瀬戸内せとうち寂聴じゃくちょうさん死去しきょ 交流こうりゅうのあった人ひとたちからは追悼ついとうなどの声こえ

そのうえで「非常ひじょうに快活かいかつで、気きさくな人ひとでした。自分じぶんの信念しんねんに従にしたがって自由じゆう奔放ほんぽうに生いき、人ひとの何なん倍ばいも生いきて何なん倍ばいも本ほんを書かいたと思おもいます。小説しょうせつを書かくことが本当ほんとうに好すきでしたが、瀬戸内せとうちさんと同どう世代せだいの作家さっかたちは亡なくなっている人ひとも多おおいので、その人ひとたちとの再会さいかいを喜よろこんでいるかもしれません。『長ながい間まお疲おつかれさまでした、ゆっくりとお休やすみください』と伝つたえたいです」と話はなしていました。

そのうえで「晩年ばんねんは憲法けんぽう改正かいせいの議論ぎろんについて国会こっかい議事堂ぎじどうの前まえに立たち演説えんぜつを行おこなうなど、仏門ぶつもんに入はいったあとも臆おくすることなく、一貫いっかんして政治せいじ的てき発言はつげんを繰り返くりかえしていました。ひとりの存在そんざいとして見事みごとだったと思おもいます」と述のべていました。

ツイッターに寄よせられた投稿とうこうは「寂聴じゃくちょうさんの話はなしは最高さいこうに楽たのしい。もう元気げんきなお声こえは聴きけないのか……」とか「自分じぶんの人生じんせいを自分じぶんの思おもうように生いききった様ようは称賛しょうさんに値あたいするし尊敬そんけいする」「源みなもと氏し（物語ものがたり）を読よむきっかけになった人ひと」「毎朝まいあさラジオで寂聴じゃくちょうさんのお言葉ことばいただいていたのに残念ざんねん」などの寂聴じゃくちょうさんの死しを悼いたむコメントのほかに「瀬戸内せとうち寂聴じゃくちょうさんの著書ちょしょを読よみ言葉ことばに支ささえられてきました。これからも私わたしの中なかに残のこります」「私わたし高校こうこうのときもうやだ死しにたいってなったとき瀬戸内せとうち寂聴じゃくちょうさんの新聞しんぶんのコラムに助たすけられたんだよね。ありがとうございました」「毎朝まいあさの元気げんきになるお言葉ことばが聞きけなくなり、とても寂さびしいですが、お言葉ことばを胸むねに頑張がんばります！今いままでありがとうございました」「1度ど法話ほうわを聞ききにいかせてもらいました。凄すごくあたたかくてためになって心こころが安やすらいだのを　今いまでも覚おぼえています」といった、寂聴じゃくちょうさんのことばや活動かつどうへの多おおくの感謝かんしゃのコメントが寄よせられています。

このとき法話ほうわを聞きいた飯舘いいたて村むらの菅野かんの允子のぶこさん（76）は「避難ひなんしたばかりで、みな不安ふあんばかりでしたが『人生じんせいいろんなことがあるけれど悪わるいことは続つづかない。いいことが来くるのを待まちましょう』と穏おだやかに語かたりかけていただき、私わたしも含ふくめ皆みなさん涙なみだを流ながして聞ききました」と話はなしていました。

菅野かんのさんは法話ほうわのあと寂聴じゃくちょうさんからブレスレットを贈おくられたということで、「とてもうれしく、きっといいことがあるなと思おもってきました」と話はなしていました。

そのうえで「避難ひなんをしていたころも今いまも、寂聴じゃくちょうさんの存在そんざいが、心こころの支ささえになっていて、いらっしゃるだけで力ちからをもらえていました。100歳さいまで生いきてくださると思おもっていたので非常ひじょうに残念ざんねんです」と話はなしていました。

毎年まいとし、寂聴じゃくちょうさんの誕生たんじょう日びに合あわせて訪たずねていたという京都きょうと市しの門川かどがわ市長しちょうは「ことしはお会あいできず、代かわりに花はなを贈おくると、『寂聴じゃくちょう』と書かいたお酒さけをくださいました。お酒さけが大好だいすきで、人ひととの出会であいや京都きょうとの魅力みりょくを話はなしていただき特とくに源氏げんじ物語ものがたりの話はなしになると止とまらなくなるなど、とても魅力みりょく的てきな方ほうでした。いつまでも生いきていらっしゃるような雰囲気ふんいきがあり、厳きびしい病やまいも克服こくふくされていたのでとても寂さびしいです」と別わかれを惜おしんでいました。

