おぶさりてい

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Feb 17, 2025 07:02 1
Furigana
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あるむらに、仲良なかよ百姓夫婦ひゃくしょうふうふんでいた。この亭主ていしゅはひどく臆病者おくびょうもので、夜中よなか一人ひとり小便しょうべんことすらできなかった。

女房にょうぼう亭主ていしゅ臆病おくびょうなおしてあげようと、夕顔ゆうがおはなもの正体しょうたいだよ、とうそいた。これしんじた亭主ていしゅ臆病おくびょうは、すっかりなおってしまった。

このとしなつぎたころ、むらはずれの野原のはらのあたりによるよるものようになった。亭主ていしゅは、きっともの正体しょうたい夕顔ゆうがおはなだろう、とって、ものつかまえにかけた。

そのものが「おぶさりてぇ~、おぶさりてぃ~、ばろ~ん」とので、亭主ていしゅはおぶっていえれてかえった。こわがる女房にょうぼう尻目しりめに、亭主ていしゅゆかものろし、そのままつかれててしまった。

翌朝よくあさますゆかにはおおきなきんやまがあった。むかしこのあたりはきん採掘さいくつをしていたところなので、きっとのこされたきんが、だれかに使つかってほしくてものになってあらわれたのだろう。

きん役所やくしょとどけたが、全部夫婦ぜんぶふうふものとなり、大変たいへん長者ちょうじゃになったそうな。

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