台風たいふう19号ごう 豪雨ごうう災害さいがいから2年ねん 各地かくちで追悼ついとう 被災ひさい地ちの課題かだいは

また、崖がけ崩くずれなどの土砂どしゃ災害さいがいも952件けんにのぼりました。

NHKが今月こんげつ上旬じょうじゅん、全国ぜんこくの自治体じちたいに取材しゅざいしたところ、死者ししゃは福島ふくしま県けんや宮城みやぎ県けん、神奈川かながわ県けんや長野ながの県けんを中心ちゅうしんに合あわせて121人にん、行方ゆくえ不明ふめい者しゃが2人にんでした。

死亡しぼうした人ひとのうち、土砂どしゃ災害さいがいや川かわの氾濫はんらんなど直接的ちょくせつてきな被害ひがいで亡なくなったのは92人にんで、災害さいがい後ごに亡なくなった災害さいがい関連かんれん死しと認定にんていされたのは長野ながの県けんで8人にん増ふえ、29人にんにのぼっています。

宮城みやぎ県内けんないでは災害さいがい関連かんれん死しを含ふくめて20人にんが死亡しぼうし、このうち丸森まるもり町まちでは土砂崩どしゃくずれなどで県内けんないで最もっとも多おおい11人にんが死亡しぼう、1人にんの行方ゆくえが今いまも不明ふめいのままです。

町まちでは遺族いぞくなどおよそ90人にんが参列さんれつして追悼ついとう式しきが開ひらかれ、はじめに黙もくとうをささげました。

続つづいて保科ほしな郷ごう雄つよし町長ちょうちょうが「犠牲ぎせいとなった方々かたがたのご冥福めいふくをお祈おいのりするとともに、1日にちも早はやい復旧ふっきゅう・復興ふっこうと安心あんしんして暮くらせるまちづくりのために全力ぜんりょくを尽つくすことを誓ちかいます」と述のべました。

そして遺族いぞくを代表だいひょうし、今いまも妹いもうとの行方ゆくえが分わからない天野あまの民子たみこさんが「元気げんきだった頃ころの姿すがたを思おもいだすと今いまでも胸むねが張り裂はりさけそうです。ただ、いつまでも悲かなしみに暮くれていると、亡なくなった人ひとたちを悲かなしませることになると思おもうので、災害さいがいを後世こうせいに語り継かたりつぐとともに、前まえを向むいて生いきていきたいと思おもいます。天上てんじょうで見守みまもっていてください」と語かたりかけました。

キャンプ場じょうのテントを立たてる場所ばしょは流ながされるなどしましたが、遺族いぞくによって営業えいぎょうは再開さいかいされ、今いまも関戸せきどさんを慕したう人ひとたちがキャンプ場じょうを訪おとずれているということです。

経営けいえいを引き継ひきついだ長女ちょうじょの高崎たかさき幸江ゆきえさんは「2年ねんはあっという間あっというまだったが、父ちちがもういないという気持きもちがだんだん強つよくなってきた。父ちちには感謝かんしゃしかなく、みんなで頑張がんばっているといつも伝つたえている」と話はなしていました。

6900棟むね余あまりの住宅じゅうたくが被害ひがいを受うけ、県けんによりますと仮設かせつ住宅じゅうたくや民間みんかんの賃貸ちんたい住宅じゅうたくを活用かつようしたいわゆる「みなし仮設かせつ」などで避難ひなん生活せいかつを余儀よぎなくされている被災ひさい者しゃは、最もっとも多おおかったときの984世帯せたいから4割わり余あまり減少げんしょうしたものの、今月こんげつ1日にちの時点じてんでも394世帯せたい、918人にんにのぼっています。

長野ながの市し上野うえのにある仮設かせつ団地だんちには13世帯せたいが入居にゅうきょしていて、祖母そぼとともに生活せいかつしている北澤きたざわ光彦みつひこさん（31）は、祖父そふのりんご畑はたけを継つごうと県けん外がいから引っ越ひっこしてきたやさきに被害ひがいに遭あい、畑はたけもすべて流ながされました。

今いまはアルバイトなどで収入しゅうにゅうを得えているということで、北澤きたざわさんは「自分じぶんの家いえではないので落ち着おちつきません。リンゴ畑はたけを立て直たてなおしたいのに、家いえがないことや収入しゅうにゅうが途絶とだえてしまったことが大おおきな負担ふたんになっています」と話はなしていました。

