発表しました。
ユヌス氏は、貧困に苦しむ人々に無担保で小口の資金を融資する「グラミン銀行」の創設者で、2006年にノーベル平和賞を受賞しました。
ユヌス氏をめぐっては、政界進出の意向を表明したことなどから政権との関係が悪化したとされ、ことし1月、労働法違反の罪で有罪判決を受けた際には、支持者から裁判は政治的な動機にもとづいたものだと批判が上がりました。
暫定政権の発足に向けた協議ではハシナ政権のもとで逮捕された野党の党首の自宅軟禁も解いていて、広く国民の理解を得られる体制の構築を急ぎたい考えです。
林官房長官「平和的に政権移行を行うことが重要」
林官房長官は記者会見で「平和的に政権移行を行うことが重要であり、関係国とも連携しながら適切に対応していく。日本大使館からは在留邦人に対して注意喚起を行ってきており、引き続き事態の推移を注視しつつ、情報提供や安全確保に万全を期す考えだ」と述べました。