Báo tiếng Nhật: 「トー横」都の施設でわいせつ行為か子どもを守る場所で何が

違法いほう行為こういが行おこなわれた疑うたがいがあるのは、子こどもたちを支援しえんする施設しせつの中なかでした。

新宿しんじゅく・歌舞伎町かぶきちょうの「トー横よこ」周辺しゅうへんに集あつまる子こどもたちを支援しえんするために東京とうきょう都とが開設かいせつした施設しせつで、利用りよう者しゃの女性じょせいの体からだを触さわるなど、公共こうきょうの場所ばしょでわいせつな行為こういをしたとして20代だいの容疑ようぎ者しゃら2人にんが逮捕たいほされました。警視庁けいしちょうは施設しせつの管理かんり体制たいせいなどを詳くわしく調しらべています。

何なにが起おきたのでしょうか。

都との相談そうだん施設しせつで迷惑めいわく防止ぼうし条例じょうれい違反いはんの疑うたがい

逮捕たいほされたのは千葉ちば県けんに住すむ無職むしょくの新井あらい風月かづき容疑ようぎ者しゃ（25）と住居じゅうきょ不定ふてい、無職むしょくの青木あおき涼太りょうた容疑ようぎ者しゃ（20）です。

警視庁けいしちょうによりますと、ことし7月つき、東京とうきょう都とが歌舞伎町かぶきちょうに開設かいせつした相談そうだん施設しせつ「きみまも」の中なかで利用りよう者しゃの女性じょせいの体からだを触さわるなど、公共こうきょうの場所ばしょでわいせつな行為こういをしたとして都との迷惑めいわく防止ぼうし条例じょうれい違反いはんの疑うたがいがもたれています。

この施設しせつは、家庭かていや学校がっこうに居場所いばしょがない中高生ちゅうこうせいなどが「トー横よこ」周辺しゅうへんに集あつまって犯罪はんざいやトラブルに巻き込まきこまれるケースが相次あいついでいたことからことし5月つきに開設かいせつされ、専門せんもんの相談そうだん員いんが対応たいおうにあたっていました。

しかし、名前なまえや住所じゅうしょを明あかさなくても気軽きがるに利用りようできるフリースペースになっていて、防犯ぼうはんカメラの映像えいぞうなどから不ふ特定とくてい多数たすうの大人おとなが出入でいりして違法いほう行為こういが行おこなわれた疑うたがいがあることがわかったということです。多おおいときには50人にん以上いじょうが利用りようしていて、新井あらい容疑ようぎ者しゃの行為こういについては利用りよう者しゃが周まわりを囲かこむように座すわっていたため、相談そうだん員いんから見みえにくい状況じょうきょうで気きづかなかったということです。

調しらべに対にたいし、新井あらい容疑ようぎ者しゃは「時間じかんつぶしで施設しせつに行いってふざけあっていただけだ」などと供述きょうじゅつし、青木あおき容疑ようぎ者しゃは容疑ようぎを認みとめているということです。

施設しせつを利用りようした人ひとはことし7月つき末まつまでにのべおよそ1600人にんに上のぼり、利用りよう者しゃに対にたいし売春ばいしゅんを促うながすようなケースも確認かくにんされているということで、警視庁けいしちょうは管理かんり体制たいせいや利用りようの実態じったいなどを詳くわしく調しらべています。

“悪意あくいある大人おとな”と距離きょりを「きみまも」とは？

「きみまも」は東京とうきょう都とがことし5月つきに歌舞伎町かぶきちょうにある東京とうきょう都と健康けんこうプラザ「ハイジア」の15階かいに開設かいせつした相談そうだん窓口まどぐちです。祝日しゅくじつを除のぞく火曜日かようびから土曜どよう日びの午後ごご3時じから午後ごご9時じまでフリースペースで自由じゆうに過すごせ、お菓子おかしや軽食けいしょくが用意よういされているほか、携帯けいたい電話でんわの充電じゅうでん器きやWi－Fiを無料むりょうで使つかうこともできます。

「トー横よこ」周辺しゅうへんでは、家庭かていや学校がっこうに居場所いばしょがない中高生ちゅうこうせいなどが集あつまって性せい犯罪はんざいに巻き込まきこまれたり、市販しはん薬やくの過剰かじょう摂取せっしゅ＝「オーバードーズ」目的もくてきの若者わかものが薬くすりを売うりつけられたりするなど悪質あくしつなケースが目立めだっていて、東京とうきょう都とや警視庁けいしちょうは子こどもたちに近ちかづいて犯罪はんざいや危険きけんな行為こういに巻き込まきこむ存在そんざいを「悪意あくいある大人おとな」として警戒けいかいを強つよめていました。

