【詳報しょうほう】「赤木あかぎファイル」改かいざん強しいられた状況じょうきょう読み取よみとれる内容ないよう

ファイルにとじられていた本省ほんしょうからのメールのうち改かいざんを最初さいしょに指示しじするものは平成へいせい29年ねん2月つき26日にちに送信そうしんされています。

この文面ぶんめんには「削除さくじょした方ほうがよいと思おもわれる箇所かしょがある」とした上うえで、メールには安倍あべ前ぜん総理そうり大臣だいじんの妻つまの昭恵あきえ氏しや政治せいじ家かの名前なまえなどに印しるしがつけられた元もとの文書ぶんしょが添付てんぷされていました。

メールは、何なん度どもやりとりされていて、本省ほんしょうが繰り返くりかえし細こまかな指示しじをしていたことがみてとれます。

一方いっぽう、改かいざん作業さぎょうが始はじまって10日にち後ごの3月つき8日にちに赤木あかぎさんが本省ほんしょうにあてて送おくったメールには「すでに意思いし決定けっていした文書ぶんしょを修正しゅうせいすることに疑問ぎもんが残のこる」と書かかれていて、本省ほんしょうに対にたいして直接ちょくせつ、改かいざんへの抗議こうぎの意志いしが示しめされています。

3月つき20日にちに本省ほんしょうから赤木あかぎさんらに送おくられてきたメールには「局長きょくちょうから現在げんざいの国会こっかい答弁とうべんを踏ふまえた上うえで、作成さくせいするよう直接ちょくせつ指示しじがあったので改あらためて修正しゅうせい後ご、局長きょくちょうへの説明せつめいを行おこなう」と書かかれていて、改かいざんが佐川さがわ元もと理財りざい局長きょくちょうの指示しじであることや本省ほんしょうとして改かいざんを中止ちゅうしするつもりがないことが読み取よみとれます。

このようにファイルの文書ぶんしょからは改かいざんに抵抗ていこうしていた赤木あかぎさんら現場げんばの職員しょくいんが本省ほんしょうから一方いっぽう的てきに改かいざんに関与かんよさせられていた状況じょうきょうがうかがえます。

一方いっぽうでなせ改かいざんを行おこなわなければならなかったのかや、本省ほんしょうや近畿きんき財務局ざいむきょくの幹部かんぶ職員しょくいんの間までどのような議論ぎろんが行おこなわれたのかを具体ぐたい的てきに示しめすものはありませんでした。

雅子まさこさんは「ファイルは夫おっとが公務員こうむいんとして国民こくみんに見みてもらいたいと職場しょくばに残のこしたものだと思おもうので、出だしてもらってよかったと思おもう。ただ、夫おっとの苦くるしみを理解りかいしたいとファイルの開示かいじを求もとめてきたが、これを消けせという指示しじを直接ちょくせつ見みるのは悲かなしく、ファイルは夫おっとの魂たましいの叫さけびのように感かんじた」と話はなしました。

そのうえで「このファイルだけでは、改かいざんの指示しじが誰だれからされたのか分わからないので、国くにはファイルをもとに第だい三さん者しゃによる再さい調査ちょうさをしてほしい」と改あらためて国くにに要望ようぼうしました。

また雅子まさこさんの代理人だいりにんの生越おごせ照幸てるゆき 弁護士べんごしは、「赤木あかぎファイルとして近畿きんき財務局ざいむきょくにあったものは開示かいじされたと思おもう。しかし、メールを送おくった本省ほんしょうの職員しょくいんには誰だれが指示しじしたのかなど、ファイルでは明あきらかになっていない部分ぶぶんがあるので、詳くわしく分析ぶんせきしたうえで、必要ひつように応おうじて新あらたな文書ぶんしょの提出ていしゅつを国くに側がわに求もとめていきたい」と述のべました。

妻つまの雅子まさこさんは去年きょねん3月つき、何なにのために改かいざんが行おこなわれ、なぜ夫おっとが死しななければならなかったのか明あきらかにしたいと、国くにと改かいざんを指示しじしたとされる佐川さがわ宣せん寿ことぶき元もと理財りざい局長きょくちょうを訴うったえる裁判さいばんを大阪おおさか地方ちほう裁判所さいばんしょに起おこしました。

裁判さいばんの中なかで雅子まさこさんは、改かいざんの経緯けいいを明あきらかにするためにはファイルが不可欠ふかけつだとして、開示かいじを求もとめました。

これに対にたいし国くには、「裁判さいばんとは関係かんけいなく、存否そんぴを明あきらかにする必要ひつようはない」として、存在そんざいするかどうかの確認かくにんを拒こばんでいました。

雅子まさこさんはことし2月つき、裁判所さいばんしょに証拠しょうことしてファイルの提出ていしゅつを命めいじるよう申し立もうしたてました。

そして翌月よくげつ、裁判さいばん長ちょうが、非公開ひこうかいの進行しんこう協議きょうぎの中なかで「審理しんりを進すすめる上うえで、ファイルの内容ないようを確認かくにんする必要ひつようがあると考かんがえている」と発言はつげんし、開示かいじするよう強つよく促うながしました。

これを受うけて国くには、ファイルの存在そんざいを認みとめたうえで開示かいじしました。

この中なかで、麻生あそう副ふく総理そうり兼けん財務ざいむ大臣だいじんは「文書ぶんしょの詳くわしい内容ないようは23日にち、口頭こうとう弁論べんろんを控ひかえているので、コメントは差し控さしひかえる」と述のべました。

また、「赤木あかぎファイル」を開示かいじするにあたって、一部いちぶの職員しょくいんの名前なまえなどを塗ぬりつぶしている点てんについては「文書ぶんしょのマスキングの範囲はんいは、個人こじんのプライバシー、情報じょうほうセキュリティーなどに限定げんていしていて、マスキングの理由りゆうも裁判所さいばんしょに提出ていしゅつしている。裁判所さいばんしょの訴訟そしょう指揮しきに従にしたがい、真摯しんし（しんし）に適切てきせつに対応たいおうしたい」と述のべました。

そのうえで「財務省ざいむしょうとしては調査ちょうさを尽つくしている」と述のべ、再さい調査ちょうさは行おこなわない考かんがえを改あらためて強調きょうちょうしました。

また、財務省ざいむしょうが再発さいはつ防止ぼうしに向むけて国有こくゆう財産ざいさんや公文こうぶん書しょの管理かんりの手続てつづきを改あらためたことについては「財務省ざいむしょう始はじまって以来いらいのゆゆしき事態じたいで、組織そしきとして抱かかえる課題かだいを抽出ちゅうしゅつしたうえで、必要ひつような取り組とりくみを3年ねん、継続けいぞくしてきた。組織そしき風土ふうどの改革かいかくを含ふくめ、引き続ひきつづき信頼しんらい回復かいふくのために徹底てっていさせないといけない」と述のべました。