日本新聞: スノーボード【速報】女子ハーフパイプ冨田せなが銅メダル

北京ぺきんオリンピックスノーボード、女子じょしハーフパイプは10日にち、決勝けっしょうが行おこなわれ、冨田とみたせな選手せんしゅが銅メダルどうめだるを獲得かくとくしました。スノーボード女子じょしハーフパイプで日本にっぽん選手せんしゅのメダル獲得かくとくは初はじめてです。

スノーボードのハーフパイプは半円はんえん筒とう形がたのコースを滑り降すべりおりながら「エア」と呼よばれるジャンプの高たかさや空中くうちゅうでの技わざの難なん度どを競きそいます。

決勝けっしょうは予選よせんを通過つうかした12人にんが、それぞれ3回かい滑すべり、最もっとも高たかい得点とくてんで順位じゅんいが決きまります。

2大会たいかい連続れんぞく出場しゅつじょうの冨田とみたせな選手せんしゅは1回かい目めからエアで横よこに3回転かいてんする大技おおわざを決きめて、86.00の高こう得点とくてんをマーク。

2回かい目めではさらに技わざの精度せいどをあげて、88.25と得点とくてんを伸のばし、銅メダルどうめだるを獲得かくとくしました。

スノーボード女子じょしハーフパイプで日本にっぽん選手せんしゅのメダル獲得かくとくは初はじめてです。

せな選手せんしゅの妹いもうと、冨田とみたるき選手せんしゅも3回かい目めにすべての技わざを成功せいこうさせ、80.50を出だして初はつ出場しゅつじょうながら5位いに入はいりました。

また、同おなじく初はつ出場しゅつじょうで予選よせんを2位いで通過つうかした17歳さいの小野おの光希みつき選手せんしゅは、71.50の9位いでした。

金メダルきんめだるは前回ぜんかいに続つづく大会たいかい連覇れんぱとなったアメリカのクロエ・キム選手せんしゅ、銀メダルぎんめだるはスペインのケラルト・カステリェト選手せんしゅでした。

鬼門きもんの会場かいじょうで恐怖きょうふ心しんを克服こくふくし銅メダルどうめだる

北京ぺきんオリンピックに向むけて調子ちょうしを上あげてきた冨田とみたせな選手せんしゅが鬼門きもんの会場かいじょうで恐怖きょうふ心しんを克服こくふくし、銅メダルどうめだるを獲得かくとくしました。

9日にちの予選よせんのあと「どうしても恐怖きょうふ心しんが頭あたまをよぎった」と話はなした冨田とみた選手せんしゅ。

2019年ねん12月つき、この会場かいじょうで行おこなわれたワールドカップの練習れんしゅう中ちゅうに転倒てんとうして頭あたまを打うち、その後そのご、棄権きけんしました。

「当時とうじの状況じょうきょうを覚おぼえていない」と振り返ふりかえるほど強つよく打うっていました。

医者いしゃからは3か月かげつ間かんの安静あんせいを指示しじされ、何なにもできない日々ひびが続つづきました。

シーズンまっただ中まっただなかのけが。

ほかの日本にっぽん代表だいひょう選手せんしゅが国際こくさい大会たいかいに出場しゅつじょうし、次々つぎつぎに結果けっかを残のこしていく姿すがたを見みていることしかできませんでした。

当時とうじについて「スノーボードのことを考かんがえるのがしんどかった。やめることも考かんがえた」と言いう冨田とみた選手せんしゅは、相談そうだんした両親りょうしんのことばをきっかけに世界せかいを目指めざして続つづけることを決意けついしました。

両親りょうしんからおくられた「今いま、競技きょうぎをやめるのではなくて次つぎのシーズンで大会たいかいに出でてみてまわりとの差さを感かんじてからやめたらいいんじゃない」ということば。

復帰ふっき後ごは恐怖きょうふ心しんから泣なきながら滑すべることもありましたが「やるしかない」と耐たえながら練習れんしゅうを積み重つみかさねました。

急きゅう成長せいちょうしていた妹いもうとのるき選手せんしゅの存在そんざいも刺激しげきになり、姉妹しまいで競きそいながら技術ぎじゅつを高たかめてきました。

その結果けっか、今こんシーズンは世界せかいのトッププロが集あつまる大会たいかい「Xゲーム」で優勝ゆうしょうするなど大おおきく成長せいちょうしました。

迎むかえた決勝けっしょうでは恐怖きょうふ心しんを克服こくふくし、次々つぎつぎに持ち味もちあじの高たかいエアを成功せいこうさせて銅メダルどうめだるを獲得かくとくしました。

忘わすれようとしても決けっして忘わすれることのできないつらい記憶きおくの残のこる場所ばしょが10日にち、最高さいこうの場所ばしょに変かわりました。

冨田とみたせな「1回かい目めから技わざを決きめられたのがでかい」

銅メダルどうめだるを獲得かくとくした冨田とみたせな選手せんしゅは「びっくりしていて、とてもうれしい。1回かい目めから技わざを決きめられたのがでかくて、2回かい目め3回かい目めで攻せめられて、結果けっかがついてきた」と笑顔えがおがこぼれました。

そして「オリンピックに出場しゅつじょうするためにたくさんの方ほうに支ささえてもらった。たくさんの感謝かんしゃの気持きもちを伝つたえられたらいいなと思おもう」と目めに涙なみだを浮うかべていました。

また、5位い入賞にゅうしょうした妹いもうとのるき選手せんしゅと姉妹しまいでオリンピックに出場しゅつじょうしたことについては、「2人にんで一緒いっしょにずっとやってきて、この舞台ぶたいで滑すべられたのでよかった」と話はなしていました。

冨田とみたるき「納得なっとくいっていないから悔くいがある」

冨田とみたるき選手せんしゅは5位いに入賞にゅうしょうしたものの、「自分じぶんが今いまできることを全部ぜんぶやって、この順位じゅんいだった。納得なっとくいったかというと納得なっとくいっていないからそこは悔くいがある」と悔くやしそうに結果けっかを受け止うけとめていました。

決勝けっしょうの滑すべりについて、「1回かい目めに予想よそう外がいのところで転倒てんとうして動揺どうようしてしまい、2回かい目めも転倒てんとうしてしまった。『バックサイド900』は絶対ぜったいにやりたかった技わざなので、3回かい目めでできてよかった」と振り返ふりかえりました。

また、姉あねのせな選手せんしゅと出場しゅつじょうした初はじめてのオリンピックについて、「姉あねが出場しゅつじょうした4年ねん前まえのピョンチャン大会たいかいを間近まぢかに見みて自分じぶんも出でたいと思おもい、まさか決勝けっしょうに行いけるとは思おもっていなくてうれしい。自分じぶんがやりたいことをやれたのでよかった」と話はなしていました。

小野おの光希みつき「また4年ねん後ごに頑張がんばりたい」

9位いとなった17歳さいの小野おの光希みつき選手せんしゅは「自信じしんもあったし、絶対ぜったいに『キャブ1080』を立たてるという気持きもちで全部ぜんぶ挑いどんだが結果けっか的てきに立たてなかった。これが今いまの自分じぶんの実力じつりょくだと受け入うけいれて、また4年ねん後ごに頑張がんばりたい」と目めに涙なみだを浮うかべながら話はなしていました。

そのうえで、「本当ほんとうに強つよい選手せんしゅは予選よせんからずっと強つよい。私わたしも好調こうちょうをキープできるようにもっと強つよくなりたい」と話はなし、次つぎのオリンピックを見据みすえていました。