将棋しょうぎ 西山にしやま女流じょりゅう三さん冠かん プロ編入へんにゅう試験しけん 最終さいしゅう局きょく始はじまる

西山にしやま女流じょりゅう三さん冠かんはプロ棋士きしとの対局たいきょくで好こう成績せいせきを挙あげたことなどから、プロ棋士きしへの「編入へんにゅう試験しけん」の受験じゅけん資格しかくを獲得かくとくし、去年きょねん9月つきから若手わかての四よん段だんの棋士きしとの五ご番ばん勝負しょうぶに臨のぞんでいます。

3勝しょうすれば合格ごうかくとなりますが、西山にしやま女流じょりゅう三さん冠かんはここまで2勝しょう2敗はいと合格ごうかくに王手おうてをかけています。

最終さいしゅう局きょくとなる第だい5局きょくは午前ごぜん10時じから大阪おおさか 高槻たかつき市しの関西かんさい将棋しょうぎ会館かいかんで始はじまり、柵しがらみ木き幹太かんた四よん段だん（26）が試験しけん官かんとして対局たいきょく。

後手ごての西山にしやま女流じょりゅう三さん冠かんは得意とくいとする「飛車ひしゃ」を横よこに動うごかす振ふり飛車ひしゃの戦型せんけいをとっています。

西山にしやま女流じょりゅう三さん冠かんは大阪おおさか 大阪おおさか狭山さやま市し出身しゅっしんで2010年ねんに「奨励しょうれい会かい」に入はいり、三さん段だんまで昇段しょうだんしましたがプロ棋士きしとなる四よん段だんには昇段しょうだんできず、4年ねん前まえに退会たいかいして女流じょりゅう棋士きしに転向てんこうしました。

これまで獲得かくとくした女流じょりゅうタイトルは通算つうさん18期きで、トップ女流じょりゅう棋士きしのひとりです。

勝負しょうぶは22日にち夕方ゆうがた決きまる見通みとおしで、西山にしやま女流じょりゅう三さん冠かんが勝かてば1924年ねんに日本にっぽん将棋しょうぎ連盟れんめいの前身ぜんしんとなる組織そしきが発足ほっそくして以来いらい、初はじめて女性じょせいのプロ棋士きしが誕生たんじょうすることになります。

初はつの女流じょりゅう棋士きし 蛸島たこしま女流じょりゅう六ろく段だんも期待きたい寄よせる

都内とないで将棋しょうぎ教室きょうしつを開ひらいている蛸島たこしま彰子あきこ女流じょりゅう六ろく段だん（78）はいまから51年ねん前まえの1974年ねんに将棋しょうぎ連盟れんめいが設立せつりつした「女流じょりゅう棋士きし」制度せいどで誕生たんじょうした初はつの女流じょりゅう棋士きし6人にんのうちの1人にんで、女流じょりゅう名人めいじんや女流じょりゅう王将おうしょうのタイトルを獲得かくとくするなどして活躍かつやくし、7年ねん前まえにの2018年ねんに現役げんえきを引退いんたいしました。

女流じょりゅう棋士きし制度せいどが出来できる前まえの1961年ねんにはプロ棋士きしの養成ようせい機関きかん、「奨励しょうれい会かい」に入会にゅうかいしましたが、結婚けっこんを機きに奨励しょうれい会かいを退会たいかいし、プロ棋士きしにはなれませんでした。

その当時とうじ、将棋しょうぎを指さす女性じょせいはほとんどいなかったといいます。

そればかりか、将棋しょうぎに取り組とりくんでいることを「やゆ」されたほか、女性じょせいに負まけるのは恥はじだなどと言いわれることもあったということです。

当時とうじについて、「あのころは、楽たのしいことは男性だんせいばかりで、女性じょせいは仲間なかまに入いれないような時代じだいでした。私わたしが中学生ちゅうがくせいぐらいのときに『女おんながこんなことをやってもしょうがないから早はやくお嫁よめに行いきなさい』などと言いう人ひともいましたが私わたしを育そだてようという周まわりの人ひとの温あたたかさもあったので続つづけてこられました」と振り返ふりかえりました。

