日本新聞: パーキンソン病異常なたんぱく質患者の脳内で撮影成功と発表

パーキンソン病びょう異常いじょうなたんぱく質たんぱくしつ患者かんじゃの脳のう内ないで撮影さつえい成功せいこうと発表はっぴょう

Jun 6, 2024 00:06

Furigana

パーキンソン病びょうなどの患者かんじゃの脳のうに蓄積ちくせきする異常いじょうなたんぱく質たんぱくしつを、生いきている患者かんじゃの脳のう内ないで撮影さつえいすることに成功せいこうしたと量子りょうし科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうなどのグループが発表はっぴょうしました。病気びょうきの診断しんだんや、進行しんこうの度合どあいを調しらべるのに役立やくだつ成果せいかだとしています。

パーキンソン病びょうや「レビー小しょう体型たいけい」と呼よばれる認知にんち症しょうの患者かんじゃの脳のうには「αあるふぁシヌクレイン」という異常いじょうなたんぱく質たんぱくしつが蓄積ちくせきすることが知しられていますが、生いきている患者かんじゃの脳のう内ないでこのたんぱく質たんぱくしつの蓄積ちくせきを調しらべる技術ぎじゅつは確立かくりつしていませんでした。

量子りょうし科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうの遠藤えんどう浩信ひろのぶ主任しゅにん研究けんきゅう員いんなどのグループはこのたんぱく質たんぱくしつに結合けつごうして微弱びじゃくな放射ほうしゃ線せんを出だす特殊とくしゅな薬剤やくざいを開発かいはつし、パーキンソン病びょうとレビー小しょう体型たいけい認知にんち症しょうの患者かんじゃ10人にんにこの薬剤やくざいを投与とうよして、PETと呼よばれる画像がぞう診断しんだん装置そうちで脳のうを撮影さつえいしました。

その結果けっか、脳のうの一部いちぶ「中ちゅう脳のう」の、黒くろ質しつと呼よばれる部分ぶぶんに「αあるふぁシヌクレイン」が蓄積ちくせきしている状態じょうたいが画像がぞうとして確認かくにんできたということです。

また、症状しょうじょうが重おもい患者かんじゃほど蓄積ちくせきしている量りょうが多おおいこともわかったということで、研究けんきゅうグループは病気びょうきの診断しんだんや、進行しんこうの度合どあいを調しらべるのに役立やくだつ成果せいかだとしています。

遠藤えんどう主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「この技術ぎじゅつを使つかえば異常いじょうなたんぱく質たんぱくしつが脳のうにたまっている人ひとを探し出さがしだして治験ちけんを行おこなったり治療ちりょうの効果こうかを確認かくにんしたりできるようになる。病気びょうきのメカニズムの解明かいめいにもつながる研究けんきゅうだ」と話はなしています。