東京 渋谷区の東京体育館で行われた卓球シングルスの全日本選手権は最終日の26日、男女の決勝が行われ、男子はともに初めての決勝進出となった松島選手とパリオリンピック代表の篠塚選手が対戦しました。
松島選手は第1ゲーム、9対9から独特の回転をかけるレシーブ「チキータ」などで2連続ポイントを奪って11対9で取りました。
第2ゲームは8対9とリードされたところから相手の「チキータ」を強烈なフォアハンドで返すなどして3連続ポイントを奪って逆転し、11対9で取ると、第3ゲームも奪いました。
第4ゲームはラリーでミスが続いて6対11で落としましたが、第5ゲームは力強いフォアハンドで積極的に攻めて8連続ポイントを奪うなどして圧倒し、11対3で取りました。
松島選手はゲームカウント4対1で勝って、初優勝を果たしました。
篠塚選手は試合の流れを決める第1ゲームと第2ゲームの勝負どころで松島選手のサーブやレシーブに対応できず、初優勝はなりませんでした。
松島輝空「率直にうれしい」
初優勝を果たした17歳の松島輝空選手は「目標としていた優勝だが、本当にできるとは思っていなかったので、率直にうれしい」と心境を話しました。
準決勝で張本智和選手、決勝で篠塚大登選手とパリオリンピックの代表選手に連続で勝ったことについては「パリオリンピックに出場できず悔しい思いをしたので、大舞台で倒したいと思っていた。ここで倒せてよかった。準決勝と決勝は攻めるしかないと思っていたので、1球目から自分が攻めていこうと頑張った」と振り返りました。
そして、次のロサンゼルス大会に向けて「自分がシングルスに出るという強い気持ちを持って今後も頑張っていきたい」と意気込みを話していました。
篠塚大登 「去年以来の対戦 全然違って強かった」
決勝で敗れた篠塚大登選手は「自分が課題としてきた“攻めるプレー”を発揮できた大会だったが、まだまだ精度が足りなかった。第1ゲームと第2ゲームのどちらかのゲームを取れていたら展開がちょっと変わったのかなと思うが、それを取れていても勝てたかと言われると、厳しいのではないかという内容だった。松島選手とは去年のこの大会以来の対戦だったが、そのときと全然違って強かった」と試合を振り返りました。
そのうえで「サーブやレシーブでもう少し引き出しがないと、きょうの決勝のようにやれることがなくなってしまう。もう少しいろいろなプレーを身につけたい」と話していました。
張本智和 2連覇ならず ベスト4で敗退
男子シングルスで2連覇をねらった日本のエース、張本智和選手は準決勝で17歳の松島輝空選手に敗れ、ベスト4で敗退しました。
張本選手は第1ゲーム、10対8と先にゲームポイントを握りましたが、松島選手の思い切った攻撃に対応できず、デュースの末、11対13で落としました。
第2ゲームは11対9で奪いましたが、第3ゲームはラリーの中で松島選手の威力のあるフォアハンドに対応できずに7対11で落としました。
第4ゲームも力強いフォアハンドを軸に積極的に攻める松島選手に対し、受け身になる場面が多く、ここもデュースの末に11対13で落としました。
第5ゲームも流れを変えられずに取られた張本選手はゲームカウント1対4で敗れて準決勝で敗退しました。
2連覇を逃した張本選手は「圧倒的な展開で負けてしまったので、悔しさはある。松島選手はもともとバックハンドが得意な選手だと思うが、きょうは回り込んでのフォアドライブを決められ、相手が攻める構図になってしまった」と試合を振り返りました。
そのうえで「来週から国際大会もあるので、一日一日、きのうの自分よりも強くなれるように頑張っていきたい」と前を向いていました。
また、女子で決勝に進出した妹の美和選手については「『きょうだい優勝』はここでなくなってしまったが、彼女自身が初優勝することが最優先だと思うので、観客席で応援したい」と話していました。