日本新聞: ファーウェイ副会長司法取引で中国へ出国カナダ人2人も釈放

アメリカ司法省しほうしょうは、カナダで逮捕たいほされアメリカに詐欺さぎの罪つみで起訴きそされた中国ちゅうごくの大手おおて通信つうしん機器ききメーカー、ファーウェイの孟たけし晩ばん舟ふね副ふく会長かいちょうとの間まで司法しほう取引とりひきに合意ごういしたと発表はっぴょうし、孟たけし副ふく会長かいちょうは中国ちゅうごくに向むけて出国しゅっこくしました。

この直後ちょくご、カナダは中国ちゅうごくで実刑じっけい判決はんけつを受うけたカナダ人じん2人にんが中国ちゅうごくを出国しゅっこくしたことを明あきらかにし、カナダも巻き込まきこんだ米べい中間ちゅうかんの問題もんだいの1つが解決かいけつに向むかうことになりました。

ファーウェイの孟たけし晩ばん舟ふね副ふく会長かいちょうは、アメリカが経済けいざい制裁せいさいを科かしているイランと取り引とりひきしたなどとして、2018年ねん12月つきアメリカの要請ようせいによってカナダで逮捕たいほされたあと、詐欺さぎなどの罪つみで起訴きそされ、カナダの裁判所さいばんしょが孟たけし副ふく会長かいちょうの身柄みがらをアメリカに引き渡ひきわたすかどうかを審理しんりしてきました。

こうした中なか、アメリカ司法省しほうしょうは24日にち、孟たけし副ふく会長かいちょうがイランとの取り引とりひきについて、金融きんゆう機関きかんに誤解ごかいを招まねく説明せつめいをしたと認みとめることなどを条件じょうけんに、起訴きそを猶予ゆうよする司法しほう取引とりひきで合意ごういしたとし、カナダへの身柄みがらの引き渡ひきわたし要請ようせいを取り下とりさげたと発表はっぴょうしました。

これを受うけてカナダの裁判所さいばんしょは審理しんりを打ち切うちきり、バンクーバーにある自宅じたくで監視かんし下かに置おかれていた孟たけし副ふく会長かいちょうは24日にち、中国ちゅうごくに向むけて出国しゅっこくしました。

この直後ちょくご、カナダのトルドー首相しゅしょうは会見かいけんを開ひらき、中国ちゅうごくで実刑じっけい判決はんけつを受うけたカナダ人じんのマイケル・スパバ氏しら2人にんが釈放しゃくほうされ、25日にちに帰国きこくすることを明あきらかにしました。

2人にんは孟たけし副ふく会長かいちょうが逮捕たいほされたあとに中国ちゅうごくで拘束こうそくされたことから、中国ちゅうごく側がわによる報復ほうふくと受け止うけとめられてきました。

中国ちゅうごく国営こくえいの新華社しんかしゃ通信つうしんは「中国ちゅうごく政府せいふの不断ふだんの努力どりょくによって孟たけし副ふく会長かいちょうが祖国そこくに戻もどる」と伝つたえていて、米べい中間ちゅうかんで何なんらかの交渉こうしょうが行おこなわれた可能かのう性せいをうかがわせています。

カナダも巻き込まきこんだ米べい中間ちゅうかんの問題もんだいの1つが解決かいけつに向むかうことになりますが、バイデン政権せいけんは、ファーウェイを安全あんぜん保障ほしょう上じょうの脅威きょういと見みなし、規制きせいを強化きょうかしていて、ファーウェイをめぐる米べい中ちゅうの対立たいりつは今後こんごも続つづくことになります。

ファーウェイ副ふく会長かいちょうカナダ出国しゅっこくの様子ようす

国営こくえいの中国ちゅうごく中央ちゅうおうテレビの電子でんし版ばんは、ファーウェイの孟たけし晩ばん舟ふね副ふく会長かいちょうがカナダを出国しゅっこくする直前ちょくぜんの空港くうこうでの様子ようすを動画どうがで伝つたえました。

孟たけし副ふく会長かいちょうは中国ちゅうごく大使館たいしかんの関係かんけい者しゃなどとともに搭乗とうじょう口ぐちに向むかい、関係かんけい者しゃとみられる女性じょせいと涙なみだを浮うかべながら抱き合だきあい、女性じょせいに「泣なかないで」などと中国ちゅうごく語ごで話はなす様子ようすが映うつされています。

このあと、孟たけし副ふく会長かいちょうが機内きないで中国ちゅうごくのSNSを使つかって友人ゆうじん向むけに送おくった文章ぶんしょうの内容ないようをファーウェイの関係かんけい者しゃが明あきらかにしました。

このなかで、孟たけし副ふく会長かいちょうはカナダで過すごした3年間ねんかんについて「日夜にちやさまよった日々ひびは、どんなことばでも言いいあらわしがたい。帰り道かえりみちがどこにあるかもわからなかった」と心境しんきょうをつづっています。

そして「親愛しんあいなる祖国そこく、党とう、政府せいふに感謝かんしゃしている。中国ちゅうごくのきらびやかな赤あかい色いろが私わたしの心中しんじゅうの信念しんねんの火ひを燃もやし、私わたしの人生じんせいの暗くらい時間じかんを照てらし、家路いえじへと導みちびいてくれた」として、中国ちゅうごく政府せいふの働はたらきかけで帰国きこくが実現じつげんしたことをにじませて繰り返くりかえし謝意しゃいを示しめしました。

また、ファーウェイも25日にちに声明せいめいを発表はっぴょうし「孟たけし副ふく会長かいちょうが無事ぶじに家いえに帰かえって家族かぞくと再会さいかいするのを楽たのしみにしている」としたうえで、法人ほうじんとしてのファーウェイをめぐる裁判さいばんについて「引き続ひきつづきみずからの権利けんりを守まもっていく」としています。

中国ちゅうごく外務省がいむしょうの趙ちょう立りつ堅けん報道ほうどう官かんは25日にち、中国ちゅうごく版ばんツイッターのウェイボーに「帰国きこくを歓迎かんげいする」と投稿とうこうしています。

北京ぺきん大学だいがく教授きょうじゅ「米べい中間ちゅうかんの懸案けんあん1つ減へったが緊張きんちょうした状態じょうたい続つづく」

ファーウェイの孟たけし晩ばん舟ふね副ふく会長かいちょうが、アメリカ司法省しほうしょうと司法しほう取引とりひきで合意ごういし、中国ちゅうごくに帰国きこくすることについて、米べい中ちゅう関係かんけいに詳くわしい北京ぺきん大学だいがくの賈慶けい国こく教授きょうじゅは、NHKの取材しゅざいに対にたいし、「中国ちゅうごくとアメリカとの関係かんけいにとって、間違まちがいなく、よいニュースで、少すくなくとも、両国りょうこく間かんの懸案けんあんは1つ減へった。ただ、両国りょうこくは多おおくの問題もんだいを抱かかえており孟たけし副ふく会長かいちょうが帰国きこくできたからといって、他たの問題もんだいが改善かいぜんするわけではない。両国りょうこく関係かんけいはしばらく緊張きんちょうした状態じょうたいが続つづくだろう」と述のべ、問題もんだいの1つが解決かいけつに向むかっても米べい中間ちゅうかんの対立たいりつがすぐに解消かいしょうするわけではないという見方みかたを示しめしました。