メダルを獲得したことについては「東京オリンピックという大きな舞台でメダルを獲得できたことを誇りに思う。先輩が作ってくれたレールをさらに延ばすことができたし、もう少し先のレールを作っていきたい。いろいろな人にサポートしてもらったので、感謝の気持ちを伝えたい」と話していました。
渡辺選手と東野選手はともに24歳の中学生時代からペアを組む、息の長いペアで、世界ランキング5位と歴代の日本選手で最高の順位で、東京オリンピックに初出場しました。 渡辺選手が高い身体能力を生かしたスピードと緩急をつけた多彩なショットで相手をかき回し、東野選手がネットの前で決定打をねらう、コンビネーションが持ち味です。 今大会の予選リーグでは世界4位のインドネシアのペアを大差で破り、準々決勝では世界2位のタイのペアに逆転勝ちし、格上ペアを相手にしても、ものおじしない強気なプレーで勝ち上がりました。 日本代表で混合ダブルスは長年、専属コーチはおかずに男女のダブルスの選手を組み合わせることが多く、強化が取り残された種目ともいわれてきました。 しかし、東京大会に向けて全種目でのメダル獲得を目指し、2018年にマレーシア出身のジェレミー・ガンコーチを初めて専属のコーチに起用し、渡辺選手と東野選手の本格的な強化に乗り出しました。 2人は結果を出し続け、2018年にバドミントンで100年以上の開催の歴史がある伝統の全英オープンを、この種目の日本選手として初めて優勝し、2020年にも2回目の優勝を果たすなど、新たな歴史を切り開く活躍を続けてきました。 今大会、桃田賢斗選手や奥原希望選手など各種目のメダル候補が相次いで敗退する中で、地道に強化を続けてきた混合ダブルスのペアが、日本の窮地を救うメダルを獲得しました。
東野有紗「渡辺選手には本当にありがとうしかない」
地道に強化続けた混合ダブルス 日本バドミントンの窮地救う
今大会バドミントンでは最初のメダルで、この種目でのメダル獲得は日本選手で初めてです。
渡辺選手と東野選手のペアは、香港のトウ※俊文選手と謝影雪選手のペアと対戦し、第1ゲームは東野選手が前方で相手にプレッシャーをかけ、渡辺選手が後方からスマッシュを決める、息の合ったプレーでポイントを重ねて、21対17で先取しました。
第2ゲームでは、相手の力強いショットに押されますが、粘り強い気持ちのこもった守備でミスを誘い、最後は23対21で接戦を制して、ゲームカウント2対0でストレート勝ちしました。
勝利の瞬間、2人は抱きしめ合い、喜びを表現しました。
今大会バドミントンでは最初のメダルで、混合ダブルスでのメダル獲得は日本選手で初めてです。
※「トウ」は、左側が「登」、右側が「おおざと」。