“避難ひなん所しょ生活せいかつ 集団しゅうだん感染かんせんに注意ちゅうい できる範囲はんいで感染かんせん対策たいさくを”

日本にっぽん環境かんきょう感染かんせん学会がっかいによりますと、避難ひなん所しょには

▽多おおくの人ひとが集あつまり、密みつな環境かんきょうになりやすいほか

▽水みずやアルコールが不足ふそくして衛生えいせい管理かんりが難むずかしくなることから

感染かんせん症しょうが広ひろがりやすい環境かんきょうになり、過去かこに起おきた大おおきな災害さいがいではインフルエンザなどの集団しゅうだん感染かんせんが起おきたことがあるということです。

学会がっかいの元もと理事りじ長ちょうで感染かんせん症しょうに詳くわしい東北とうほく医科いか薬科やっか大学だいがくの賀来かく満夫みつお特とく任にん教授きょうじゅは、避難ひなん生活せいかつが始はじまって1週間しゅうかんほどすると感染かんせん症しょうが増ふえる傾向けいこうがあると指摘してきしています。

感染かんせん症しょうをきっかけに、肺炎はいえんで亡なくなる人ひともいるということで、できる範囲はんいでの感染かんせん対策たいさくを求もとめています。

賀来かく特とく任にん教授きょうじゅは感染かんせん症しょうを防ふせぐためには、まず、食事しょくじと排はいせつの際さいの手洗てあらいが重要じゅうようだとしたうえで、せっけんを使つかって流水りゅうすいで手てを洗あらうことが望のぞましいものの、被災ひさい地ちでは清潔せいけつな水みずが手てに入はいらないこともあるため「消毒しょうどく用ようのアルコールやウェットティッシュ、それが無なければ少量しょうりょうの水みずやお茶おちゃで湿しめらせたティッシュで手てを拭ふくことでも感染かんせん症しょうのリスクを下さげることができる」としています。

また、発熱はつねつしたり、のどの痛いたみやせきなどの症状しょうじょうが出でたりしたときは、感染かんせん性せいの胃腸いちょう炎えんやインフルエンザ、新型しんがたコロナに感染かんせんしている可能かのう性せいも考かんがえられるため、感染かんせんを広ひろげないためにも、可能かのうなかぎり周囲しゅういの人ひとから離はなれた場所ばしょで過すごすよう呼よびかけています。

また、体調たいちょうが悪わるいことを自分じぶんから言い出いいだせない人ひともいるため、体調たいちょうの悪わるい人ひとがいないか周まわりを気きにかけて、必要ひつように応おうじて別室べっしつを確保かくほするなどの配慮はいりょをすることも重要じゅうようだとしています。

賀来かく特とく任にん教授きょうじゅは「被災ひさい地ちで感染かんせん症しょう対策たいさくを徹底てっていすることは難むずかしいが、できる範囲はんいで感染かんせん対策たいさくを進すすめてほしい。特とくに、体調たいちょうが悪わるいときにはがまんせずに周囲しゅういに助たすけを求もとめることが大切たいせつだ。医療いりょう支援しえんのチームも入はいり始はじめているので、なるべく外部がいぶの力ちからを頼たよってほしい」と話はなしています。

日本にっぽん環境かんきょう感染かんせん学会がっかいはDICTを派遣はけん

被災ひさい地ちの感染かんせん症しょう対策たいさくを支援しえんするために日本にっぽん環境かんきょう感染かんせん学会がっかいは、感染かんせん症しょうの対策たいさくにあたる医師いしや看護かんご師しのチームを石川いしかわ県内けんないに派遣はけんしました。

DICT＝災害さいがい時じ感染かんせん制御せいぎょ支援しえんチームと呼よばれるこのチームは、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの際さいの避難ひなん所しょでの感染かんせん症しょう対策たいさくの経験けいけんをもとに作つくられ、これまで2016年ねんの熊本くまもと地震じしんなどで感染かんせん対策たいさくを行おこなったということです。

チームは石川いしかわ県けん七尾ななお市しにある公立こうりつ能登のと総合そうごう病院びょういんに常駐じょうちゅうして、各地かくちの避難ひなん所しょ運営うんえいを支援しえんする方針ほうしんだということです。

学会がっかいでは今後こんご、感染かんせん症しょう対策たいさくに使つかう消毒しょうどく薬やくやマスクといった物資ぶっしの支援しえんも合あわせて行おこなうことにしています。

看護かんご師しによる住民じゅうみんの健康けんこう状態じょうたいの確認かくにん

石川いしかわ県けん七尾ななお市しの避難ひなん所しょでは、県けんの看護かんご協会きょうかいから派遣はけんされた看護かんご師しによる住民じゅうみんの健康けんこう状態じょうたいの確認かくにんが始はじまりました。

