日本新聞: 池袋暴走事故裁判被告「心苦しいとは思うが私の過失はない」

池袋いけぶくろ暴走ぼうそう事故じこ裁判さいばん被告ひこく「心苦こころぐるしいとは思おもうが私わたしの過失かしつはない」

Jun 21, 2021 19:06

Furigana

東京とうきょう池袋いけぶくろで車くるまを暴走ぼうそうさせて母親ははおやと子こどもを死亡しぼうさせた罪つみに問とわれている90歳さいの被告ひこくの裁判さいばんで、21日にち、遺族いぞくによる被告ひこく人じん質問しつもんが行おこなわれ、被告ひこくは「心苦こころぐるしいとは思おもうが、私わたしの過失かしつはないものと考かんがえています」などと述のべました。

旧きゅう通産省つうさんしょうの幹部かんぶだった飯塚いいづか幸三こうぞう被告ひこく（90）は、おととし4月つき、東京とうきょう池袋いけぶくろで車くるまを暴走ぼうそうさせて歩行ほこう者しゃをはね、松永まつなが真菜まなさん（31）と長女ちょうじょの莉子りこちゃん（3）を死亡しぼうさせたほか、9人にんに重軽傷じゅうけいしょうを負おわせた罪つみに問とわれ、無罪むざいを主張しゅちょうしています。

21日にちは東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょで、被害ひがい者しゃ参加さんか制度せいどを利用りようして審理しんりに参加さんかしている遺族いぞくによる被告ひこく人じん質問しつもんが行おこなわれました。

このうち妻子さいしを亡なくした松永まつなが拓也たくやさんは「事故じこ当時とうじ、あなたは100％ブレーキを踏ふんだ自信じしんがあるのか」などと認識にんしきをただしました。

これに対にたいし、飯塚いいづか被告ひこくは「心苦こころぐるしいとは思おもうが、私わたしの記憶きおくでは踏ふみ間違まちがいはなかった。私わたしの過失かしつはないものと考かんがえています」などと述のべました。

また、真菜まなさんの父親ちちおやの上原うえはら義教よしのりさんからの質問しつもんに対にたいしては「2人にんが亡なくなられたことは本当ほんとうに悔くやんでいる。私わたしが車くるまで出でなければ2人にんの命いのちも大丈夫だいじょうぶだった。その点てんは申し訳もうしわけなく思おもっています」と述のべました。

裁判さいばんのあと会見かいけんした松永まつながさんは「きょうに至いたるまで無罪むざい主張しゅちょうは変かわらず、信しんじられないです。証拠しょうこと向き合むきあって自身じしんの過失かしつを認みとめてくれたら、私わたしたちの心情しんじょうはもっと違ちがうものになっていた。残念ざんねんだし、怒いかりを覚おぼえざるをえない」と話はなしていました。

被告ひこく運転うんてんの車くるまのメーカートヨタ自動車とよたじどうしゃがコメント

当時とうじ被告ひこくが運転うんてんしていた車くるまのメーカー、トヨタ自動車とよたじどうしゃは21日にち、コメントを発表はっぴょうしました。

車くるまに異常いじょうや技術ぎじゅつ的てきな問題もんだいは認みとめられていないとする一方いっぽう、今後こんごも事故じこ防止ぼうしのため安全あんぜん・安心あんしんな車くるまの開発かいはつに取り組とりくんでいくとしています。

この中なかでトヨタ自動車とよたじどうしゃは「今回こんかいの事故じこでお亡なくなりになられた方ほうのご冥福めいふくをお祈おいのりいたしますとともに、けがをされた方ほうの1日にちも早はやい回復かいふくをお祈おいのり申し上もうしあげます。被告ひこくが裁判さいばんの中なかで、車両しゃりょうに技術ぎじゅつ的てきな欠陥けっかんがあると主張しゅちょうしていますが、当局とうきょくの要請ようせいに基もとづく調査ちょうさ協力きょうりょくの結果けっか、車両しゃりょうに異常いじょうや技術ぎじゅつ的てきな問題もんだいは認みとめられませんでした」としています。

そのうえで「自分じぶんたちが製造せいぞうした車くるまがかかわった事故じこにより、大切たいせつな命いのちとご遺族いぞくの方々かたがたの幸しあわせな日常にちじょうまでもが一瞬いっしゅんで失うしなわれたという事実じじつから決けっして目めを背そむけることなく、こうした悲かなしい事故じこがなくなるよう今後こんごとも安全あんぜんで安心あんしんなクルマの開発かいはつに全身ぜんしん全霊ぜんれいをかけて取り組とりくんでいきます」としています。