車いすの
利用者や
視覚障害者が
電車を
利用する
際、
乗り降りを
手助けする
駅員が
情報を
共有するため、
何号車に
乗るかや、
降車駅などをアナウンスで
知らせる場合があります。
こうした情報共有のしかたについて、国土交通省は先月、全国の運輸局に出した通知で、アナウンス以外の方法も検討するよう、各鉄道会社に働きかけることを求めました。
背景にあるのは、障害者団体に寄せられた相談です。
障害者団体でつくる「DPI日本会議」によりますと、車いす利用者の女性から、見知らぬ男性に「同じ駅だよ、一緒に降りようか」と何度も声をかけられたとか、同じ車両に乗り込んできた男性から、繰り返し足を触られたといった相談が、10件以上寄せられているということです。
このため団体は、アナウンスの情報が悪用されているとして、対応を求める要望書を国土交通省に提出していました。
全国の鉄道会社では乗客に聞こえない鉄道無線や、ホームドアに設置したライトを使って情報共有しているところもあり、国土交通省は、こうした事例も周知しながら、ホームでの安全確保と誰もが安心して利用できる環境作りの両立を鉄道会社に促す方針です。
要望書を出した団体「問題解決のため別のルールを考えてほしい」
国土交通省に要望書を出した障害者団体でつくる「DPI日本会議」の山嵜涼子さんは、自身もつきまとわれた経験があるとしたうえで「本来、障害者が安全に生活できるよう行っていることを悪用して卑劣なことをするのは許せない。問題を解決するため別のルールを一緒に考えてほしい」と話し、鉄道会社に対し、ホームでの情報共有の方法をできるだけ早く見直すよう求めています。