アメリカのトランプ大統領は、就任初日の20日、
▽地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱する大統領令に署名したほか、
▽政府機関に対し、人種や宗教、性的指向などにとらわれず多様な人たちを積極的に採用することを求める政策を撤回するなど、
幅広い分野でバイデン前政権の政策を大きく転換させています。
さらに、トランプ大統領は21日、SNSに「『アメリカを再び偉大にする』というわれわれのビジョンにそぐわない前政権で任命された1000人以上を特定し排除する」と投稿し、新政権の方針と一致しない政府職員らを解任すると明らかにしました。
こうした中、CNNテレビなどは21日、沿岸警備隊のトップのフェーガン長官が人材の多様性などを促す政策を過度に進めたことなどを理由に解任されたと伝えています。
トランプ大統領は、みずからが掲げる「アメリカ第一主義」にもとづく公約の実現に向けて、バイデン前政権の政策からの大幅な転換に続いて、人事の刷新にも着手した形で、2期目の政権運営を本格化させています。
連邦議会乱入 トランプ大統領が恩赦など与えた人たち 次々と釈放
アメリカのトランプ大統領が2021年1月のアメリカ連邦議会乱入事件で起訴されたおよそ1500人に恩赦などを与えたことを受け、対象となった人たちが次々と釈放されています。
アメリカのメディアによりますと、このうち扇動共謀などの罪でこの事件で最も重い禁錮22年の判決を受けた「プラウド・ボーイズ」の元指導者エンリケ・タリオ氏と、扇動共謀の罪で禁錮18年の判決を受けた「オース・キーパーズ」の創設者スチュワート・ローズ氏も21日に釈放されたということです。
タリオ氏とローズ氏は特に重い判決を受けていたことからトランプ大統領が恩赦などを与えるか注目されていました。
トランプ大統領は20日、記者団に対し「今夜にでも釈放されてほしい」と述べていましたが、一部からは反発の声も上がっています。
「アメリカ湾」 フロリダ州の行政文書にさっそく表記
トランプ大統領が20日、アメリカとメキシコに面するメキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に変更する大統領令を出したことを受けて、南部フロリダ州の行政文書ではさっそく「アメリカ湾」の表記が使われました。
この文書は20日付けで共和党のデサンティス知事が出した冬の嵐に伴う非常事態宣言で、「アメリカ湾を通過する低気圧が寒気と相互に影響し、フロリダ州北部では広範囲で強い冬型の気候になる」と記されています。
メキシコのシェインバウム大統領は21日の記者会見で、大統領令の文章には名前の変更がアメリカの大陸棚に適用されると書いてあるとして、「われわれと世界にとってはメキシコ湾のままだ」と指摘しました。