長野ながの市し津野つのでは、台風たいふうの前まえはおよそ250人にんが住すんでいましたが、この2年ねんで3割わり余あまりが別べつの場所ばしょに転居てんきょしました。

区長くちょうを務つとめる小口おぐち吉昭よしあきさんによりますと、住すみ続つづける意思いしのある住民じゅうみんはさらに少すくなく、今後こんご、人口じんこうは被災ひさい前まえの半数はんすうほどになる見込みこみだということです。

こうした中なか、課題かだいとなっているのが、地区ちくの活動かつどうです。

住民じゅうみんが分担ぶんたんして地域ちいきの清掃せいそうや草刈くさかり、高齢こうれい者しゃの見守みまもりなどを行おこなっていますが、被災ひさい後ごは防災ぼうさいや復興ふっこうに向むけた話し合はなしあいなどの活動かつどうも増ふえていて、人口じんこうが減へるなかで負担ふたんになっているということです。

原則げんそく2年ねんとされる仮設かせつ住宅じゅうたくの入居にゅうきょ期限きげんが迫せまるなか、避難ひなん生活せいかつを送おくる人ひとたちが地元じもとに残のこるかどうか決断けつだんを下くだす時期じきが来くるため、地区ちくではアンケートなどを行おこなって、地区ちくの活動かつどうや役員やくいんの人数にんずう、交流こうりゅう行事ぎょうじなどを規模きぼに見合みあった形かたちにするか検討けんとうを始はじめているということです。

小口こぐち区長くちょうは「住民じゅうみんが減へるのは寂さびしいが、災害さいがいの不安ふあんを抱かかえてまで、この地区ちくに家いえを再建さいけんしてほしいとは言いえないのでしかたない。災害さいがいの影響えいきょうで地区ちくの人口じんこう減少げんしょうが10年ねん、20年ねん単位たんいで一気いっきに進すすんでいるので、住民じゅうみんの負担ふたんを減へらすためどう見直みなおしていけばいいのか考かんがえたい」と話はなしています。

茨城いばらき県内けんないでは那珂なか川がわと久慈くじ川がわの堤防ていぼうが決壊けっかいするなどして2人にんが死亡しぼうし、1人にんが行方ゆくえ不明ふめいとなったほか、住宅じゅうたくなどの浸水しんすいする被害ひがいは5000棟むね余あまりに上のぼりました。

県けんによりますと、今月こんげつ1日にち時点じてんで20世帯せたい42人にんが仮設かせつ住宅じゅうたくや、いわゆる「みなし仮設かせつ」などでの生活せいかつを余儀よぎなくされているということです。

仮設かせつ住宅じゅうたくの入居にゅうきょ期間きかんは法律ほうりつにより原則げんそく2年ねんで、自治体じちたいは入居にゅうきょ者しゃに、最もっとも長ながい人ひとでも来月らいげつ28日にちまでの退去たいきょを求もとめていますが、高齢こうれいなどのため新あらたな住すまいが見みつからない人ひともいて、生活せいかつの再建さいけんが課題かだいとなっています。

幸子さちこさんは「今いまもニュースで災害さいがいの映像えいぞうを見みると、音おともなく迫せまってくる水みずの怖こわさがよみがえってくる」と当時とうじの様子ようすを振り返ふりかえりました。

後藤ごとうさん親子おやこが入居にゅうきょする仮設かせつ住宅じゅうたくは、来月らいげつ上旬じょうじゅん、入居にゅうきょできる期限きげんを迎むかえ、近ちかく2人にんは市内しないの住宅じゅうたくに引っ越ひっこすことにしています。

被災ひさいした最初さいしょの1年ねんは、仮設かせつ住宅じゅうたくでの生活せいかつを整ととのえるのに追おわれ、その後そのごの1年ねんで住すまいを探さがそうとしても、条件じょうけんにあったところを探さがすのには時間じかんがなかったということで、幸子さちこさんは「市役所しやくしょとしては2年ねんでけじめをつけてほしいということかもしれないが、仮設かせつ住宅じゅうたくに入居にゅうきょする人ひとたちからすれば2年ねんは短みじかいと思おもう」と話はなしていました。