先月、
福島第一原子力発電所で
核燃料デブリの
試験的な
取り出しが、
装置を
押し込むパイプの
並べ方を
誤るミスにより
延期された
問題で、ことし7
月にパイプが
並べられたあと1
か月近くのあいだ、
東京電力と
作業の
元請け企業が、
一度も
現場で
並び
順を
確認していなかったことが
関係者への
取材でわかりました。
福島第一原発2号機では、先月22日、事故後初めて、溶け落ちた核燃料デブリの試験的な取り出しに着手する計画でしたが、装置の取り付けミスにより、直前で延期されました。
取り出し装置は伸縮する細いパイプ状のもので、格納容器の中まで別のパイプで押し込む仕組みになっていますが、5本ある押し込み用のパイプの並び順が誤っていました。
東京電力が原因を調べていますが、ことし7月28日に下請け企業が現場にパイプを並べる前にこの作業の予行練習を行っていなかったことや、東京電力と元請け企業も取り出し着手の当日まで1か月近くのあいだ、一度も現場で並び順を確認していなかったことが、関係者への取材でわかりました。
現場は放射線量が高く作業時間が限られるうえ、作業員は特殊なマスクを装着し、十分な確認が難しかった可能性があるということで、東京電力はこうした状況を踏まえた作業手順の策定や、確認が不十分だったことなどがミスの原因だったと分析しているということです。
東京電力は2日にも、経済産業省などに調査結果を報告することにしています。