このような経験けいけんから、「仲間なかまが欲ほしい」という気持きもちを強つよく感かんじ、女性じょせいに将棋しょうぎを普及ふきゅうさせようと活動かつどう。

半はん世紀せいき前まえは自分じぶんを含ふくめ6人にんだった女流じょりゅう棋士きしも今いまでは70人にんほどとなりました。

蛸島たこしま女流じょりゅう六ろく段だんは「女性じょせいたちに対にたいして、将棋しょうぎを一緒いっしょに楽たのしもうと伝つたえたい気持きもちが強つよかったです。女流じょりゅう棋士きしができたときも、『これから6人にんで女性じょせいに普及ふきゅうしていこうね』という話はなしをして、年としに1人にんや2人にんでも来くれば認みとめられていると実感じっかんしうれしかったです。将棋しょうぎも1つの文化ぶんかですが、文化ぶんかは、男性だんせいだけでなく、女性じょせいの参加さんかがあって育そだっていくものですから、ぜひ女性じょせいにも育そだててほしい」と語かたりました。

西山にしやま女流じょりゅう三さん冠かんの印象いんしょうについては「すごく明あかるい方ほうで、将棋しょうぎの踏み込ふみこみ方かたが芸術げいじゅつ的てきというか見事みごとなので、憧あこがれて棋譜きふを並ならべ、私わたしも勉強べんきょうさせてもらっています。西山にしやまさんらしい将棋しょうぎを指さして頑張がんばってほしい」と語かたりました。

その上うえで、「西山にしやまさんが一いち歩ほ踏み込ふみこんでプロになり、男性だんせいのプロ棋士きしと一緒いっしょにやっていけるようになったら、『私わたしも頑張がんばってみよう』という人ひとがたくさん出でてくると思おもうので、将棋しょうぎが進歩しんぽし、将棋しょうぎをする人ひとが増ふえると思おもうと楽たのしみです」と話はなし、期待きたいを寄よせていました。

西山にしやま女流じょりゅう三さん冠かんに憧あこがれる小学生しょうがくせいの女の子おんなのこも

埼玉さいたま県けんに住すむ小学しょうがく6年ねんの江山えやま弓ゆみ槻けやきさんは将棋しょうぎのアニメをきっかけに興味きょうみを持もち、小学しょうがく4年ねんだった2022年ねん10月つきから将棋しょうぎ教室きょうしつに通かよい始はじめました。

学校がっこう以外いがいの時間じかんの多おおくを将棋しょうぎの勉強べんきょうに費ついやしていて、休やすみの日ひは、長ながいときで1日にち10時間じかんも盤面ばんめんに没頭ぼっとうするということです。

西山にしやま女流じょりゅう三さん冠かんに憧あこがれているという江山えやまさん。

自宅じたくでは、西山にしやま女流じょりゅう三さん冠かんが対局たいきょくで指さしたとおりに駒こまを動うごかし、同おなじ局面きょくめんでどのように考かんがえたかなど、1手てにこだわって探求たんきゅうしているということです。

江山えやまさんは「西山にしやまさんの将棋しょうぎは逆転ぎゃくてん勝がちが結構けっこうあるんですが、その逆転ぎゃくてんに至いたった攻せめがすごく力強ちからづよくて好すきです。みずからの大だい駒こまをばさっと切きる一方いっぽう、細こまかいところで相手あいての攻撃こうげきをちゃんと受うけるのがかっこいいです」と話はなしていました。

そして、「いつも以上いじょうに期待きたいしたいし、勝かってほしいです。男子だんしと一緒いっしょの大会たいかいで女子じょしが上位じょういに入はいることは結構けっこう珍めずらしいと感かんじていて、西山にしやまさんが勝かつのを見みると、勇気ゆうきをもらえます。とにかく勉強べんきょうして西山にしやまさんみたいに強つよくなりたいです」と話はなしていました。