日本新闻: ドローンが荷物を配達国内初「レベル4」飛行の結果は？

ドローンが荷物にもつを配達はいたつ国内こくない初はつ「レベル4」飛行ひこうの結果けっかは？

Mar 24, 2023 19:03

Furigana

あなたの家いえの上空じょうくうをドローンが飛とび、空そらから荷物にもつを受け取うけとる日ひも遠とおくないかもしれません。

24日にちに国内こくないで初はじめて行おこなわれたのは、操縦そうじゅう士しが目視もくしできない範囲はんいでドローンを飛行ひこうさせる「レベル4」という高度こうどな飛行ひこう。

物流ぶつりゅう業界ぎょうかいでのドローンの実用じつよう化かに向むけた最新さいしん情報じょうほうをお伝おつたえします。

【国内こくない初はつ「レベル4」の試験しけん飛行ひこう】

舞台ぶたいは、東京とうきょう・奥多摩おくたま町まち。

1キロの荷物にもつを積つんだドローンは奥多摩おくたま郵便ゆうびん局きょくの屋上おくじょうから勢いきおいよく飛び立とびたち、20メートルの高たかさまで上昇じょうしょう。

住宅じゅうたく街がいにある郵便ゆうびん局きょくから、2キロほど離はなれた山間さんかん部ぶにある住宅じゅうたくまで荷物にもつを届とどけます。

住宅じゅうたく街がいや山やまの上空じょうくうを通とおり、あらかじめ設定せっていされたルートをおよそ5分間ふんかん飛行ひこうしました。

そして、住宅じゅうたくの庭先にわさきに無事ぶじに着陸ちゃくりく。

機体きたいから荷物にもつを外はずして再ふたたび上空じょうくうに舞い上まいあがりました。

地上ちじょうで待ち受まちうけていた住民じゅうみんは無事ぶじに荷物にもつを受け取うけとりました。

レベル4の飛行ひこうは去年きょねん12月つきに法律ほうりつが改正かいせいされ、実現じつげんに向むけて、機体きたいの認証にんしょう制度せいどや操縦そうじゅう士しの国家こっか資格しかくが設もうけられましたが、今回こんかいの飛行ひこうが国内こくないで初はじめてだということです。

【一方いっぽう、地上ちじょうでは】

1通つうの封書ふうしょを届とどけるために…

ドローンの実証じっしょう実験じっけんを進すすめる奥多摩おくたま郵便ゆうびん局きょくでは、過疎かそ地ちを中心ちゅうしんに配達はいたつコストがかさんでいます。

1通つうの封書ふうしょを届とどけるために4キロ程ほどの道みちのりをバイクで走はしり…

バイクでは入はいることのできない山道さんどうを歩あるいて届とどけるというケースもあるということです。

手紙てがみやはがきは宅配たくはい便びんなどと比くらべて配送はいそう料りょうが安やすく、利益りえきを出だすには一定いっていの取扱とりあつかい量りょうが必要ひつようですが、奥多摩おくたま郵便ゆうびん局きょくのように1通つうの封書ふうしょに対にたいして多おおくの労力ろうりょくがかかる場合ばあいもあります。

さらに、2021年度ねんどの郵便ゆうびん物ぶつは148億おく通つうと、メールやSNSなどが普及ふきゅうした影響えいきょうで20年ねん前まえより40％余あまり減少げんしょうしています。

日本にっぽん郵便ゆうびんがドローン配送はいそうの実用じつよう化かを急いそぐ背景はいけいには、こうした手紙てがみやはがきなど郵便ゆうびん物ぶつの急速きゅうそくな減少げんしょうがあります。

配達員はいたついん不足ふそく募集ぼしゅうの半数はんすう以下いかも…

さらに追い打おいうちをかけているのが配達はいたつ員いんの不足ふそくで、都市とし部ぶ、地方ちほうを問とわず、募集ぼしゅうをかけても十分じゅうぶんな人員じんいんを集あつめられない状況じょうきょうが続つづいているということです。

5年ねん前まえに公表こうひょうされた会社かいしゃの資料しりょうを例れいに挙あげると、岩手いわて県けんの盛岡もりおか中央ちゅうおう郵便ゆうびん局きょくでは配達はいたつを担になう職員しょくいんを20人にん募集ぼしゅうしたところ、応募おうぼ者しゃは半数はんすう以下いかの8人にんで、東京とうきょう・銀座ぎんざの郵便ゆうびん局きょくでも16人にんの定員ていいんに対にたいし応募おうぼ者しゃは11人にんでした。

このため、日本にっぽん郵便ゆうびんは過疎かそ地ちでの配達はいたつに加くわえて郵便ゆうびん局きょくどうしの輸送ゆそうにもドローンを活用かつようしたい考かんがえです。

住民じゅうみんの不安ふあん払拭ふっしょくもカギに

一方いっぽう、「レベル4」では、ドローンが操縦そうじゅう士しが目視もくしできない範囲はんいで人ひとが行き交いきかう場所ばしょや住宅じゅうたくの上空じょうくうも飛行ひこうするため、本格ほんかく的てきな実用じつよう化かに向むけては安全あんぜん性せいの確保かくほや住民じゅうみんの不安ふあんの払拭ふっしょくが欠かかせません。

今回こんかい、導入どうにゅうされた機体きたいはコントロール不能ふのうに陥おちいらないようGPSのアンテナを2つにしたほか、墜落ついらくしそうになった場合ばあいには、パラシュートが自動的じどうてきに開ひらく仕組しくみです。

さらに会社かいしゃでは、ドローンが飛とぶ地域ちいきで繰り返くりかえし説明せつめい会かいを開ひらき、安全あんぜん対策たいさくを説明せつめいするなどして住民じゅうみんの理解りかいを求もとめてきました。

説明せつめい会かいに参加さんかした住民じゅうみんは「今いまの説明せつめいを聞きいて特とくに不安ふあんはない」とか「人ひとの手てでなくては運はこべなかったものが、機械きかいで空そらから運はこんでもらえるのは夢ゆめみたいです」などと話はなしていました。

本格ほんかく的てきな導入どうにゅうに向むけて

日本にっぽん郵便ゆうびんは配達はいたつ員いんの不足ふそくや配送はいそうコストの負担ふたん軽減けいげんに向むけてドローンを活用かつようしたい考かんがえで、試験しけん的てきな飛行ひこうを重かさねて安全あんぜん性せいなど技術ぎじゅつ的てきな検証けんしょうを進すすめ、本格ほんかく的てきな導入どうにゅうを目指めざすことにしています。