日本新聞: 熱海土石流から半年遺族や被災者らが犠牲者を悼み黙とう静岡

去年きょねん7月つきに静岡しずおか県けん熱海あたみ市しで大だい規模きぼな土石流どせきりゅうが発生はっせいしてから3日にちで半年はんとしです。遺族いぞくや被災ひさい者しゃらが土砂どしゃが流ながれ下くだった現場げんば近ちかくを訪おとずれ犠牲ぎせい者しゃを悼いたんで黙もくとうをささげました。

去年きょねん7月つき3日にちに熱海あたみ市し伊豆山いずやま地区ちくで発生はっせいした大だい規模きぼな土石流どせきりゅうによる被害ひがいでは、大量たいりょうの土砂どしゃが住宅じゅうたく地ちに猛烈もうれつな勢いきおいで押し寄おしよせて26人にんが亡なくなり、今いまも太田おおた和子かずこさんが行方ゆくえ不明ふめいになっています。

発生はっせいから半年はんとしとなる3日にち、遺族いぞくと被災ひさい者しゃでつくる「被害ひがい者しゃの会かい」の20人にん余あまりが被災ひさい現場げんば近ちかくに集あつまりました。

そして、発生はっせい当日とうじつ、消防しょうぼうに最初さいしょの通報つうほうが入はいった午前ごぜん10時半じはんごろに合あわせて犠牲ぎせい者しゃを悼いたんで黙もくとうをささげました。

「被害ひがい者しゃの会かい」の会長かいちょうで亡なくなった瀬下せしも陽子ようこさんの長男ちょうなんの瀬下せしも雄つよし史しさん（54）は「もう半年はんとしたったんだという気持きもちです。半年はんとしで傷きずが癒いえることはなく、思い出おもいだして眠ねむれない夜よるもあり、苦くるしみは続つづいています。毎年まいとし1月つき3日にちに伊豆山いずやまに住すむ両親りょうしんの家いえに来くるのが恒例こうれい行事ぎょうじだったので、ことしはそれができなくて、道中どうちゅうにことさらさみしくなりました」と話はなしていました。

土砂どしゃが流ながれ下くだった川かわの周辺しゅうへんの地域ちいきは「警戒けいかい区域くいき」に指定していされ、今いまも立ち入たちいりが禁止きんしされていて、市しが把握はあくしているかぎりで134世帯せたい240人にんが地元じもとを離はなれた暮くらしを余儀よぎなくされています。

自宅じたくが全壊ぜんかいしたため、いまは夫おっとと次女じじょとともに神奈川かながわ県けん湯河原ゆがわら町まちのアパートで暮くらしている54歳さいの女性じょせいは、「日ひにちは過すぎていくけれど気持きもちがついていかず、取り残とりのこされているような心境しんきょうです。家族かぞくが再ふたたび被災ひさいすることを心配しんぱいしているので、おそらく伊豆山いずやま地区ちくには戻もどらないと思おもいます。こうなったことがすごく悲かなしいです」と話はなしていました。

警察けいさつと海保かいほが海中かいちゅうなど捜索そうさく

いまも行方ゆくえがわからない太田おおた和子かずこさんを捜さがすため、発生はっせいから半年はんとしになる3日にち、警察けいさつと海上かいじょう保安ほあん部ぶが土砂どしゃが流れ込ながれこんだ港みなとの周辺しゅうへんで海うみの中なかなどを集中しゅうちゅう的てきに捜索そうさくしています。

土石流どせきりゅうは地区ちく内ないを流ながれる川かわを海うみまで流ながれ下くだっていて、警察けいさつは太田おおたさんが下流かりゅうに流ながされた可能かのう性せいがあるとして、発生はっせいから半年はんとしとなる3日にち、下田しもだ海上かいじょう保安ほあん部ぶと合同ごうどうでおよそ80人にん態勢たいせいで集中しゅうちゅう的てきに捜索そうさくを行おこないました。

捜索そうさくに先立さきだち、隊員たいいんたちはヘルメットを外はずし、土砂どしゃで住宅じゅうたくが流ながされた現場げんばに向むかって黙もくとうをささげ、犠牲ぎせい者しゃを悼いたみました。

そして、静岡しずおか県けん警察けいさつ本部ほんぶの出雲いずも孝夫たかお警備けいび部長ぶちょうが「発はつ災わざわいからきょうで半年はんとしになる。行方ゆくえ不明ふめい者しゃを1日にちでも早はやく家族かぞくの元もとに返かえすため、徹底てっていした捜索そうさくを行おこないたい」と隊員たいいんらに伝つたえました。