欧米によるウクライナへの戦闘機の供与をめぐっては、今月に入ってポーランドとスロバキアが旧ソビエト製のミグ29戦闘機の供与を決めた一方で、アメリカのバイデン大統領は、ウクライナ側が求めてきたアメリカのF16戦闘機については供与しない考えを重ねて示しています。
今月上旬、NHKの取材に応じたのは、ウクライナの防空任務にあたる空軍の戦闘機部隊の隊長で、自身もミグ29戦闘機のパイロットを務める男性です。
隊長は、今月9日、ロシア軍がキーウなど各地に大規模なミサイル攻撃を行ったことに触れ、「多くの巡航ミサイルを撃ち落とせたが迎撃できないタイプのミサイル攻撃により被害を受けた。ロシア軍は、以前に比べてドローンやミサイル攻撃の数と頻度は減ったものの、使用するミサイルの種類が増えている」と述べ、弾道ミサイルや極超音速兵器だとするミサイルを組み合わせて攻撃するなど戦術を変化させていると指摘しました。
そのうえで「大国ロシアは多くの戦闘機や兵器を持っている。ウクライナが勝利できるのは、ロシアよりも最新の兵器などを使う場合に限られる」と述べ、最新兵器の一層の供与を求めました。

供与を望む兵器に関して隊長は、「欧米が戦闘機の供与を先延ばしにしていることでウクライナでは犠牲が増え続けている」として、強力なレーダーを備えるなどしたアメリカのF16戦闘機が必要だと訴えました。
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