石川いしかわ県けん看護かんご協会きょうかいは、看護かんご師し3人にんをそれぞれ七尾ななお市しと珠洲すず市しの避難ひなん所しょに5日にちから派遣はけんしました。

このうち七尾ななお市しの中島なかじま小学校しょうがっこうでは、到着とうちゃくした看護かんご師したちが、糖尿とうにょう病びょうなどの持病じびょうがある人ひとの数かずや、過すごしている部屋へやなどの情報じょうほうを市しの職員しょくいんと共有きょうゆうしました。

そして1人にんずつ声こえをかけ、健康けんこう状態じょうたいのほか、薬くすりなど不足ふそくしているものがないか聞きき取とりを行おこなっていました。

今後こんご、医療いりょう機関きかんでの対応たいおうが必要ひつようなケースがあれば、搬送はんそうの調整ちょうせいを行おこなうということです。

また、感染かんせん症しょうが広ひろがるのを防ふせぐためのこまめな消毒しょうどくや、エコノミークラス症候しょうこう群ぐんを予防よぼうするための定期ていき的てきなストレッチなども呼よびかけていくということです。

派遣はけんされた看護かんご師しの虎とら本ほん三さん佳恵かえさんは「これから長丁場ながちょうばになることが予想よそうされるので、避難ひなんしている方ほうの健康けんこう状態じょうたいを守まもれるよう環境かんきょう整備せいびを進すすめていきたい」と話はなしていました。

看護かんご協会きょうかいは要請ようせいがあれば派遣はけんする看護かんご師しを増ふやしたいとしています。

仮設かせつトイレの設置せっち進すすむ

石川いしかわ県けんは避難ひなん所しょで断水だんすいによって衛生えいせい環境かんきょうが悪化あっかしているなどという避難ひなんしている人ひとの声こえを受うけて、仮設かせつトイレの設置せっちを順次じゅんじ、進すすめています。

このうち、輪島わじま市しでは5日にちと6日にちで、合あわせて30基きが設置せっちされ、市しによりますと5日にち、設置せっちされる避難ひなん所しょは次つぎのとおりです。

▽輪島わじま高校こうこう、サンアリーナ、健康けんこうセンターでそれぞれ3基き

▽輪島わじま中学校ちゅうがっこう、河井かわい小学校しょうがっこう、鳳至ふげし小学校しょうがっこう、大屋おおや小学校しょうがっこうでそれぞれ2基き

▽鳳至ふげし公民館こうみんかん、港みなと公民館こうみんかん、大屋おおや公民こうみん館かんでそれぞれ1基きです。

また6日にちは

▽剱地ち原子力げんしりょく災害さいがい防護ぼうご施設しせつで4基き

▽黒島くろしま公民館こうみんかん、諸岡もろおか公民こうみん館かんで

それぞれ3基きが設置せっちされます。

石川いしかわ県けんによりますと仮設かせつトイレは4日にちまでに、国くにから少すくなくとも200基き程度ていどが届とどけられていて、被害ひがいの大おおきかった能登のと半島はんとうの自治体じちたいの避難ひなん所しょで設置せっちが進すすめられています。

県けんは今後こんごも自治体じちたいの要請ようせいに応おうじて随時ずいじ、設置せっちを進すすめることにしています。

輪島わじま市し副ふく市長しちょう「トイレに困こまっていた」

石川いしかわ県けん輪島わじま市内しないの避難ひなん所しょに国くにが提供ていきょうした仮設かせつトイレが設置せっちされることについて、中山なかやま由紀夫ゆきお副ふく市長しちょうは「避難ひなん所しょではトイレに困こまっており、仮設かせつトイレを提供ていきょういただき大変たいへんありがたい。感謝かんしゃ申し上もうしあげます」というコメントを発表はっぴょうしました。

60代だい女性じょせい「とてもありがたいです」

石川いしかわ県けん輪島わじま市しの60代だいの女性じょせいは「トイレがとても大変たいへんでした。特とくに女性じょせいはすごく困こまっていました。30台だいも仮設かせつトイレが来くるということもそうですし、個室こしつでできるのもとてもありがたいです」と話はなしていました。

また、金沢かなざわ市内しないから実家じっかに帰省きせいしていて被災ひさいしたという20代だいの男性だんせいは「水みずがでないので、やりっぱなしの状態じょうたいでしたし、手てもアルコール消毒しょうどくだけでした。仮設かせつトイレがあることはとてもうれしいです」と話はなしていました。