おさめられないちち遺骨いこつ

Easy Japanese news
Mar 17, 2023 16:03 0
Furigana
日本报纸
女性じょせい自宅じたくには父親ちちおや遺骨いこつはいったこつつぼが、もう2ねんかれたままになっています。

新型しんがたコロナに感染かんせんし、87さいくなった父親ちちおや感染かんせん対策たいさくのため、最期さいご立ち会たちあことはかないませんでした。

感染かんせん拡大かくだいから3ねんがたち、いた機会きかい十分じゅうぶんないまま大切たいせつひとうしなあいまい喪失そうしつ”にくるしむ遺族いぞくおおと、専門せんもん指摘してきします。

3つき、こうした遺族いぞくあつまっていのをささげる法要ほうよう京都きょうとてらいとなまれました。

マスク着用ちゃくよう個人こじん判断はんだんゆだねられるなど社会しゃかいはコロナまえもどろうとしていますが、遺族いぞくのなかには複雑ふくざつおもかかえるひとすくなくありません。

大阪おおさか放送ほうそうきょく 記者きしゃ 井上いのうえ幸子さちこ 成清なりきよこうふとし京都きょうと放送ほうそうきょく 記者きしゃ 絹川きぬかわ千晴ちはる

看取みとりや葬儀そうぎ コロナでままならず

3つき11にち京都きょうとある西本願寺にしほんがんじで、新型しんがたコロナに感染かんせんくなったひといた法要ほうよういとなまれました。

遺族いぞくくわえ、患者かんじゃ治療ちりょうにあたった医療いりょうしゃ一般いっぱんひとなど、230にんあまり参加さんかし、しずいのをささげました。

厳格げんかく感染かんせん対策たいさくおこなわれた影響えいきょうで、大切たいせつひと看取みとりや葬儀そうぎがままならなかった遺族いぞく数多かずおおくいます。

兵庫ひょうごけんから参加さんかした60だい女性じょせいです。

2ねんまえの3つき、87さいだった父親ちちおや新型しんがたコロナでくしました。

うしなわれたわか時間じかん

父親ちちおや入所にゅうしょしていた高齢こうれいしゃ施設しせつ感染かんせんしました。

感染かんせんがわかった当時とうじ会話かいわもできていましたが、治療ちりょうのため病院びょういんうつった直後ちょくごに、体調たいちょう急激きゅうげき悪化あっか

治療ちりょうつづけられたものの、入院にゅういんから5にち父親ちちおやはコロナによる肺炎はいえんくなりました。

感染かんせん対策たいさくのため、女性じょせい病室びょうしつはいことはできませんでした。

ようやくかおられたのは、医師いしから死亡しぼうげられ、わたされたタブレット端末たんまつ画面がめんしでした。

父親ちちおやそのうち火葬かそうされ、ほねひろことも、葬儀そうぎをすることもできなかったといいます。

女性じょせい

ちちかんれいきゅうしゃからてきても、そば近寄ちかよことすらできませんでした。防護ぼうごふく火葬かそうじょう職員しょくいんに『近寄ちかよらないでください』とめられてしまって。なぜこんなわなきゃいけないのか、やりきれないいかくやしさにくわえ、ちちに対にたいして申し訳もうしわけない気持きもいっぱいでした」

女性じょせい自宅じたくには、父親ちちおや遺骨いこつはいったこつつぼかれたままです。

2ねんたった今たったいまも、父親ちちおや受け止うけとめきれずにいるといいます。

女性じょせい

人間にんげんっていつかから、父親ちちおやはたまたまその原因げんいんがコロナだった。しかたがないと割り切わりきろうとおもっていますが、やるせないおもはいまもえません」

あいまい喪失そうしつ”にくるしむ遺族いぞく

新型しんがたコロナで家族かぞくなどくした遺族いぞくは、いた機会きかい十分じゅうぶんにない”あいまいな喪失そうしつ”にくるしむケースすくなくないと、指摘してきする専門せんもんがいます。

龍谷大学りゅうこくだいがく社会しゃかいてき孤立こりつ回復かいふく支援しえん研究けんきゅうセンターの、黒川くろかわ雅代まさよセンターちょうです。

黒川くろかわさんは、新型しんがたコロナの遺族いぞく支援しえんを2ねんまえからつづけてきました。

今回こんかい西本願寺にしほんがんじでの追悼ついとう法要ほうよう企画きかくしたほか遺族いぞくたちにびかけて、つきに1、「かちいのかい」を大阪おおさかひらいてきました。

