これはアメリカのメディア、ブルームバーグなどが6日、報じたもので、トランプ大統領がUSスチールのブリットCEOとホワイトハウスで面会したということです。
面会の内容については明らかになっていませんが、ブリット氏は日本製鉄による買収を積極的に進めたい立場で、トランプ大統領に計画について説明し、実現に向けて協力を求めた可能性もあります。
買収計画をめぐっては、バイデン前大統領が先月、国家安全保障上の懸念を理由に禁止命令を出しましたが、両社は違法な政治的介入があったとして命令の無効と審査のやり直しを求める訴えを起こしています。
トランプ大統領は、去年の大統領選挙の期間中から計画に反対の意向を示し、先月には自身のSNSに「関税の導入によって、USスチールがより収益性の高い、価値ある企業になるのに、なぜ、彼ら(経営陣)はUSスチールを売却したいのか」と投稿していました。
7日に日米首脳会談も控える中、トランプ大統領が買収計画にどのような考えを示すかが注目されます。
トランプ氏 USスチール買収計画めぐるこれまでの発言
この買収計画についてトランプ氏は去年(2024)1月末「ひどい話だ。私なら即座に阻止する。絶対にだ」と述べ、大統領に再び就任した場合には、買収を認めない考えを明らかにしました。
トランプ氏は去年12月にも、自身のSNSで買収計画について「全面的に反対する」などと投稿し、改めて阻止する考えを示しました。
この中でトランプ氏は「かつて偉大で強力だったUSスチールが、外国の企業、今回の場合は日本製鉄に買収されることに全面的に反対する」とした上で「大統領として私はこの取り引きを阻止する。買収者は注意せよ」として日本製鉄側への警告とも受け取れる内容を記していました。
さらに先月6日には自身のSNSに「関税の導入によって、USスチールがより収益性の高い、価値ある企業になるのに、なぜ、彼ら(経営陣)はUSスチールを売却したいのか」と投稿しました。
そのうえで「かつて世界で最も偉大な企業であったUSスチールに、再び偉大さを取り戻す役割をリードしてもらえたらすばらしいと思わないか。すべてはあっという間に実現する」と主張。
みずから掲げてきた関税を実行に移せばUSスチールの企業価値は高まるとして売却に疑問を呈しました。
トランプ政権下で買収計画が承認されるかどうかについて専門家の間では、両社が「アメリカの鉄鋼産業の活性化や中国への対抗という観点から最善の計画だ」とトランプ大統領を説得することができれば可能性はあるとの見方もあります。
一方で、アメリカ製造業の象徴ともいえるUSスチールを外国企業が買収することについて、アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領が認める可能性はほぼゼロだという指摘も出ています。