子こどもたちが相談そうだん員いんがいる施設しせつで過すごすことで「悪意あくいある大人おとな」と距離きょりを取とることができると期待きたいされていて、施設しせつの利用りよう者しゃはことし7月つき末まつまでにのべおよそ1600人にんに上のぼっていました。

「治安ちあん悪わるいときはめちゃくちゃ悪わるい」

ことし6月つきに利用りよう者しゃが撮影さつえいした画像がぞうには、施設しせつの中なかで数すう人にんがソファーに寝転ねころがってスマートフォンを操作そうさしたり、床ゆかに座り込すわりこんだりしている様子ようすが写うつっています。

机つくえには、食たべ終おわったカップ麺めんやジュースの紙かみパックが無造作むぞうさに置おかれ、床ゆかにゴミが落おちたままになっている様子ようすも確認かくにんできます。

撮影さつえいした利用りよう者しゃによりますと、当時とうじはこうした利用りよう方法ほうほうについてスタッフから注意ちゅういされることはありませんでしたが、現在げんざいはルールが変かわり、注意ちゅういされることも増ふえたということです。

施設しせつを利用りようしたことがある20代だいの女性じょせい

「利用りよう者しゃによってはスタッフと話はなしたり、コミュニケーションをとったりする子こもいて、静しずかに使つかっている子こは静しずかに使つかっていた。自分じぶんは知しらない大人おとなから声こえをかけられることはなかったので、外そとで野放のばなしの状態じょうたいよりはいいかなと思おもった。

ただで飲み物のみものとかカップ麺めんとか食たべられてカフェと変かわらない、騒さわげる都合つごうのいい場所ばしょになっていて、治安ちあんは悪わるいときはめちゃくちゃ悪わるい。外そとにいるよりは安全あんぜんだとは思おもうけど、ひとつの部屋へやに30人にんとか40人にんいると、スタッフ10人にん以下いかで全員ぜんいんを見みられる状況じょうきょうではなく、中なかにはオーバードーズの状態じょうたいで来くる子こもいた」

こうした中なか、施設しせつではオーバードーズに使つかわれたとみられる薬くすりの空そら箱ばこが落おちていたり、利用りよう者しゃどうしでの性的せいてきな言動げんどうが目立めだつようになったりしていました。

事件じけんなど踏ふまえ都とは管理かんり体制たいせい見直みなおし

今回こんかいの事件じけんなどを踏ふまえ、東京とうきょう都とは今月こんげつから一いち度どに利用りようできる人数にんずうを20人にんほどに絞しぼったほか、本人ほんにん証明しょうめい書しょの提示ていじを求もとめるなど管理かんり体制たいせいを見直みなおしました。

今後こんごさらに、警察けいさつのOBを配置はいちすることも検討けんとうしているということです。

ただ、利用りよう者しゃからは「名前なまえや住所じゅうしょを明あかすことには抵抗ていこうがあり、足あしを運はこびにくくなった」といった意見いけんもあり、支援しえんが必要ひつような子こどもや若者わかものが利用りようしやすい環境かんきょうをどう作つくっていくのか、課題かだいとなっています。

警視庁けいしちょうことしに入はいって一斉いっせい補導ほどう7回かい

深夜しんやや早朝そうちょうも多おおくの子こどもや若者わかものの姿すがたが見みられる新宿しんじゅく・歌舞伎町かぶきちょうの「トー横よこ」周辺しゅうへん。警視庁けいしちょうは犯罪はんざいに巻き込まきこまれるおそれがあるとして、声こえかけや補導ほどうを続つづけています。

今月こんげつ7日にちの午後ごごから8日にち早朝そうちょうにかけても警察官けいさつかんなどが路上ろじょうに座り込すわりこんだり、喫煙きつえんしたりしていた子こどもらに声こえをかけて回まわり、12歳さいから18歳さいまでの15人にんを補導ほどうしました。

都内とないや関東かんとうだけでなく石川いしかわや静岡しずおか、大阪おおさかから来きていた子こどもや若者わかものがいて、中なかには、日にち中ちゅうに一度いちど補導ほどうされて自宅じたくに送り届おくりとどけられたあと、深夜しんや、再ふたたび戻もどってきて補導ほどうされたケースもあったということです。

