「金」との差 4年前は0秒2 今回は0秒44
前回のピョンチャン大会も高木選手は女子1500メートルの金メダル最有力候補として臨みました。しかし、わずか0秒2及ばず銀メダル。「やっぱり1番を取りたい」と新たな目標を北京大会での個人種目の金メダル獲得としてこの4年間、試行錯誤を続けてきました。
それはおととしのシーズン前のことでした。右ひざのけがのため十分にトレーニングが積めずシーズン開幕が近づいても「チームの練習に初めてついていけないと思った」と振り返るほど筋力が不足していました。 この状況で速く滑るにはどうすればいいのか考え続けた高木選手は、力をむだなく氷に伝えられる”一瞬”があることに気づきます。体重を最も乗せることができる骨盤、ひざ、足首が一直線になる瞬間を捉えることで体力の消耗を抑えられるようになりました。
高木選手はオリンピックに向けて今シーズンは、この“一瞬”を捉える滑りに磨きをかけてワールドカップで出場した3戦すべてで優勝を果たすなど好調を保っていました。 レースでも「やってきたことを実行するのみ」とこの”一瞬”を捉えつづけましたが、わずか0秒44届かず2大会連続の銀メダルとなりました。
また、金メダルを獲得したオランダのイレーン・ビュスト選手がオリンピック記録を更新したあとの滑りだったことについて「どの選手がどんなタイムを出したとしてもベストを尽くすことに変わりないと思っていたので、プレッシャーを感じたわけではない。ただ、自分の実力が彼女より劣っていたのだと思う」と話していました。
高木選手は前回のピョンチャン大会で、団体パシュートで金メダル、1500メートルで銀メダル、それに1000メートルで銅メダルを獲得しています。 今大会5種目に出場する予定の高木選手は、このあとも1000メートルと500メートル、それに団体パシュートの3種目を残していて、さらなるメダルの獲得が期待されています。
そのうえで「スケート人生で初めてこんなに大きな舞台で楽しくレースできたことは、大きな宝物になった。すごく満足できたレースだった」と笑顔で話していました。
また、妹の美帆選手が銀メダルだったことについて「やっぱりこの種目で、妹に金メダルを取ってほしかったという気持ちはある。妹が1番悔しいとは思うが、女子団体パシュートではみんなで奪い返せるようにがんばりたい」と悔しそうに話していました。
「金メダル逃したことの悔しさが強い」
高木美帆の獲得メダルは通算4個 日本選手では冬の五輪最多に
4位 佐藤綾乃「悔しい部分はあるが すごく楽しかった」
8位 高木菜那 「団体パシュートではみんなで奪い返せるように」