石油備蓄とは
国や石油会社などが石油の供給が不足した場合に備えて、石油のほかガソリンや灯油をすぐに供給できるよう国内に保管を義務づけています。
備蓄の方法は国が備蓄する「国家備蓄」と、民間の石油会社が義務づけられている「民間備蓄」、それに産油国と協力して国内の石油タンクで備蓄する「産油国共同備蓄」の3つがあります。
資源エネルギー庁によりますと、ことし9月末時点の備蓄量は「国家備蓄」が145日分、「民間備蓄」は90日分、また、「産油国共同備蓄」は6日分が備蓄されています。
石油備蓄の放出は石油備蓄法によってガソリンなどの供給不足のおそれがある場合や地震や豪雨など災害時に限定されており、価格上昇の対応策としての放出は想定していません。
備蓄した石油を放出したのは過去5回あります。
このうち2011年3月、東日本大震災が起きたときには東北や関東の製油所の一部が操業を停止するなど、安定的に供給できない状況になったことから、民間備蓄のうち25日分を放出しました。
2011年6月、リビア情勢の悪化を受けて民間備蓄のうち790万バレルを放出したのが最後となります。
原油価格は世界的な需要の動向や産油国の生産計画などによって大きな影響を受けます。
政府内には余剰分を放出したとしても量が限られるためガソリン価格などへの影響は限定的だという見方も出ています。