遺族いぞくたちに共通きょうつうするのは、身近みぢかひと十分じゅうぶんいたことができなかったという後悔こうかい気持きもだといいます。

龍谷大学りゅうこくだいがく社会しゃかいてき孤立こりつ回復かいふく支援しえん研究けんきゅうセンター 黒川くろかわセンターちょう

大切たいせつひと理解りかいするために一番いちばん重要じゅうよう時間じかんやプロセスが抜け落ぬけおちてしまうことで、”あいまい喪失そうしつ”につながってしまう。そうすると、のこされたひとはなかなかさきすすめなくなってしまうのです」

ベッドサイドでおこなわれる看取みとり。

親戚しんせきなど故人こじんについて語り合かたりあ葬儀そうぎ

コロナで、大切たいせつひととのわか時間じかんうしなわれていました。

遺族いぞく大切たいせつひと受け止うけとれないなか、マスク着用ちゃくよう個人こじん判断はんだんゆだねられるなど社会しゃかい日常にちじょう取り戻とりもどそうとしています。

黒川くろかわさんは、遺族いぞく社会しゃかいとの距離きょりひろがることを懸念けねんしています。

黒川くろかわセンターちょう

新型しんがたコロナでくなったひとは、くに政策せいさくによって看取みとりがゆるされず、十分じゅうぶんとむらもできなかったというめんがあるとおもいます。平時へいじであれば当然とうぜんまもられるべき尊厳そんげんが、まもられてこなかったということです。遺族いぞくさきすすめない状況じょうきょうのなかで、社会しゃかいはコロナまえ状態じょうたい急速きゅうそくもどろうとしている。遺族いぞく気持きも社会しゃかいとのみぞができて、それ今後こんごさらにふかまっていかないか、懸念けねんしています」

日常にちじょうかういまこそ 遺族いぞく孤立こりつしないよう”

3つき11にち京都きょうと 西本願寺にしほんがんじおこなわれた追悼ついとう法要ほうよう

ちょうど3ねんまえの3つき11にち、WHO=世界せかい保健ほけん機関きかんは、新型しんがたコロナウイルスが世界せかいてきだい流行りゅうこうになっているという認識にんしきはじめてしめしました。

あれから3ねんたち、新型しんがたコロナに感染かんせんしてくなったひとは、国内こくないで7まんにんえています。

法要ほうよう会場かいじょうに、父親ちちおやをコロナでくし、葬儀そうぎができなかった、兵庫ひょうごけん女性じょせい姿すがたがありました。

いのをささげるそのには、父親ちちおや遺影いえいにぎられていました。

女性じょせい

こういったおおきな場所ばしょみんないのってもらうことで、あらためてわたしはひとりじゃないんだとかんじました。法要ほうよう区切くぎつけることで、わたしなかでは気持きもがひとつすすんだようながしています」

法要ほうよう企画きかくした黒川くろかわさんは、コロナでくなったひと社会しゃかい全体ぜんたいいた機会きかいもうけることが、遺族いぞくへの支援しえんにつながるとかんがえています。

龍谷大学りゅうこくだいがく社会しゃかいてき孤立こりつ回復かいふく支援しえん研究けんきゅうセンター 黒川くろかわセンターちょう

いま社会しゃかい関心かんしんは、マスクをとるとらないとか、新型しんがたコロナが5るい移行いこうすることにうつっていますが、流行りゅうこうわったわけではありません。そして新型しんがたコロナで大切たいせつひとくした遺族いぞくには、特有とくゆうかなしみがあります。社会しゃかい日常にちじょうかういまこそ、そうした遺族いぞく孤立こりつしないように、おもせ、支援しえんしていくことが大切たいせつだとおもいます」

社会しゃかい全体ぜんたいわか時間じかん大切たいせつ

新型しんがたコロナの遺族いぞくには、大切たいせつひと最後さいご立ち会たちあえなかったということにくわえて、自分じぶん感染かんせんさせてしまったのではないかという自責じせきねんや、受け入うけいれてくれる医療いりょう機関きかんなかなかつからず、十分じゅうぶん治療ちりょうけさせてやれなかったのではないかという後悔こうかいなど特有とくゆうおもいがあることも、取材しゅざいを通をつうじてかんじました。

新型しんがたコロナでくなったひと葬儀そうぎについては、ことし1つきくにあたらしいガイドラインを公表こうひょうし、感染かんせん対策たいさくをしたうえくなったひとれることができるようになるなどすこずつわってきています。

しかし病院びょういんではいまでも、コロナの患者かんじゃ看取みとことがむずかしい状況じょうきょうつづいています。

コロナによって大切たいせつひとうしなった遺族いぞくその受け止うけとめきれていない遺族いぞくなかには、急速きゅうそく日常にちじょう取り戻とりもどしていく社会しゃかいから、取り残とりのこされてしまったとかんじるひともいるのではないか。

遺族いぞくへの支援しえんとともに、身近みぢかひととのわか時間じかんを、コロナまえのように大切たいせつできる社会しゃかいのぞみたいとおもいます。

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