【詳くわしく】変異へんいウイルス 感染かんせん急きゅう拡大かくだい “重症じゅうしょう化かスピード速はやい”

その結果けっか、25.5％にあたる130人にんがこの変異へんいウイルスと確認かくにんされました。

この割合わりあいは先月せんげつ28日にちまでの1週間しゅうかんは3.1％でしたが、今月こんげつ4日にちまでの週しゅうは16％と急きゅう拡大かくだいし、今回こんかいはさらに10ポイント近ちかく上昇じょうしょうしています。

2週間しゅうかんで割合わりあいがおよそ8倍ばいに増ふえていて、急速きゅうそくに感染かんせんが広ひろがっています。

都内とないでは12日にちは61人にん、13日にちは80人にんが確認かくにんされ、1日にちに発表はっぴょうされる人数にんずうとしては2日にち連続れんぞくで最多さいたとなりました。

また12日にちまでに都内とないで確認かくにんされた336人にんのうち、およそ85％にあたる286人にんは先月せんげつ29日にち以降いこうに確認かくにんされていて感染かんせん者しゃ数すうの推移すいいを見みても都内とないで変異へんいウイルスがこの2週間しゅうかんで広ひろがっていることがうかがえます。

そのうえで「きょうも雨あめだが、通勤つうきんや通学つうがくで駅えきなどがかなり混こんでいたと聞きいている。再ふたたびテレワークを徹底てっていしてもらうことがこの嫌いやな期間きかんを短みじかくおさえられる。一いち人にん一いち人にんの判断はんだん、決断けつだんが結局けっきょく、総体そうたいとしての対策たいさくにつながる」と述のべ、対策たいさくのさらなる徹底てっていを呼よびかけました。

先月せんげつ13日にちまでの1週間しゅうかんは41.7％、先月せんげつ20日にちまでの1週間しゅうかんは48.6％先月せんげつ27日にちまでの1週間しゅうかんは65％と変異へんいウイルスの割合わりあいが高たかまっています。

先週せんしゅう7日にちに厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうで示しめされた資料しりょうによりますとこのタイプの変異へんいウイルスについて国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょが国内こくないでの感染かんせん力りょくの強つよさを計算けいさんしたところ、感染かんせんの広ひろがりやすさを示しめす「実効じっこう再さい生産せいさん数すう」が従来じゅうらいのウイルスより平均へいきんで1.32倍ばい、高たかくなっていたということです。

このためこの変異へんいウイルスが広ひろがり始はじめた地域ちいきではこれまでのウイルスから急速きゅうそくに変異へんいウイルスに置き換おきかわっているとみられています。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょの今月こんげつ6日にち時点じてんの推定すいていでは大阪おおさか府ふと兵庫ひょうご県けんでことし2月つきから変異へんいウイルスが急増きゅうぞうし始はじめ、3月つき中ちゅうには半数はんすう以上いじょうが変異へんいウイルスに置き換おきかわったとみられています。

その後そのご、4月つきのはじめの時点じてんでは全体ぜんたいのおよそ70％と推定すいていされるということです。

この状況じょうきょうが続つづくと5月つき中ちゅうにはほぼすべてが変異へんいウイルスに置き換おきかわるとみられています。

また、東京とうきょう都と、神奈川かながわ県けん、千葉ちば県けんの1都と2県けんでは、3月つき中旬ちゅうじゅん以降いこう、このタイプの変異へんいウイルスが増ふえ始はじめていますが、4月つきはじめの時点じてんではおよそ10％と推定すいていされています。

ただ、その後そのご、急速きゅうそくに増ふえていく可能かのう性せいが指摘してきされていて、この状況じょうきょうが続つづくと5月つきには75％を超こえ、さらに増ふえるおそれがあると推定すいていされています。

WHOによりますとこうした傾向けいこうは海外かいがいのすでに変異へんいウイルスが広ひろがっている国くにでも確認かくにんされています。

イギリスでは去年きょねん10月つき以降いこう、変異へんいウイルスが急増きゅうぞうし、ことし2月つきから3月つきごろにはほぼすべてが変異へんいウイルスに置き換おきかわったとみられています。

また、イギリスと同おなじく「N501Y」という感染かんせん力りょくが高たかまる変異へんいのあるウイルスが広ひろがった南アフリカみなみあふりかでは去年きょねん10月つきごろから変異へんいウイルスが急増きゅうぞうし、ことし1月つきから2月つきにかけてほぼすべてが変異へんいウイルスになったとみられるということです。

