日本新聞: 競泳リオ五輪金メダルの萩野公介現役引退へ

競泳きょうえいリオ五輪ごりん金メダルきんめだるの萩野はぎの公こう介かい現役げんえき引退いんたいへ

Aug 24, 2021 21:08

Furigana

リオデジャネイロオリンピック、競泳きょうえいの男子だんし400メートル個人こじんメドレーの金きんメダリスト、萩野はぎの公こう介かい選手せんしゅが現役げんえきを引退いんたいすることが関係かんけい者しゃへの取材しゅざいでわかりました。

萩野はぎの選手せんしゅは栃木とちぎ県けん出身しゅっしんの27歳さい、オリンピックは2012年ねんのロンドン大会たいかいに高校こうこう3年生ねんせいで初はつ出場しゅつじょうし、男子だんし400メートル個人こじんメドレーでこの種目しゅもくで日本にっぽん選手せんしゅ初はつとなる銅メダルどうめだるを獲得かくとくしました。

大学だいがく進学しんがく後ごは北島きたじま康やすし介かいさんなどを育そだてた平井ひらい伯はく昌あきらコーチに師事しじし、日本にっぽんのエースとして臨のぞんだ2016年ねんのリオデジャネイロ大会たいかいは400メートル個人こじんメドレーで金メダルきんめだるを獲得かくとくするなど、リレー種目しゅもくとあわせ金きん・銀ぎん・銅どう3つのメダルを獲得かくとくしました。

その後そのごは、古傷ふるきずの右みぎひじの手術しゅじゅつをきっかけに不振ふしんが続つづき、おととし（2019年ねん）3月つきからおよそ3か月かげつにわたって休養きゅうようするなど苦くるしい競技きょうぎ生活せいかつを送おくりました。

1年ねんの延期えんきを経へて開催かいさいされたことしの東京とうきょう大会たいかいには種目しゅもくを200メートル個人こじんメドレーに絞しぼるなどして、3大会たいかい連続れんぞく出場しゅつじょうを果はたしました。

大会たいかいでは表彰台ひょうしょうだいに上あがることはできませんでしたが、6位いに入はいった200メートル個人こじんメドレーのレース後ごには「自分じぶんのやりたい泳およぎができたので悔くいはない」と充実じゅうじつ感かんをにじませていました。

この際さい、今後こんごについては「いまはやりきった気持きもちでいるので、どうなるかわからない」と明言めいげんを避さけていましたが、関係かんけい者しゃによりますと萩野はぎの選手せんしゅは24日にちまでに所属しょぞく先さきなどに対にたいして現役げんえきを引退いんたいする意向いこうを伝つたえたということです。

ラストレースまでの道みちのり険けわしく

萩野はぎの選手せんしゅにとってラストレースとなった東京とうきょう大会たいかいまでの道みちのりは険けわしいものでした。

おととしの休養きゅうようから復帰ふっき後ご、萩野はぎの選手せんしゅは「水泳すいえいを続つづけることと同おなじくらいの意味いみを持もつ」と強つよいこだわりを持もっていた400メートル個人こじんメドレーへの挑戦ちょうせんを続つづけてきましたが、体力たいりょく面めんなどで最もっとも過酷かこくとされる種目しゅもくで安定あんていした成績せいせきを残のこすことはできませんでした。

悩なやんだ末すえに代表だいひょう選考せんこう会かいとなったことし4月つきの日本にっぽん選手権せんしゅけんでは「東京とうきょうオリンピックに出でたい」という思おもいを優先ゆうせんして、400メートル個人こじんメドレーを欠場けつじょうしました。

種目しゅもくを絞しぼって出場しゅつじょうした200メートル個人こじんメドレーは自身じしんの持もつ日本にっぽん記録きろくよりも2秒びょう以上いじょう遅おそいタイムで2位いだったものの代表だいひょうの座ざをつかみました。

迎むかえた東京とうきょう大会たいかいでは唯一ゆいいつの個人こじん種目しゅもくのレースとなった200メートル個人こじんメドレーの準決勝じゅんけっしょうで決勝けっしょう進出しんしゅつを決きめたあとにプールサイドで感極かんきわまり、「もう1本ほん、泳およげるというこんなすごい贈り物おくりものを神様かみさまがくれて、本当ほんとうに幸しあわせです」と涙なみだを流ながして喜よろこびました。

翌日よくじつの決勝けっしょうのレースは、序盤じょばんから攻せめの泳およぎを見みせて最後さいごまで力ちからを振り絞ふりしぼって泳およぎ切ぎり6位い入賞にゅうしょうという結果けっかを手てにしました。

レース直後ちょくご、プールの中なかで満足まんぞくそうな表情ひょうじょうを浮うかべた萩野はぎの選手せんしゅが、同い年おないどしのライバルとして長年ながねん、しのぎを削けずってきた瀬戸せと大だい也選手せんしゅと笑顔えがおで抱き合だきあい、健闘けんとうをたたえ合あう姿すがたは印象いんしょう的てきなシーンでした。

瀬戸せと「偉大いだいな存在そんざいだった」

萩野はぎの選手せんしゅと同おなじ1994年ねん生うまれで、小学しょうがく3年生ねんせいで初はじめて同おなじレースで泳およいでからライバルとしてしのぎを削けずってきた瀬戸せと大だい也選手せんしゅが自身じしんのツイッターを更新こうしんし「彼かれの背中せなかをずっと追おいかけてきたから今いまの自分じぶんがいる。自分じぶんにとって本当ほんとうに偉大いだいな存在そんざいだった。さみしいけどまだ自分じぶんには挑戦ちょうせんすることがたくさんあるし、同おなじ舞台ぶたいの金メダルきんめだるを取とってみたいから頑張がんばる。最高さいこうの思い出おもいでをありがとう。お疲おつかれさま」とねぎらいのことばをつづりました。