“年収ねんしゅう” なぜ上あがらない？専門せんもん家かに聞ききました

（20代だい・神奈川かながわ県けん独身どくしん・400万まん円えん台だい）

「仕事しごとは増ふえる一方いっぽうだが、昇給しょうきゅうの見込みこみがない」

（40代だい・東京とうきょう都と 夫婦ふうふ（子こどもあり）・600万まん円えん台だい）

「この20年間ねんかん、上あがったというほぼ実感じっかんがない。健康けんこう保険ほけん、介護かいご保険ほけん料りょう、通信つうしん費ひはうなぎ登のぼり」

（50代だい 高知こうち県けん 夫婦ふうふ（子こどもあり）・800万まん円えん台だい）

「これまでどうして上あがっていないのか、どうしたら上あがるのか知しりたい」

（20代だい・千葉ちば県けん 夫婦ふうふ（子こどもなし）・300万まん円えん台だい）

「教育きょういく費ひに多おおくを費ついやしており、蓄たくわえがあまりない。妻つまの両親りょうしんも自分じぶんの両親りょうしんも今いまは健在けんざいだが、今後こんご、介護かいごなどが必要ひつようになる場面ばめんがあると思おもうと不安ふあん」

（40代だい 千葉ちば県けん 夫婦ふうふ（子こどもあり）・1000万まん円えん以上いじょう）

「年収ねんしゅうが増ふえると同時どうじに税金ぜいきんが重おもく、また社会しゃかい保障ほしょうの額がくも大おおきくなる。払はらっている額がくに反はん比例ひれいして控除こうじょや児童じどう手当てあてなどの給付きゅうふがほぼ無ない」

（40代だい 奈良なら県けん 夫婦ふうふ（子こどもあり）・1000万まん円えん以上いじょう）

いずれの方々かたがたも年収ねんしゅうはもとより、年齢ねんれいや地域ちいき、家族かぞく構成こうせいなども異ことなります。

このグラフは、ボーナスや時間じかん外がい労働ろうどうを除のぞいた基本きほん給きゅうにあたる「所定しょてい内ない給与きゅうよ」の推移すいいを表あらわしていますが、20代だい～30代だいの若わかい世代せだいはベースが昇給しょうきゅうしている一方いっぽうで、40代だい～50代だいは以前いぜんより低ひくい水準すいじゅんになっていました。

「変化へんかの時期じきを逃のがしたのは1991～94年ねん。不良ふりょう債権さいけん処理しょりをやっておけばよかったが、2005年ねんまでかかってしまったのです。日本にっぽんと同おなじバブルが崩壊ほうかいしたスウェーデンなどはそのあと成長せいちょうしています。結局けっきょく、成長せいちょう率りつが低ひくいので企業きぎょうは見通みとおしが不ふ確実かくじつだとして賃金ちんぎんを上あげていない。大おおきく見みれば物価ぶっかもあまり変かわらず、給与きゅうよも同おなじような水準すいじゅんが続つづいている状況じょうきょうです」。

「この数すう年ねん、人手ひとで不足ふそくの影響えいきょうで業務ぎょうむ量りょうが増ふえ、前まえより働はたらいているのに給与きゅうよがついてきていないと感かんじるのではないでしょうか。基本きほん給きゅうが上あがっておらず、昇給しょうきゅう幅はばも小ちいさいことから、実感じっかんしづらいとおもいます。バブル期きまでは、終身しゅうしん雇用こようを背景はいけいに、若わかいときは給料きゅうりょうが低ひくいが、中高年ちゅうこうねん期きに給料きゅうりょうがアップするというのがありました。しかし、バブル崩壊ほうかい後ごの低てい成長せいちょう期きに入はいると、こうした賃金ちんぎん制度せいどを維持いじすることが難むずかしくなりました。大だい企業きぎょうの統計とうけいでは、20年ねん前まえと比くらべても中高年ちゅうこうねん層そうの人ひとのベースの給与きゅうよが上あがらなくなっています」。

いったいなぜなのでしょうか。

ただ、若わかい世代せだいからは将来しょうらいを不安ふあん視しする意見いけんも寄よせられました。

「車くるまを買かおうと見積みつもりを出だしたら毎月まいつきのローン返済へんさいに3万まん5千せん円えん。今後こんご、数すう年間ねんかんは貯金ちょきんできない」

（20代だい 宮城みやぎ県けん独身どくしん 300万まん円えん台だい）

「契約けいやく社員しゃいんだが、仕事しごと量りょうが給与きゅうよに見合みあっていない。安やすく買かいたたかれていると感かんじる。このまま結婚けっこんも出来できず、老後ろうごが不安ふあん」

（30代だい 神奈川かながわ県けん独身どくしん 300万まん円えん台だい）

「子こどもは欲ほしいが今いまの収入しゅうにゅうでは満足まんぞくに子育こそだてできるか不安ふあん」

（20代だい 栃木とちぎ県けん 夫婦ふうふ400万まん円えん台だい）

こうした声こえを専門せんもん家かはどう受け止うけとめるのか。