コロナ病棟びょうとうの医師いしは、変異へんいウイルスは重症じゅうしょう化かのスピードが従来じゅうらいより速はやいという報告ほうこくもあり危機きき感かんを募つのらせています。

埼玉さいたま県けん川越かわごえ市しの埼玉医科大学総合医療センターさいたまいかだいがくそうごういりょうせんた-では、第だい3波はで急増きゅうぞうした重症じゅうしょう患者かんじゃは減少げんしょうしていましたが、4月つきに入はいって再ふたたび増加ぞうかしているということです。

病院びょういんでは、重症じゅうしょう患者かんじゃを5人にんほど受け入うけいれられるところ、先週せんしゅうは3人にんが人工じんこう呼吸こきゅう器きを装着そうちゃくするなど、ほとんどの病床びょうしょうが埋うまる日ひが相次あいつぎ、第だい3波はの初期しょきと同おなじような状況じょうきょうだということです。

さらに、今月こんげつ入院にゅういんしたコロナ患者かんじゃの一部いちぶについて検査けんさしたところ、変異へんいウイルスの感染かんせんは1人にんだけでしたが、この病院びょういんによりますと、変異へんいウイルスは肺炎はいえんの症状しょうじょうの進行しんこうが早はやく、基礎きそ疾患しっかんがない40代だいや50代だいの患者かんじゃでも重症じゅうしょう化かするケースがみられるという報告ほうこくもあり、調しらべきれていない患者かんじゃについても検査けんさする必要ひつようがあるとしています。

コロナ病棟びょうとうを取とりしきる、感染かんせん症しょう科かの岡おか秀昭ひであき教授きょうじゅは「すでに第だい4波はの入り口いりくちにあるのだと思おもう。関西かんさいの医師いしからは変異へんい株かぶは『ウイルスが変かわったと実感じっかんするほど症状しょうじょうの進行しんこうペースが違ちがう』と聞きいている。感染かんせん性せいも強つよいし、変異へんい株かぶに置き換おきかわる可能かのう性せいも高たかい。人ひとの往来おうらいが増ふえれば、変異へんいウイルスが首都しゅと圏けんで広ひろがるのは時間じかんの問題もんだいで、戦々恐々せんせんきょうきょうとしている」と危機きき感かんを募つのらせています。

さらに「関西かんさいでは40代だいや50代だいなど比較的ひかくてき若わかい世代せだいでも重症じゅうしょう化かするケースが増ふえてきているほか、発症はっしょうしてから重症じゅうしょう化かするまでの時間じかんが短みじかくなっているという報告ほうこくもある。医療いりょう体制たいせいに与あたえる影響えいきょうも大おおきくなるおそれがあり、非常ひじょうに憂慮ゆうりょしなければならない事態じたいだ。これまでとは別べつのウイルスが流行りゅうこうしていると捉とらえてもよく、今いままで以上いじょうに厳きびしく対策たいさくを心こころがけてもらいたい。国くにや行政ぎょうせいは、ウイルスの広ひろがりのスピードを踏ふまえて、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんへの切り替きりかえなど対策たいさくを強化きょうかする判断はんだんをこれまでより迅速じんそくに行いってほしい」と話はなしています。

また、東京とうきょうなどで「N501Y」の変異へんいはないものの、免疫めんえきの攻撃こうげきから逃のがれる「E484K」と呼よばれる変異へんいがあるウイルスがまとまって確認かくにんされていることについて「感染かんせん力りょくは従来じゅうらいのウイルスから変化へんかがないと思おもわれるが、ワクチンの効果こうかが低下ていかするおそれや以前いぜんに感染かんせんした人ひとでも再ふたたび感染かんせんする可能かのう性せいがある。

ただ、対策たいさくの優先ゆうせん順位じゅんいとしては急速きゅうそくに広ひろがっている『N501Y』の変異へんいがあるイギリスで見みつかったタイプのウイルスを抑おさえることが先さきだ」と話はなしています。

