そのうえで、新型コロナウイルスのワクチン接種について「日本が直面する経済危機を救うために、どうやって徹底し、どう早く行うかが課題だ」と述べ、ワクチン接種の義務化や接種した人への優遇措置などの議論を早急に進めるべきだという考えを改めて示しました。
日本に加えて、トヨタ自動車など国内メーカーが製造拠点を置く東南アジアでも感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」の感染が拡大し、先行きへの懸念から売り注文が広がりました。 それから1か月足らずの9月14日の日経平均株価、終値で比べると3600円余り、値上がりしています。 このところの値上がりの理由の一つが、菅総理大臣の自民党総裁選挙への立候補断念を受けて、次の内閣が強力な経済対策を打ち出すのではないかとの期待感が市場で高まっていることです。 また、国内の新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあることや、ワクチンの2回目の接種を終えた人が全人口の50%を超えたことで、経済活動の正常化が進むことへの期待もあります。 業界別では、海運やデパートなどの株価の上昇が目立っています。 さらに、日本企業の株価が業績に比べて割安だと指摘されていたことも、値上がりの理由です。 経済対策、経済活動の正常化への期待が広がる中、海外の投資家を中心に、割安感のある日本企業の株式に注目し投資する動きが出ているのです。
31年前の1990年、平成2年は新語・流行語として、まさに「バブル経済」が選ばれた年でした。 この年の経済成長率は、実質で4.9%。 一方、ことしは4月から6月までの成長率を年率に換算すると1.9%で、大きな差があります。 また厚生労働省によりますと、主要企業の春闘の賃上げ率は当時が5.94%。 これに対して、ことしは1.86%にとどまっています。 当時は、経済成長に応じて人々の賃金も大きく伸び、景気のよさを実感しやすかったのです。
株価急騰の原因は?
31年前の“バブル”との比較
国内でも新型コロナウイルスのワクチン接種が広がり、経済活動の正常化が進むことへの期待から買い注文が多く入りました。
14日の東京株式市場は次の内閣が打ち出す経済対策への期待感に加えて国内でワクチンの2回目の接種を終えた人が全人口の50%を超え、経済活動が本格的に再開するという期待感から取り引き開始直後から買い注文が広がりました。
日経平均株価は午前の取り引きで一時、3万795円78銭をつけ、取り引き時間中としてのことしの最高値を更新するとともに、1990年8月以来、31年1か月ぶりの高値となりました。
その後は当面の利益を確保するための売り注文も出ましたが、
▼日経平均株価、14日の終値は、13日より222円73銭 高い、3万670円10銭となり、終値としてもことし最高値を更新し、1990年8月以来、31年1か月ぶりの水準となりました。
▼東証株価指数=トピックスは、21.16 上がって、2118.87。
トピックスが終値で2100を上回るのも同じく31年ぶりです。
▼1日の出来高は13億3901万株でした。
市場関係者は、「日経平均株価はこの2週間あまりの間に3000円以上値上がりしていることから、投資家の間には期待が先行する形になっているとして過熱感を警戒する見方がある。しばらくは国内外の感染状況を見ながらの取り引きが続きそうだ」と話しています。