日本新聞: 認知症の人の預金引き出し代理人でない親族なども認める指針

認知にんち症しょうの人ひとの預金よきん引き出ひきだし代理人だいりにんでない親族しんぞくなども認みとめる指針ししん

Feb 17, 2021 12:02 0

Furigana

全国ぜんこく銀行ぎんこう協会きょうかいは、認知にんち症しょうの人ひとの預金よきんを代理だいり人じんではない親族しんぞくなどが引き出ひきだすことを例外れいがい的てきに認みとめるとした指針ししんをまとめました。ただ、悪用あくようを防ふせぐため介護かいごや医療いりょう費ひの支払しはらいなど明あきらかに本人ほんにんの利益りえきになる場合ばあいに限かぎるとしています。意思いし確認かくにんができない認知にんち症しょうの人ひとの預金よきんを本人ほんにんに代かわって引き出ひきだす場合ばあい、これまでは原則げんそくとして、成年せいねん後見こうけん制度せいどと呼よばれる制度せいどで代理だいり人じんになる必要ひつようがありました。

しかし高齢こうれい化かが進すすみ認知にんち症しょうになる人ひとが増ふえると予想よそうされる中なか、代理人だいりにんではない親族しんぞくでも本人ほんにんの医療いりょう費ひなどの支払しはらいのため、預金よきんを引き出ひきだしたいというニーズが高たかまっています。

このため全国ぜんこく銀行ぎんこう協会きょうかいは、成年せいねん後見こうけん制度せいどの利用りようを促うながすのが基本きほんだとしたうえで、代理人だいりにんの手続てつづきが間に合まにあわない場合ばあいなどに限かぎって、代理人だいりにんでない親族しんぞくなどが認知にんち症しょうの人ひとの預金よきんを引き出ひきだすことを認みとめるとした指針ししんをまとめました。

ただし、引き出ひきだした預金よきんの使つかいみちが医療いりょう費ひや施設しせつの入居にゅうきょ費用ひようなど明あきらかに本人ほんにんの利益りえきになる場合ばあいに限かぎるとしています。

民間みんかんのシンクタンクの試算しさんでは認知にんち症しょうの人ひとの金融きんゆう資産しさんは2030年ねんには215兆ちょう円えんに上のぼる見通みとおしですが、成年せいねん後見こうけん人じんを決きめていないといった理由りゆうで、財産ざいさんを適切てきせつに管理かんりできないケースが今後こんご、増ふえると見みられています。