また、自動じどう販売はんばい機きでたばこを購入こうにゅうする際さいに必要ひつような、成人せいじん識別しきべつ用ようのICカードを拾ひろって所持しょじしていた少女しょうじょもいたということです。

トー横よこ周辺しゅうへんでは、家出いえで中ちゅうの少女しょうじょがホテルに連れ込つれこまれて乱暴らんぼうされるなど、犯罪はんざいやトラブルが後ごを絶たたず、警視庁けいしちょうはことしに入はいって7回かいの一斉いっせい補導ほどうを行おこない、去年きょねんの同おなじ時期じきと比くらべて13人にん多おおいのべ83人にんを補導ほどうするなど、活動かつどうを強化きょうかしているということです。

民間みんかんの支援しえん団体だんたい「子こどもたちを排除はいじょせず交流こうりゅうしながら支援しえん」

「トー横よこ」周辺しゅうへんに集あつまる子こどもや若者わかものを支援しえんしようと、民間みんかんの団体だんたいによる活動かつどうも行おこなわれています。

「日本にっぽん駆け込かけこみ寺てら」は居場所いばしょを求もとめて集あつまる若者わかものを支援しえんするため、毎週まいしゅう土曜どよう日びに子こども食堂しょくどうを開ひらいていて、今月こんげつ7日にちには、35人にんが参加さんかして提供ていきょうされたサラダやスパゲッティを食たべていました。

訪おとずれた20代だいの男性だんせい

「友ともだちをつくるためにトー横よこに来きていて、ふだんは広場ひろばにいる誰だれかにご飯ごはんをごちそうしてもらっています。こうしてご飯ごはんを食たべられるのはありがたい」

この団体だんたいは日曜にちよう以外いがいの毎日まいにち、居場所いばしょとしてスペースも提供ていきょうしていて、木曜日もくようびから土曜どよう日ひまでは女性じょせいのみ深夜しんや2時じまで利用りようすることができます。

ほぼ毎日まいにち利用りようしているという20代だいの女性じょせい

「1人にんになると暗くらい気持きもちになることも多おおいですが、スタッフと話はなしたり絵えを描えがいたりして過すごしていると気きが紛まぎれます」

「日本にっぽん駆け込かけこみ寺てら」田中たなか芳かおる秀しゅう事務じむ局長きょくちょう

「トー横よこの問題もんだいについて世間せけんが無む関心かんしんだったり、観光かんこう名所めいしょのようにSNSで拡散かくさんされたりしています。子こどもたちを排除はいじょするのではなく、交流こうりゅうしながら支援しえんしていきたいです」

専門せんもん家か「子こどもたちが住すむ場所ばしょの近ちかくに居場所いばしょを」

少年しょうねん法ほうなどが専門せんもんで、「トー横よこ」の実態じったいに詳くわしい早はや稲田いなだ大学だいがく法学ほうがく学術がくじゅつ院いんの小西こにし暁あきら和わ教授きょうじゅは、悪意あくいを持もった大人おとなの接近せっきんを防ふせぎ、犯罪はんざいのリスクから守まもるためには「きみまも」のような路上ろじょうではない居場所いばしょが重要じゅうようだとしています。

「歓楽かんらく街がいの歌舞伎町かぶきちょうという場所ばしょの特性とくせいから、犯罪はんざいの意図いとを持もった大人おとなが紛れ込まぎれこんでしまう可能かのう性せいはあり、入にゅう退室たいしつの管理かんりを、ある程度あるていど厳きびしくするなど、手立てだてが必要ひつようだと思おもう。

一方いっぽう、管理かんりを厳格げんかくにしすぎると当事者とうじしゃの子こどもや若者わかものが入はいりづらくなってしまうという問題もんだいもあるので、職員しょくいんやスタッフがコミュニケーションを図はかり、問題もんだいある大人おとなを見みつけて対応たいおうしていくのが望のぞましい。

安心あんしんして仲間なかまと過すごせる“第だい3の居場所いばしょ”を子こどもたちが住すむ場所ばしょの近ちかくに作つくることができれば、犯罪はんざいを企くわだてる人間にんげんの多おおい繁華はんか街がいまでわざわざ来くる必要ひつようもなくなる。子こどもたちがトー横よこに居場所いばしょを求もとめる背景はいけいには、家庭かていや学校がっこうの問題もんだい、さまざまな生いきづらさがあり、大人おとながそれらを理解りかいし、支援しえんへの理解りかいを深ふかめていくことも重要じゅうようだ」