そのうえで「本当ほんとうに無む邪気じゃきで烈女れつじょの生き残いきのこりのような方ほうでした。私わたしにとっては身の上みのうえのことも含ふくめて何なにでも包み隠つつみかくさずに話はなしができる存在そんざいでした。人ひとの手助てだすけをするのが大好だいすきで、だからこそ多おおくの方々かたがたが相談そうだんに訪おとずれたのだと思おもいます。縦横じゅうおう無尽むじんに、生いきたいように生いきた人生じんせいで、十分じゅうぶん満足まんぞくしているのではないかと思おもいます」と話はなしていました。

そして「51歳さいで出家しゅっけされたあとには僧侶そうりょとして、講話こうわなどを通つうじ、悩なやむ方々かたがたの思おもいに広ひろく耳みみを傾かたむけられるとともに、社会しゃかい的てきな活動かつどうにも力ちからを注そそがれた。心こころから哀悼あいとうの意いを表あらわしたい」と述のべました。

交流こうりゅうがあった比叡山ひえいざん延暦寺えんりゃくじの小鴨こかも覚さとし俊しゅん副ふく執行しっこう総務そうむ部長ぶちょうは「会あうと『いつもありがとうね』と優やさしく声こえをかけてくれたのがよい思い出おもいでです。作家さっかやテレビ出演しゅつえんといった得意とくいなやり方やりかたで仏ふつの教おしえを広ひろめていただけました。女性じょせいを中心ちゅうしんにファンも多おおかったので皆みなさん悲かなしまれていると思おもいますが、瀬戸内せとうちさんはよく『私わたしはいつ死しんでもいいのよ』と話はなしていました。誰だれかに頼たよるのではなく、自分じぶん自身じしんの中なかにある仏ふつの教おしえを大切たいせつにしなさいと、私わたしたちに新あらたな道みちを諭さとしているのではないかと思おもいます」と話はなしていました。

井上いのうえさんは、自身じしんの父親ちちおやで小説しょうせつ家かだった井上いのうえ光晴みつはるさんが、寂聴じゃくちょうさんと不倫ふりん関係かんけいにあったにもかかわらず家族かぞくぐるみでの交流こうりゅうが長年ながねん続つづき、両親りょうしんと寂聴じゃくちょうさんの3人にんの関係かんけいをモデルにした小説しょうせつも執筆しっぴつしています。

井上いのうえさんは「私わたしたちのことを不思議ふしぎに思おもわれるかもしれませんが、私わたしの母ははは、父ちちと寂聴じゃくちょうさんの関係かんけいを知しったうえで、彼女かのじょを悪わるく言いったことはありませんでした。寂聴じゃくちょうさんは、お目おめにかかったときも、父ちちの話はなしを楽たのしそうにしてくれて、そんなに好すきだったんだなと感動かんどうしました。私わたしがこの恋愛れんあいを書き留かきとめておかないと消きえてしまうと思おもい、3人にんについて小説しょうせつを書かきました」と語かたりました。

寂聴じゃくちょうさんの魅力みりょくについては「無邪気むじゃきな人ひとで、私わたしたちが知しらないうちに守まもっている世間せけんのルールや、普通ふつうはこうするという認識にんしきから自由じゆうでした。なかなかできることではなく、責任せきにんを伴ともなうことだと思おもいます。批判ひはんもされましたが、それを受け止うけとめる覚悟かくごと自由じゆうさを両方りょうほう持もっていたことがいちばんの魅力みりょくだと思おもいます」と話はなしていました。

また、同おなじ小説しょうせつ家かとしては「ことばへの意識いしきが高たかく、感情かんじょうを表あらわすことばから色いろを表あらわすことばまで、すべて“これしかありえない”ということばを使つかっています。男女だんじょの色いろっぽいことも書かいていますが、その瞬間しゅんかんを表あらわすことばが選えらばれているので、汚きたならしい感かんじはしません。自身じしんの覚悟かくごや世間せけんに対にたいするスタンスが作品さくひんにあらわれていて、小説しょうせつ家かとして憧あこがれます」と話はなしていました。

添田そえたさんは「寂聴じゃくちょうさんは生家せいかが仏具ぶつぐ店てんということもあり、真言宗しんごんしゅうには親近しんきん感かんがあったようで、高野たかの山さんの私わたしの寺てらに泊とまりに来きたられ、母ははとよく話はなしをしていて私わたしも同席どうせきさせてもらいました。作家さっかとしてだけでなく僧侶そうりょとしても悩なやめる人ひとたちを自分じぶんの寺てらに招まねき導みちびくなど、非常ひじょうに立派りっぱな人生じんせいを送おくられた方ほうでしたので、亡なくなって残念ざんねんに思おもいます」と話はなしていました。