Actualités japonaises: 全国で656か所国宝・重要文化財が浸水や土砂災害の高リスク

全国ぜんこくで656か所かしょ国宝こくほう・重要じゅうよう文化財ぶんかざいが浸水しんすいや土砂どしゃ災害さいがいの高こうリスク

Aug 26, 2023 10:08

Furigana

全国ぜんこくにある国宝こくほうや重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定していされた656か所かしょの建物たてものが、大雨おおあめによる浸水しんすいや土砂どしゃ災害さいがいのリスクが高たかい区域くいきにあることが、GIS＝地理ちり情報じょうほうシステムという技術ぎじゅつを使つかった奈良なら文化財ぶんかざい研究所けんきゅうじょの独自どくじの調査ちょうさでわかりました。

調査ちょうさを行おこなった研究けんきゅう員いんは「文化財ぶんかざいはこれまで火災かさい対策たいさくの優先ゆうせん度どが高たかかったが、水害すいがいへの対策たいさくも必要ひつようだ」と指摘してきしています。

近年きんねん、地球ちきゅう温暖おんだん化かなどの影響えいきょうで集中しゅうちゅう豪雨ごううの頻度ひんどが増加ぞうかしていて、2020年ねんには熊本くまもと県けんで国宝こくほうの青井あおい阿蘇あそ神社じんじゃの本殿ほんでんが床上ゆかうえ浸水しんすいしたほか、去年きょねんは新潟にいがた県けんで国くにの重要じゅうよう文化財ぶんかざいの五十嵐いがらし家か住宅じゅうたくの建物たてものが土砂崩どしゃくずれで倒壊とうかいするなど、文化財ぶんかざいの建物たてものへの被害ひがいが相次あいついでいます。

これを受うけて、奈良なら文化財ぶんかざい研究所けんきゅうじょの高田たかだ祐一ゆういち主任しゅにん研究けんきゅう員いんが、GIS＝地理ちり情報じょうほうシステムを使つかって、文化庁ぶんかちょうのデータベースに登録とうろくされた2585か所かしょの国宝こくほうと重要じゅうよう文化財ぶんかざいの建物たてものの位置いち情報じょうほうと国土こくど交通こうつう省しょうが提供ていきょうする全国ぜんこくのハザードマップを重かさねて独自どくじに調査ちょうさした結果けっか、656か所かしょの建物たてものについて土砂どしゃ災害さいがい警戒けいかい区域くいきか浸水しんすい想定そうてい区域くいきにあることがわかりました。

このうち80か所かしょは特とくに危険きけん性せいの高たかい「土砂どしゃ災害さいがい特別とくべつ警戒けいかい区域くいき」にありました。

さらに浸水しんすい想定そうてい区域くいきで特とくにリスクが高たかい場所ばしょについて、各かく自治体じちたいを取材しゅざいして得えた詳細しょうさいなデータを反映はんえいしている「NHK全国ぜんこくハザードマップ」を使つかって高田たかだ主任しゅにん研究けんきゅう員いんが調しらべたところ、3メートル以上いじょうの浸水しんすいが想定そうていされる建物たてものが22か所かしょ、確認かくにんされました。

高田たかだ主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「最近さいきんでは豪雨ごううが増ふえて文化財ぶんかざいに対にたいするリスクも高たかまっている。これまでは火災かさいの対策たいさくの優先ゆうせん度どが高たかかったが、次つぎのステップとして水害すいがいへの対策たいさくも必要ひつようではないか」と話はなしています。