
必要な場合、ワクチンは100日以内に最初の出荷ができるということです。
一方、南アフリカでは、夏の観光シーズンを前に観光業をはじめ経済への打撃を懸念する声が高まっていて、外務省にあたる国際関係協力省は、特に往来が多いイギリスによる渡航制限について「性急だ」と批判しています。
南アフリカ政府は、ラマポーザ大統領が出席する閣僚レベルの対策会議を、当初、28日に予定していましたが、1日前倒しして27日に開くと発表しました。
会議では、外出や集会をめぐる制限の強化などが検討されることになるとみられていて、国民が高い関心を寄せています。
香港で感染が確認されたのは、今月11日に南アフリカから到着したあとホテルで隔離中の男性と、その向かい側の部屋で隔離中のカナダから到着した男性の2人です。 2人はいずれも2回のワクチン接種を終えていたということで、カナダからの男性は、食事の受け渡しのため部屋のドアを開けた際に感染した可能性が高いとみられています。 イスラエルで感染が確認された1人はアフリカ南部のマラウイから戻った人だということです。 ベルギーの感染者はエジプトからトルコを経由して今月11日に到着した人で、ワクチンは接種しておらず、地元の公共メディアは南アフリカやその周辺には滞在していなかったと伝えています。
WHO=世界保健機関のアフリカ地域事務局によりますと、アフリカでのワクチンの接種率は先月下旬の段階でおよそ6%にとどまっています。 このため、あらゆる国でことし中に人口の少なくとも40%が接種を終えるというWHOの目標を達成できる見込みになっているのは、アフリカ54か国のうち、セーシェルやモーリシャスなどわずか5か国で、ほとんどの国は達成できない見通しだとしています。 また、医療従事者に限っても、WHOが行った予備的な調査では、世界で最も豊かな22か国では80%以上が接種を受けていますが、アフリカではおよそ27%にとどまっているということです。 アフリカでのワクチン接種の遅れの原因についてWHOは、ワクチンそのものの供給不足に加えて、各国での接種の計画や態勢づくりの遅れを指摘しているほか、接種に欠かせない注射器の不足も懸念されるとしています。 一方で、南部マラウイのように支援されたワクチンを接種しきれずに一部を廃棄せざるをえなかったケースもあり、一部で根強いワクチン不信も課題になっています。 アフリカなど途上国でワクチン接種が遅れ、先進国との格差が広がっている現状について、国連のグテーレス事務総長は、先月の記者会見で「途上国などでウイルスの流行を許せば、ワクチンが効かない新たな変異がいずれ現れて、先進国でのワクチン接種の努力が台なしになるリスクがある。それなのにワクチン格差を放置しているのは愚かなことだ」と指摘しています。
新たな変異ウイルス 世界の感染状況は
ワクチン接種率の低いアフリカ 先進国との差 浮き彫りに