▽最もっとも多おおかったのが東京とうきょう都とで319人にん、

次ついで

▽大阪おおさか府ふで273人にん、

▽京都きょうと府ふで76人にん、

▽愛知あいち県けんで67人にん、

▽神奈川かながわ県けんで63人にん、

▽埼玉さいたま県けんで61人にん、

▽福岡ふくおか県けんで60人にん、

▽岡山おかやま県けんで45人にん、

▽千葉ちば県けんで43人にん、

▽茨城いばらき県けんで42人にん、

▽香川かがわ県けんで41人にん、

▽三重みえ県けんで39人にん

▽富山とやま県けんと滋賀しが県けんで37人にん、

▽愛媛えひめ県けんで36人にん、

▽岐阜ぎふ県けんと兵庫ひょうご県けんで28人にん、

▽福井ふくい県けんで27人にん、

▽長野ながの県けんで22人にん、

▽徳島とくしま県けんで21人にん、

▽広島ひろしま県けんで17人にん、

▽静岡しずおか県けんで16人にん、

▽北海道ほっかいどうで13人にん、

▽奈良なら県けんで12人にん、

▽高知こうち県けんと熊本くまもと県けん、それに大分おおいた県けんで10人にん、

▽山口やまぐち県けんで9人にん、

▽秋田あきた県けんと栃木とちぎ県けんで8人にん、

▽群馬ぐんま県けんで7人にん、

▽宮崎みやざき県けんで6人にん、

▽和歌山わかやま県けんと鹿児島かごしま県けん、佐賀さが県けんで5人にん、

▽島根しまね県けんで4人にん、

▽新潟にいがた県けんと石川いしかわ県けんで3人にん、

▽岩手いわて県けんと山梨やまなし県けんで2人にん、

▽長崎ながさき県けん、沖縄おきなわ県けん、青森あおもり県けん、鳥取とっとり県けんと宮城みやぎ県けんがそれぞれ1人にんです。

青森あおもり県けん、岩手いわて県けん、それに宮崎みやざき県けんでは初はじめて変異へんいウイルスの感染かんせんが確認かくにんされました。

これまでに、自治体じちたいの検査けんさで変異へんいウイルスへの感染かんせんが確認かくにんされた人ひとは合あわせて3564人にんとなり、この1週間しゅうかんでおよそ1.7倍ばいに増加ぞうかしています。

また、国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょなどで変異へんいウイルスの遺伝子いでんしが確認かくにんされたのは、これまでに全国ぜんこくで合あわせて1141人にんで、このうち94％の人ひとからイギリスで最初さいしょに見みつかったウイルスが検出けんしゅつされているということです。

WHOのまとめによりますと、イギリスで見みつかった変異へんいウイルスは従来じゅうらいのウイルスに比くらべて、感染かんせん力りょくは36％から75％高たかくなっていたということです。

また、国内こくないでも国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょがことし2月つき1日にちから3月つき22日にちの事例じれいを分析ぶんせきしたところ、感染かんせんの広ひろがりやすさを表あらわす数値すうちが従来じゅうらいのウイルスより平均へいきんで1.32倍ばい、高たかくなっているという計算けいさん結果けっかとなりました。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょではこの変異へんいウイルスが広ひろがれば従来じゅうらいのウイルスに対にたいするのと同おなじ対策たいさくでは、これまで以上いじょうの感染かんせん者しゃ数すうの増加ぞうかにつながり、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいや公衆こうしゅう衛生えいせい対策たいさくの体制たいせいを急速きゅうそくに圧迫あっぱくするおそれがあると指摘してきしています。

このため国くには「N501Y」の変異へんいを持もったウイルスを監視かんし対象たいしょうとして全国ぜんこくでスクリーニング検査けんさを行おこなうなど警戒けいかいを強つよめています。

ただ、この変異へんいがあると抗体こうたいの攻撃こうげきから逃のがれる性質せいしつを持もつと考かんがえられていて、免疫めんえきやワクチンの効果こうかを低下ていかされるおそれが指摘してきされています。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょはこの変異へんいがあるウイルスが現在げんざい、国内こくないで使つかわれているファイザー社しゃ製せいのワクチンの効果こうかを完全かんぜんに無効むこう化かするとは考かんがえにくいとしています。

ただ、再さい感染かんせんのリスクが上あがったり、ワクチンの有効ゆうこう性せいが低下ていかしたりする可能かのう性せいはあるということで、「公衆こうしゅう衛生えいせい的てきなリスクは高たかくないが、中ちゅう長期ちょうきに対処たいしょしていくべきリスク」だとしています