日本新聞: アウシュビッツ解放80年生存者 “不寛容や敵意”への注意訴え

アウシュビッツ解放かいほう80年ねん生存せいぞん者しゃ “不ふ寛容かんようや敵意てきい”への注意ちゅうい訴うったえ

Jan 28, 2025 08:01 2

Furigana

第だい2次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅう、ナチス・ドイツがユダヤ人じんを中心ちゅうしんにおよそ110万まん人にんを虐殺ぎゃくさつしたアウシュビッツ強制きょうせい収容しゅうよう所しょの解放かいほうから27日にちで80年ねんとなり、現地げんちで追悼ついとう式典しきてんが開ひらかれました。

生き延いきのびた人ひとたちは歴史れきしを繰り返くりかえさないため、異ことなる人種じんしゅや宗教しゅうきょうなどへの差別さべつを許ゆるさないでほしいと訴うったえました。

アウシュビッツ強制きょうせい収容しゅうよう所しょは、ナチス・ドイツがポーランド南部なんぶに建設けんせつし、ユダヤ人じんの大量たいりょう虐殺ぎゃくさつホロコーストの中心ちゅうしん的てきな役割やくわりを担になった大だい規模きぼな施設しせつで、ユダヤ人じんを中心ちゅうしんにおよそ110万まん人にんが虐殺ぎゃくさつされました。

旧きゅうソビエト軍ぐんによって強制きょうせい収容しゅうよう所しょが解放かいほうされてから80年ねんとなった27日にち、収容しゅうよう所しょの跡地あとちで追悼ついとう式典しきてんが開ひらかれました。

式典しきてんには56人にんの生存せいぞん者しゃやその家族かぞくのほか、ドイツのシュタインマイヤー大統領だいとうりょうをはじめ、フランスやウクライナの首脳しゅのうなどおよそ50か国かこくの代表だいひょうが出席しゅっせきしました。

そして生存せいぞん者しゃの代表だいひょうたちがスピーチし、このうち母親ははおやと叔母おばをガス室しつで殺害さつがいされた99歳さいの男性だんせいは「強制きょうせい収容しゅうよう所しょで人ひととしての尊厳そんげんを奪うばわれた」とふり返かえりました。

さらに、ヨーロッパ各国かっこくで再ふたたび他者たしゃへの寛容かんようさが失うしなわれつつあるとして懸念けねんを示しめし、「特とくに若者わかものたちに対にたいし、人種じんしゅや宗教しゅうきょう、あるいは性的せいてきな嗜好しこうの違ちがいへの不ふ寛容かんようや敵意てきいの表あらわれに注意ちゅういするよう訴うったえたい」と語かたり歴史れきしを繰り返くりかえさないため、差別さべつをあおる主張しゅちょうには賛同さんどうせず、許ゆるさないでほしいと訴うったえました。

式典しきてんではこのあと、参加さんか者しゃが順番じゅんばんに犠牲ぎせい者しゃへ祈いのりをささげました。

第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの終結しゅうけつからことしで80年ねんとなりますが、アウシュビッツ強制きょうせい収容しゅうよう所しょなどでのホロコーストを生き延いきのびた人ひとの高齢こうれい化かが一段いちだんと進すすんでいて、記憶きおくの継承けいしょうをどう進すすめていくかが課題かだいとなっています。