日本新聞: “中国軍の組織改革進め作戦能力向上図る” 防衛研究所報告書

“中国ちゅうごく軍ぐんの組織そしき改革かいかく進すすめ作戦さくせん能力のうりょく向上こうじょう図はかる” 防衛ぼうえい研究所けんきゅうじょ報告ほうこく書しょ

Nov 26, 2021 17:11

Furigana

防衛ぼうえい省しょうの防衛ぼうえい研究所けんきゅうじょは、中国ちゅうごくの軍事ぐんじ動向どうこうに関にかんすることしの報告ほうこく書しょをまとめ、従来じゅうらいの陸海空りくかいくうと宇宙うちゅうやサイバーといった新あらたな領域りょういきを連動れんどうさせるため、軍ぐんの組織そしき改革かいかくを進すすめ、台湾たいわん周辺しゅうへんや南シナ海みなみしなかいで訓練くんれんを活発かっぱつに行おこなうなどして作戦さくせん能力のうりょくの向上こうじょうを図はかっていると、分析ぶんせきしています。

ことしの報告ほうこく書しょでは、2000年代ねんだい半なかばごろから中国ちゅうごくの人民じんみん解放かいほう軍ぐんが進すすめる、従来じゅうらいの陸海空りくかいくうと宇宙うちゅう・サイバー・電磁波でんじはといった新あらたな領域りょういきを連動れんどうさせる「統合とうごう作戦さくせん能力のうりょく」に焦点しょうてんを当あてています。

この中なかでは、2012年ねんに始はじまった習近平ちから体制たいせい以降いこう、アメリカ軍ぐんの海兵かいへい隊たいにあたる「海軍かいぐん陸戦りくせん隊たい」の拡充かくじゅうなど、建国けんこく以来いらい最大さいだい規模きぼとなる軍ぐんの組織そしき改革かいかくを行おこない、統合とうごう作戦さくせん能力のうりょくを深化しんかさせていると指摘してきしています。

また、軍ぐん改革かいかくの一環いっかんとして、海うみ警局きょくを人民じんみん武装ぶそう警察けいさつ部隊ぶたいの傘下さんかに移管いかんし、その指揮しき権けんを中央ちゅうおう軍事ぐんじ委員いいん会かいに一元いちげん化かして、海上かいじょう国境こっきょうの新あらたな警備けいび管理かんり体制たいせいを構築こうちくしたとしています。

そのうえで、台湾たいわん周辺しゅうへんや南シナ海みなみしなかいでの訓練くんれんを活発かっぱつに行おこなうとともに、ロシアとの合同ごうどう演習えんしゅうで作戦さくせん指揮しきの能力のうりょく向上こうじょうを図はかっていると分析ぶんせきしています。

その一方いっぽうで、高度こうどな科学かがく技術ぎじゅつを持もつ人材じんざいの確保かくほが難むずかしいなど、多おおくの課題かだいも抱かかえているとして、軍ぐんの近代きんだい化かのタイムスケジュールとして示しめされている2027年ねん、2035年ねん、2050年ねんに向むけた動向どうこうを多角たかく的てきに分析ぶんせきする必要ひつようがあると指摘してきしています。