インフルエンザ “流行りゅうこうピーク超こえたか” 一方いっぽうで重症じゅうしょう化かケースも

患者かんじゃ数すうは1医療いりょう機関きかんあたり18.38人にん 大幅おおはば減少げんしょう

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょなどによりますと、19日にちまでの1週間しゅうかんに全国ぜんこくおよそ5000か所かしょの医療いりょう機関きかんから報告ほうこくされたインフルエンザの患者かんじゃ数すうは1医療いりょう機関きかんあたり18.38人にんと、前まえの週しゅうを16.64人にん大幅おおはばに減少げんしょうしました。

報告ほうこくされた患者かんじゃの数かずは9万まん712人にんで、前まえの週しゅうより8万まん1705人にん減少げんしょうしています。

都道とどう府県ふけん別べつにみますと、沖縄おきなわ県けんで33.3人にん、高知こうち県けんで32.14人にん、石川いしかわ県けんで31.81人にん、宮崎みやざき県けんで31.64人にん、徳島とくしま県けんで30.51人にんと5つの県けんで「警報けいほうレベル」の30人にんを超こえています。

このほか愛知あいち県けんは22.14人にん、大阪おおさか府ふは11.84人にん、東京とうきょう都とは10.28人にんなどとなっています。

データをもとに推計すいけいされるこの1週間しゅうかんの全国ぜんこくの患者かんじゃ数すうはおよそ64万まん5000人にんとなり去年きょねん9月つき2日にち以降いこうの今こんシーズンの累積るいせきの患者かんじゃ数すうはおよそ913万まん7000人にんと推計すいけいされています。

日本にっぽん感染かんせん症しょう学会がっかいインフルエンザ委員いいん会かいの委員いいん長ちょうで倉敷くらしき中央ちゅうおう病院びょういんの石田いしだ直ただし副ふく院長いんちょうは「全国ぜんこく的てきには流行りゅうこうのピークを越こえたとみられるが、地域ちいきによってはまだ警報けいほうレベルの流行りゅうこうが続つづいている。今後こんご、別べつのタイプのインフルエンザウイルスが広ひろがる可能かのう性せいもあるので、引き続ひきつづき手洗てあらいやマスク着用ちゃくようといった基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくを徹底てっていしてほしい」と呼よびかけていました。

都内とない病院びょういん 受け入うけいれ依頼いらい相次あいつぎ 重症じゅうしょう患者かんじゃにECMO使用しようも

インフルエンザの流行りゅうこうが続つづくなか都内とないの大学だいがく病院びょういんでは、持病じびょうのない20代だいの患者かんじゃが重症じゅうしょう化かし人工じんこう心肺しんぱい装置そうち＝ECMOを使つかった治療ちりょうが必要ひつようになったケースも出でています。

東京とうきょう・文京ぶんきょう区くにある日本にっぽん医科いか大学だいがく付属ふぞく病院びょういんは、都内とないに4か所かしょある高度こうど救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターを備そなえた病院びょういんの1つで、緊急きんきゅう性せいの高たかい重症じゅうしょう患者かんじゃを受け入うけいれています。

センターによりますと、年明としあけ以降いこうインフルエンザの患者かんじゃの受け入うけいれの依頼いらいが相次あいついでいて、取材しゅざいに訪おとずれた1月つき20日にちも品川しながわ区くにある病院びょういんから20代だいの重症じゅうしょう患者かんじゃを受け入うけいれてほしいと連絡れんらくが入はいっていました。

この患者かんじゃに持病じびょうはなかったもののインルエンザの悪化あっかによる心筋しんきん炎えんが疑うたがわれました。

心臓しんぞうや肺はいの機能きのうが低下ていかしていたため、センターへの搬送はんそうにはECMOの治療ちりょうができる「エクモカー」が使つかわれ、患者かんじゃが到着とうちゃくすると10人にんほどのスタッフが取り囲とりかこんで検査けんさや治療ちりょうにあたっていました。

さらに、入院にゅういん患者かんじゃの中なかにはインフルエンザ以外いがいの感染かんせん症しょうに同時どうじに感染かんせんした人ひとも出でています。

このうち50代だいの患者かんじゃは、都内とないのクリニックでインフルエンザと診断しんだんを受うけた数すう日にち後ごに呼吸こきゅう困難こんなんを訴うったえ、入院にゅういんして詳くわしく調しらべたところ、マイコプラズマ肺炎はいえんにもかかっていたことがわかりました。

患者かんじゃは肺炎はいえんなどの症状しょうじょうが悪化あっかし、この日ひも集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつで人工じんこう呼吸こきゅう器きを装着そうちゃくして治療ちりょうを受うけていました。

高度こうど救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターの横堀よこぼり將司つかさ部長ぶちょうは、「インフルエンザに加くわえてマイコプラズマ肺炎はいえんなどほかの病気びょうきにかかると重症じゅうしょう化かすることが多おおく、中なかには酸素さんその投与とうよや人工じんこう呼吸こきゅう器きなどが必要ひつようになるケースもある。油断ゆだんせずに対策たいさくを徹底てっていしてほしい」とした上うえで、年齢ねんれいが若わかく、持病じびょうのない人ひとでも重症じゅうしょう化かする可能かのう性せいがあると注意ちゅういを呼よびかけています。

水戸みとの病院びょういん「インフルエンザ脳症のうしょう」で入院にゅういんの子こども亡なくなる

インフルエンザ脳症のうしょうは発熱はつねつなどの症状しょうじょうが出で始はじめてから1日にちほどの短たん期間きかんで悪化あっかし、けいれんや意識いしき障害しょうがいが続つづくとされています。

水戸みと市しにある県立けんりつこども病院びょういんでは、1月つき中旬ちゅうじゅんまでのおよそ3週間しゅうかんに子こども5人にんがインフルエンザ脳症のうしょうと診断しんだんされ、小児しょうに集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつに入院にゅういんしたということです。

5人にんは幼児ようじから10代だいまでで、このうち1人にんは症状しょうじょうが悪化あっかして亡なくなったということです。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょのまとめによりますと、インフルエンザ脳症のうしょうは例年れいねん、全国ぜんこくで100例れいから200例れい余あまり報告ほうこくされ、多おおいときで20人にん近ちかくが亡なくなっています。

県立けんりつこども病院びょういん小児しょうに集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつの本山ほんざん景けい一いち室長しつちょうは発熱はつねつした際さいに意識いしき障害しょうがいやけいれんなどの症状しょうじょうが出でた場合ばあいは、ためらわずに救急きゅうきゅう車しゃを呼よぶよう求もとめています。

その上うえで「インフルエンザ脳症のうしょうになると重おもい後遺症こういしょうが残のこったり、命いのちを落おとしたりする場合ばあいがある。直前ちょくぜんの症状しょうじょうは風邪かぜと変かわらず判断はんだんが難むずかしいと思おもうが、兆候ちょうこうがみられたときは最善さいぜんを尽つくすことが重要じゅうようだ」と話はなしていました