Japanese News: 3月分電気料金過去5年で最高に火力発電の燃料高騰が主な要因

3月つき分ぶん電気でんき料金りょうきん過去かこ5年ねんで最高さいこうに火力かりょく発電はつでんの燃料ねんりょう高騰こうとうが主おもな要因よういん

Jan 28, 2022 17:01

Furigana

大手おおて電力でんりょく会社かいしゃ10社しゃのことし3月つき分ぶんの電気でんき料金りょうきんは、比較ひかくできる過去かこ5年間ねんかんで最もっとも高たかい水準すいじゅんとなります。

火力かりょく発電はつでんの燃料ねんりょうとして使つかわれるLNG＝液化えきか天然てんねんガスなどの輸入ゆにゅう価格かかくが、大幅おおはばに上昇じょうしょうしていることが主おもな要因よういんです。

大手おおて電力でんりょく各社かくしゃによりますと、ことし3月つき分ぶんの電気でんき料金りょうきんは10社しゃのうち、9社しゃで2月つき分ぶんより値上ねあがりし、残のこる北陸電力ほくりくでんりょくは同額どうがくとなります。

これは、LNGや石炭せきたんなどの輸入ゆにゅう価格かかくが大幅おおはばに上昇じょうしょうしていることが主おもな要因よういんです。

10社しゃの電気でんき料金りょうきんは、比較ひかくできる過去かこ5年間ねんかんで最もっとも高たかい水準すいじゅんとなっています。

このうち、2月つき分ぶんと比くらべて最もっとも値上ねあがり幅はばが大おおきいのは中部ちゅうぶ電力でんりょくで、使用しよう量りょうが平均へいきん的てきな家庭かていの電気でんき料金りょうきんは292円えん上あがって7949円えんとなっています。

次ついで東京とうきょう電力でんりょくが283円えん値上ねあがりして8244円えん、東北とうほく電力でんりょくが219円えん値上ねあがりし8333円えんなどとなっています。

電気でんき料金りょうきんは、利用りよう者しゃの負担ふたんが大おおきくなりすぎないよう燃料ねんりょう価格かかくの上昇じょうしょう分ぶんを転嫁てんかできる上限じょうげんが定さだめられていますが、関西かんさい電力でんりょくと中国ちゅうごく電力でんりょくの一部いちぶの契約けいやくで、この上限じょうげんを突破とっぱしました。

2月つき分ぶんで北陸電力ほくりくでんりょくは、すでに上限じょうげんを超こえています。

複数ふくすう社しゃで同時どうじに上限じょうげんを突破とっぱするのは、2009年ねんに今いまの制度せいどになってから初はじめてのことです。

脱だつ炭素たんその流ながれの中なかで、世界せかい的てきにLNGの需要じゅようは今後こんごも伸のびることが予想よそうされ、消費しょうひ者しゃや企業きぎょうの負担ふたんが懸念けねんされています。

電力でんりょく・ガス会社かいしゃの3月つき分ぶんの料金りょうきん一覧いちらん

【電気でんき料金りょうきん】

使用しよう量りょうが平均へいきん的てきな家庭かていで2月つき分ぶんと比くらべて、

▽中部ちゅうぶ電力でんりょくが292円えん高たかい7949円えん、

▽東京とうきょう電力でんりょくが283円えん高たかい8244円えん、

▽東北とうほく電力でんりょくが219円えん高たかい8333円えん、

▽沖縄おきなわ電力でんりょくが213円えん高たかい8758円えん、

▽中国ちゅうごく電力でんりょくが174円えん高たかい8005円えん、

▽四国しこく電力でんりょくが138円えん高たかい7839円えん、

▽北海道ほっかいどう電力でんりょくが122円えん高たかい8266円えん、

▽九州きゅうしゅう電力でんりょくが113円えん高たかい7104円えん、

▽関西かんさい電力でんりょくが55円えん高たかい7473円えん、

▽北陸電力ほくりくでんりょくが2月つき分ぶんと変かわらず7187円えんとなっています。

【ガス料金りょうきん】

ガス料金りょうきんもLNGの上昇じょうしょうを受うけて、

大手おおて4社しゃすべてで7か月かげつ連続れんぞくで値上ねあがりします。

使用しよう量りょうが平均へいきん的てきな家庭かていで2月つき分ぶんと比くらべて、

▽東邦ガスとうほうがすが229円えん高たかい6773円えん、

▽大阪ガスおおさかがすが226円えん高たかい6322円えん、

▽東京ガスとうきょうがすが222円えん高たかい5611円えん、

▽西部ガスさいぶがすが168円えん高たかい6393円えんとなっています。

燃料ねんりょう費ひ調整ちょうせい制度せいど

火力かりょく発電はつでんへの依存いぞん度どが高たかい日本にっぽんでは燃料ねんりょう価格かかくの上昇じょうしょうによる電気でんき料金りょうきんの急激きゅうげきな値上ねあがりを防ふせぐため「燃料ねんりょう費ひ調整ちょうせい制度せいど」が導入どうにゅうされています。

この制度せいどでは燃料ねんりょう価格かかくの変動へんどうをならすため過去かこ3か月かげつ間かんの天然てんねんガスや石炭せきたん、それに石油せきゆの価格かかくの平均へいきんを算定さんていして、2か月かげつ後ごの電気でんき料金りょうきんに反映はんえいさせる仕組しくみになっています。

一方いっぽう、利用りよう者しゃの負担ふたんが大おおきくなりすぎないよう燃料ねんりょう価格かかくの上昇じょうしょう分ぶんを料金りょうきんに転嫁てんかできる上限じょうげんも定さだめられています。

家庭かてい向むけの契約けいやくの一部いちぶが対象たいしょうで電力でんりょく各社かくしゃが定さだめる基準きじゅん価格かかくの5割わりを超こえて上昇じょうしょうした場合ばあいは、それ以上いじょうの分ぶんを電力でんりょく会社かいしゃが自社じしゃで負担ふたんすることになります。

価格かかく高騰こうとうの背景はいけい

JOGMEC「石油せきゆ天然てんねんガス・金属きんぞく鉱物こうぶつ資源しげん機構きこう」の白川しらかわ裕ひろし調査ちょうさ役やくはLNGの価格かかく高騰こうとうの背景はいけいについて「ロシアとウクライナの間まの緊張きんちょうが高たかまってロシア産さんのガスの供給きょうきゅうが滞とどこおるという懸念けねんからヨーロッパでガス価格かかくが高騰こうとうした。アジアのLNGのスポット価格かかくは欧州おうしゅうガス価格かかくと連動れんどうしているため押し上おしあげられる形かたちで高騰こうとうしている」と述のべました。

また天然てんねんガスを取り巻とりまく情勢じょうせいについては「ヨーロッパではガス需要じゅようの4割わりをロシア産さんのパイプラインガスが占しめる一方いっぽう、太陽光たいようこうや風力ふうりょく発電はつでんの割合わりあいが進すすむ中なか、夜間やかんや風かぜが吹ふかないときに電力でんりょくを補おぎなうためのガス火力かりょく発電はつでんの重要じゅうよう性せいが一層いっそう増ましている」と指摘してきしました。