日本新聞: “超深海” 世界最深で泳ぐ魚の撮影に成功東京海洋大など

“超ちょう深海しんかい” 世界せかい最深さいしんで泳およぐ魚さかなの撮影さつえいに成功せいこう東京とうきょう海洋かいよう大だいなど

Apr 2, 2023 19:04

Furigana

東京とうきょう海洋かいよう大学だいがくや西にしオーストラリア大学だいがくなどの国際こくさい研究けんきゅうグループが、伊豆いず・小笠原おがさわら海溝かいこうの水深すいしん8336メートルの深海しんかいで、泳およぐ魚さかなの姿すがたの撮影さつえいに成功せいこうしました。

グループによりますと、これまでに最もっとも深ふかい場所ばしょで確認かくにんされた魚さかなになるということで、専門せんもん家かは「魚さかながすむことができる限界げんかいに近ちかい深ふかさだと考かんがえられる」としています。

撮影さつえいに成功せいこうしたのは西にしオーストラリア大学だいがくのアラン・ジェイミソン教授きょうじゅや東京とうきょう海洋かいよう大学だいがくなどのグループで、調査ちょうさ航海こうかいにはNHKの自然しぜん番組ばんぐみ「ダーウィンが来きた！」の取材しゅざい班はんも参加さんかしました。

去年きょねん8月つき15日にち、カメラなどを搭載とうさいした観測かんそく装置そうちを使つかって伊豆いず・小笠原おがさわら海溝かいこうの海底かいてい付近ふきん、水深すいしん8336メートルで撮影さつえいを行おこなったところ、魚さかなが泳およいでいる姿すがたを撮影さつえいすることに成功せいこうしたということです。

映像えいぞうから、この魚さかなは全身ぜんしんが乳白色にゅうはくしょくで体長たいちょうはおよそ30センチ「スネイルフィッシュ」と呼よばれる深海しんかい魚ぎょの仲間なかまとみられるということです。

ヒレは、半はん透明とうめいで体からだは柔やわらかいゼラチン質しつで覆おおわれているとみられます。

グループによりますと、これまで生いきた魚さかなが確認かくにんされた最もっとも深ふかい水深すいしんはマリアナ海溝かいこうの水深すいしん8178メートルでしたが、今回こんかいはそれよりも158メートル深ふかいということです。

脊椎せきつい動物どうぶつである魚類ぎょるいは、水圧すいあつの影響えいきょうのため8200メートルから8400メートル程度ていどより水深すいしんが深ふかくなると生存せいぞんが難むずかしくなると考かんがえられています。

国際こくさい研究けんきゅうグループの日本にっぽん側がわのリーダーで、東京とうきょう海洋かいよう大学だいがくの北里きたざと洋よう博士はかせは「水深すいしん8000メートルを超こえる超ちょう深海しんかいで世界せかい最深さいしんの魚さかなが発見はっけんされたのはすごいことだ。極限きょくげんの環境かんきょう下かでどういう生理せいり現象げんしょうで生いきていけるのかを考かんがえる材料ざいりょうを手てにすることができた。今いま、知しられている体からだの仕組しくみからすると魚さかながすむ限界げんかいに近ちかい場所ばしょだと考かんがえられる」と話はなしています。