式典の会場には、犠牲になった400人余りの顔写真が壁一面に飾られていて、訪れた人たちがカーネーションをささげていました。
消防士だった父を亡くしたという女性は「何年たっても、どれだけ時間がすぎても痛みは決して癒えることがありません」と話していました。
ユナイテッド航空93便では乗客乗員がテロリストから機体を取り戻そうと抵抗して山あいに墜落し、旅客機に乗っていた当時大学生の久下季哉さんも犠牲になりました。 遺族会によりますと、久下さんの家族は新型コロナウイルスの影響で追悼式に出席できなかったということで、地元の人たちが代わりに折り紙の鶴や花束を手向けていました。
アメリカのバイデン大統領は同時多発テロ事件から20年となるのに合わせて10日、ツイッターにビデオメッセージを投稿しました。 この中でバイデン大統領は「どれだけ時間がたとうともこの日は数秒前に知らせを聞いたばかりのような痛みを思い起こさせる」と述べ、犠牲者や遺族に哀悼の意を表しました。 そのうえで「事件のあと私たちは非常にまれな、国民の真の結束を目の当たりにした。心の傷に直面しても回復し立ち直る力を見せた」と述べました。 そして「結束こそが私たちの最大の強みでアメリカをすばらしいものにしている。私にとってそれが同時多発テロ事件で最も学んだことだ。暗闇の中にこそ光を見つけることができる」と述べ、国民に団結を呼びかけました。 バイデン大統領はビデオメッセージの中で、テロ事件を受けてイスラム系アメリカ人に暴力や怒りが向けられ国の結束が損なわれたと指摘しています。 メッセージは、国内で政治的な分断が深まっていることへの懸念も念頭にあるとみられます。 バイデン大統領は、11日にはテロで崩壊したニューヨークの世界貿易センタービルの跡地など3か所の現場を訪れて追悼式典などに参加することにしています。
グリーン臨時代理大使は「あの運命の日に犠牲となった日本人24人を含むおよそ3000人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。憎むべきテロの犠牲となった方の友人や彼らを愛する皆様とともに引き続き哀悼の意を表します。あの苦しい時に寄り添い共に悲しんだ友人や仲間の皆様にも思いをはせています。テロのあとには日本の消防士が現地に駆けつけ世界貿易センタービルでの捜索や救助活動に加わりました。多大なご支援と変わらぬ友情に心より感謝申し上げます」と述べています。
バイデン大統領 「結束こそ私たちの最大の強み」
駐日米臨時代理大使「日本人24人含む犠牲者の冥福祈る」