北朝鮮きたちょうせん“列車れっしゃからミサイル発射はっしゃ” 専門せんもん家か「発射はっしゃ地点ちてんが広ひろがる」

労働ろうどう新聞しんぶんに掲載けいさいされた写真しゃしんでは、線路せんろ上じょうの列車れっしゃからミサイルがオレンジ色しょくの炎ほのおを上あげながら上昇じょうしょうしていく様子ようすなどが確認かくにんできます。

韓国かんこくの専門せんもん家かなどは、15日にちに北朝鮮きたちょうせんから日本海にほんかいに向むけて発射はっしゃされ、日本にっぽんの排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきの内側うちがわに落下らっかしたと推定すいていされる弾道だんどうミサイルを指さすと見みています。

そのうえで「発射はっしゃ装置そうちはトンネルを通り抜とおりぬけることができ、山岳さんがく部ぶでも鉄道てつどう網もうが通かよっていれば迅速じんそくな展開てんかいが可能かのうになり、ミサイルを発射はっしゃできる地点ちてんが広ひろがる」という見方みかたを示しめし、日本にっぽんの防衛ぼうえい体制たいせいを強化きょうかする必要ひつよう性せいを指摘してきしました。

防衛ぼうえい省しょう関係かんけい者しゃによりますと、このミサイルは100キロ未満みまんの低ひくい高度こうどを変則へんそく的てきな軌道きどうでおよそ750キロ飛ひしょうし、排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきの内側うちがわの日本海にほんかいに落下らっかしたと見みられることがわかったということです。

北朝鮮きたちょうせんの弾道だんどうミサイルが日本にっぽんの排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきに落下らっかしたとみられるのは、おととし10月つき2日にち以来いらいです。

ただ、北朝鮮きたちょうせんがおととし以降いこう、発射はっしゃを繰り返くりかえしてきた少すくなくとも3種類しゅるいの新型しんがた短距離たんきょり弾道だんどうミサイルのうち2種類しゅるいについて、防衛ぼうえい省しょうは落下らっか中ちゅうに再ふたたび上昇じょうしょうするといった変則へんそく的てきな軌道きどうで飛とぶことが可能かのうなものもあると見みられると分析ぶんせきしていました。

さらに、これらのミサイルは通常つうじょうより低ひくい高度こうどで飛とぶことも可能かのうだと分析ぶんせきされていて、防衛ぼうえい省しょうは防御ぼうぎょを難むずかしくするねらいがあると見みています。

そして、今回こんかい発射はっしゃされたミサイルが変則へんそく的てきな軌道きどうで飛行ひこうしたことを受うけて「一般いっぱん論ろんとして変則へんそく的てきな軌道きどうのミサイルに対応たいおうするには、より高度こうどなレーダーの能力のうりょくが必要ひつようになり、ミサイル防空ぼうくう能力のうりょくの強化きょうかが求もとめられる。今後こんごは変則へんそく軌道きどうで飛とぶ可能かのう性せいを踏ふまえて情報じょうほうを収集しゅうしゅうする必要ひつようがあり、アメリカなど関係かんけい国こくとの連携れんけいによる分析ぶんせきもさらに重要じゅうようになる」と述のべました。

また、山崎やまざき統合とうごう幕僚ばくりょう長ちょうは当初とうしょ、推定すいていされる落下らっか地点ちてんを日本にっぽんの排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきの外側そとがわと発表はっぴょうし、その後そのご、内側うちがわと修正しゅうせいしたことについて「国民こくみんに不安ふあんを与あたえたのではないか」と質問しつもんされたのに対にたいし「自衛隊じえいたいとしてはしっかりと分析ぶんせきしたうえですみやかに、かつ正確せいかくな情報じょうほうの提供ていきょうに努つとめたい。わかった時点じてんで正確せいかくな情報じょうほうを速すみやかに提供ていきょうすることが重要じゅうようだと思おもっている」と述のべました。

連合れんごうニュースは複数ふくすうの韓国かんこく政府せいふ消息筋しょうそくすじの話はなしとして「高度こうどを下さげたあとに再ふたたび上昇じょうしょうする『プルアップ』と呼よばれる変則へんそく的てきな動うごきが捉とらえられた」として「ことし3月つき25日にちに日本海にほんかいに向むけて発射はっしゃされたものと同おなじ種類しゅるいとみられる」と報ほうじています。

3月つきに発射はっしゃされたミサイルについて韓国かんこく国防省こくぼうしょうは、飛行ひこう距離きょりがおよそ600キロ、高度こうどがおよそ60キロだったとしていて、北朝鮮きたちょうせんは発射はっしゃの翌日よくじつに「新型しんがた戦術せんじゅつ誘導ゆうどう弾だん」の発射はっしゃ実験じっけんと発表はっぴょうしていました。

国連こくれん安保理あんぽりの緊急きんきゅう会合かいごうは、フランスとエストニアの要請ようせいで15日にちに非ひ公開こうかいで開ひらかれました。

終了しゅうりょう後ご、フランスのドリビエール国連こくれん大使たいしは記者きしゃ団だんに対にたいし、北朝鮮きたちょうせんによる弾道だんどうミサイルの発射はっしゃは安保理あんぽり決議けつぎに違反いはんすると指摘してきし「日本にっぽんや韓国かんこくなどの近隣きんりん諸国しょこくや世界せかいを脅おびやかすものだ」として、強つよく非難ひなんしたことを明あきらかにしました。

一方いっぽうで、ドリビエール大使たいしは「各国かっこくが意見いけんを交かわしたが声明せいめいは出でないだろう」と述のべたほか、今月こんげつの議長ぎちょう国こくアイルランドはツイッターに「平和へいわと非核ひかく化かのための対話たいわに関与かんよするよう北朝鮮きたちょうせんに求もとめる」などと投稿とうこうしただけで、会合かいごうでは各国かっこくがそれぞれの立場たちばを述のべるにとどまったとみられます。

安保理あんぽりはことし3月つきに北朝鮮きたちょうせんが弾道だんどうミサイルを発射はっしゃしたときも緊急きんきゅう会合かいごうを開ひらきましたが、声明せいめいの取とりまとめには至いたっていません。

北朝鮮きたちょうせんに対にたいしては欧米おうべい各国かっこくが決議けつぎを履行りこうするよう求もとめているのに対にたいし、中国ちゅうごくやロシアは制裁せいさいを緩和かんわすべきだという立場たちばで、今回こんかいも一致いっちした対応たいおうを示しめすことはできませんでした。