Japanese News: 小笠原諸島海底火山の噴火明治以降で国内最大規模か

小笠原おがさわら諸島しょとう海底かいてい火山かざんの噴火ふんか明治めいじ以降いこうで国内こくない最大さいだい規模きぼか

Oct 22, 2021 22:10

Furigana

小笠原おがさわら諸島しょとうの海底かいてい火山かざん、福徳ふくとく岡ノおかの場じょうでことし8月つきに発生はっせいした噴火ふんかについて、専門せんもん家かのグループは噴出ふんしゅつしたマグマの量りょうなどの分析ぶんせきから、明治めいじ以降いこうの国内こくないの火山かざん噴火ふんかとしては最大さいだいクラスの規模きぼだったという研究けんきゅう結果けっかを発表はっぴょうしました。

このとき噴出ふんしゅつされた軽石かるいしが沖縄おきなわ奄美あまみで大量たいりょうに漂着ひょうちゃくしていますが、専門せんもん家かは、今後こんごも続つづくおそれがあると指摘してきしています。

小笠原おがさわら諸島しょとうの硫黄いおう島とうの南みなみにある海底かいてい火山かざん、福徳ふくとく岡ノおかの場じょうは、8月つき13日にちに規模きぼの大おおきな噴火ふんかが発生はっせいし、大量たいりょうの噴出ふんしゅつ物ぶつによって2つの島しまができました。

産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょなどの研究けんきゅうグループは、気象きしょう衛星えいせい「ひまわり」や、300キロほど離はなれた父島ちちじまからの観測かんそくなどを基もとに噴火ふんか規模きぼを分析ぶんせきしたところ、噴煙ふんえんの高たかさは1万まん6000メートルから1万まん9000メートルに達たっし、マグマの噴出ふんしゅつ量りょうは、およそ3億おくトンから10億おくトンとみられるということです。

このため研究けんきゅうグループは、今回こんかいの噴火ふんかの規模きぼは明治めいじ以降いこうの国内こくないの火山かざん噴火ふんかとしては、桜島さくらじまで1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）に発生はっせいした「大正たいしょうの大だい噴火ふんか」に次つぐもので、最大さいだいクラスだったとしています。

大量たいりょうの軽石かるいし沖縄おきなわや奄美あまみに次々つぎつぎと漂着ひょうちゃく

一方いっぽう、噴火ふんかに伴ともなって出でた大量たいりょうの軽石かるいしは海流かいりゅうの影響えいきょうで西にしへ移動いどうし、噴火ふんかから2か月かげつほどたった10月つき上旬じょうじゅん以降いこう、沖縄おきなわ県けんや鹿児島かごしま県けんの奄美あまみ地方ちほうなどに次々つぎつぎと漂着ひょうちゃくし、船ふねの航行こうこうに支障ししょうが出でています。

研究けんきゅうチームが沖縄おきなわ本島ほんとうなどで調しらべたところ、海岸かいがんに軽石かるいしが厚あつく積つもり、中なかには長ながさ25センチのものもあったということです。

衛星えいせい写真しゃしんでは、10月つき15日にちの時点じてんで、沖縄おきなわ本島ほんとうの沖合おきあい50キロほどに大量たいりょうの軽石かるいしが確認かくにんされていることから、今後こんごも、しばらくは海岸かいがんへの漂着ひょうちゃくが続つづくものとみられるとしています。

産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょの及川おいかわ輝樹てるき主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「これだけの量りょうの軽石かるいしが海岸かいがんに漂着ひょうちゃくしたことは、非常ひじょうに規模きぼの大おおきい噴火ふんかだったことを物語ものがたっている。海水かいすいを利用りようする発電はつでん所しょや製鉄せいてつ所しょのほか、漁船ぎょせんやフェリーを運航うんこうする人ひとたちは注意ちゅういしてほしい」と話はなしていました。

今後こんご、本州ほんしゅう南岸なんがんに近ちかづくおそれも

専門せんもん家かがシミュレーションしたところ、大量たいりょうの軽石かるいしは今後こんご、その一部いちぶが関東かんとうなど、本州ほんしゅうの南岸なんがんにも近ちかづくおそれがあることがわかり、注意ちゅういを呼よびかけています。

JAMSTEC＝海洋かいよう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうの美山みやま透とおる主任しゅにん研究けんきゅう員いんは黒潮くろしおなど海面かいめん付近ふきんの海流かいりゅう予測よそくをもとに福徳ふくとく岡ノおかの場じょうから噴出ふんしゅつした軽石かるいしがどのように漂流ひょうりゅうするのかシミュレーションを行おこないました。

8月つきの大だい規模きぼな噴火ふんかのあと、沖縄おきなわや奄美あまみに流れ着ながれついた軽石かるいしは時計とけい回まわりに旋回せんかいし、11月つき上旬じょうじゅんにかけて、四国しこく付近ふきんの沖合おきあいまで進すすむとみられています。

その後そのごも黒潮くろしおに乗のって軽石かるいしは流ながれ続つづけ、11月つき中旬ちゅうじゅんには四国しこくと紀伊きい半島はんとうの間まの紀伊きい水道すいどうの沖合おきあいに達たっするとみられます。

そして、11月つきの末すえごろにかけて、軽石かるいしの一部いちぶは日本にっぽんの南みなみを大おおきく蛇行だこうしたあと、再ふたたび東海道とうかいどう沖おきに北上ほくじょうして関東かんとうなど、本州ほんしゅうの南岸なんがんにかなり近ちかづくと予想よそうされています。

海洋かいよう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうの美山みやま透とおる主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「今いまの時期じきは黒潮くろしおの影響えいきょうで大おおきく蛇行だこうし、東海とうかいや伊豆いず諸島しょとうまで軽石かるいしが流ながれる可能かのう性せいがある。まだしばらくは軽石かるいしの漂流ひょうりゅうが続つづくとみられ注意ちゅういしてほしい」としています。