日本新闻: “産後ケア”乳児死亡事故両親が損害賠償求め横浜市など提訴

去年きょねん、横浜よこはま市しから「産後さんごケア事業じぎょう」を委託いたくされていた助じょ産院さんいんで生後せいご2か月かげつの赤あかちゃんが死亡しぼうした事故じこをめぐり、両親りょうしんが市しなどに対にたいし、8800万まん円えん余あまりの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめる訴うったえを起おこしました。両親りょうしんは「訴訟そしょうをきっかけに事業じぎょうの安全あんぜん管理かんりの見直みなおしにつなげてほしい」としています。

去年きょねん6月つき、横浜よこはま市しから委託いたくを受うけて母子ぼしの産後さんごケア事業じぎょうを行おこなっていた助じょ産院さんいんで、生後せいご2か月かげつの茉央ひさし（まひろ）ちゃんが呼吸こきゅうをしていない状態じょうたいで見みつかり、病院びょういんで亡なくなりました。

死因しいんはミルクをのどに詰つまらせた窒息ちっそく死しだったということです。

母親ははおやの就寝しゅうしん中ちゅう、別べつの部屋へやで子こどもの面倒めんどうを見みていた助産じょさん師しが、目めを離はなした間まに事故じこが起おきたということで、両親りょうしんは「具体ぐたい的てきな安全あんぜん管理かんりの基準きじゅんがないことが事故じこの原因げんいんだ」として、横浜よこはま市しや神奈川かながわ県けんの助産じょさん師し会かい、それに担当たんとうした助産じょさん師しに対にたいし、合あわせて8800万まん円えん余あまりの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめる訴うったえを横浜よこはま地方ちほう裁判所さいばんしょに起おこしました。

提訴ていそについて両親りょうしんがNHKの取材しゅざいに応おうじ、母親ははおやは「娘むすめは笑わらうと目めが細ほそくなってにやっとする表情ひょうじょうがかわいかった。小ちいさいぬいぐるみを揺ゆらして笑わらっている姿すがたをいまでも思い出おもいだします」と振り返ふりかえりました。

これまでのところ、市しから直接ちょくせつの謝罪しゃざいはないということです。

また父親ちちおやは「事故じこから時間じかんがたつなかで、娘むすめから目めを離はなしていたことや具体ぐたい的てきな安全あんぜん基準きじゅんやマニュアルが整備せいびされていないことを知しり、娘むすめが亡なくならずにすんだのではないかというところがいっぱい出でてきました。こういう悲かなしいことが二度にどと起おこらないように安全あんぜん面めんを見直みなおしてほしいです」と話はなしています。

横浜よこはま市しは、訴訟そしょうについて「訴状そじょうが届とどいておらずコメントは差し控さしひかえたい」としています。

また、神奈川かながわ県けんの助産じょさん師し会かいは「対応たいおうできる担当たんとう者しゃがおらず、コメントできません」としています。

裁判さいばんを起おこした両親りょうしん “今回こんかいの訴訟そしょうきっかけに安全あんぜん管理かんり見直みなおしを”

裁判さいばんを起おこした両親りょうしんがNHKの取材しゅざいに応おうじ、「悲かなしい出来事できごとを繰り返くりかえさないため今回こんかいの訴訟そしょうをきっかけに産後さんごケア事業じぎょうの安全あんぜん管理かんりの見直みなおしにつなげてほしい」と話はなしました。

亡なくなった茉央ひさしちゃんについて、母親ははおやは「娘むすめは笑わらったところがお父おとうさんに似にていました。目めが細ほそくなってにやっと笑わらうところがかわいかったし小ちいさいぬいぐるみを揺ゆらして笑わらっている姿すがたが印象いんしょう的てきでいまでもふと思い出おもいだします。最初さいしょのころは悲かなしみとかなんでこんなことが起おきたんだろうという先さきの見みえない思おもいでいっぱいでした」と話はなしました。

茉央ひさしちゃんが亡なくなったあと、両親りょうしんは横浜よこはま市しや神奈川かながわ県けんの助産じょさん師し会かいなどと話し合はなしあいの場ばを持もちましたが、具体ぐたい的てきな再発さいはつ防止ぼうし策さくは示しめされてこなかったと感かんじていて、今回こんかい、提訴ていそすることにしました。

これまでに、市しから謝罪しゃざいのことばはないということで、母親ははおやは「横浜よこはま市しに関にかんしては謝罪しゃざいをしっかりしていただきたいです。娘むすめが亡なくなってから1年ねん以上いじょうがたっているのに、安全あんぜん面めんに関にかんして改善かいぜんの動うごきが見みえてこない状況じょうきょうになんでだろうという思おもいがあります。改善かいぜんをしっかりしてほしいです」と話はなしていました。

母親ははおやは出産しゅっさんから2か月かげつ後ごの去年きょねん5月つき、頻繁ひんぱんな授乳じゅにゅうで十分じゅうぶんな睡眠すいみんが取とれず、負担ふたんを感かんじていたことから産後さんごケアを初はじめて利用りようしていて、父親ちちおやは「私わたしたちが泣なこうが叫さけぼうが娘むすめが帰かえってくることはありませんが、子育こそだてする両親りょうしんにとって心強こころづよいサービスだといまでも思おもっています」としています。

そのうえで「事故じこから時間じかんがたつなかで、娘むすめから目めを離はなしていたことや、具体ぐたい的てきな安全あんぜん基準きじゅんやマニュアルが整備せいびされていないことを知しり、娘むすめが亡なくならずにすんだのではないかというところがいっぱい出でてきました。こういう悲かなしいことが起おこらないように安全あんぜん面めんを見直みなおしてほしいです」と話はなしていました。

事故じこのあと横浜よこはま市しの対応たいおうは

事故じこのあと、横浜よこはま市しは委託いたく先さきの事業じぎょう者しゃに対にたいし安全あんぜん管理かんりの指針ししんの作成さくせいなどを求もとめるとともに、職員しょくいんが直接ちょくせつ施設しせつを訪おとずれて、指針ししんが定さだめられているかどうかや、適切てきせつな対応たいおうが取とられているかなどを確認かくにんしているということです。