日本新闻: 子どもへのワクチン接種開始へ知っておきたいこと

5歳さいから11歳さいの子こどもへの新型しんがたコロナウイルスのワクチン接種せっしゅは、早はやい地域ちいきでは今月こんげつ中ちゅうにも接種せっしゅが始はじまる見通みとおしです。

「子こどもにも早はやくワクチンを打うたせたい」

「副ふく反応はんのう強つよい子こどもになんて絶対ぜったい打うたせない」

ネット上じょうではさまざまな声こえが聞きかれました。

気きになる副ふく反応はんのうや接種せっしゅの進め方すすめかたはどうなるのか、接種せっしゅによる利益りえきとデメリットをどう考かんがえればいいのか、知しっておきたい情報じょうほうをまとめました。

5歳さい～11歳さいの接種せっしゅ今月こんげつ中ちゅうにも開始かいしへ

5歳さいから11歳さいの子こどもへの新型しんがたコロナウイルスのワクチン接種せっしゅは21日にち、正式せいしきに公的こうてきな接種せっしゅに位置いちづけられ今週こんしゅうから医療いりょう機関きかんや自治体じちたいにワクチンが配送はいそうされます。早はやい地域ちいきでは今月こんげつ中ちゅうにも接種せっしゅが始はじまる見通みとおしです。

有効ゆうこう成分せいぶん量りょうは12歳さい以上いじょうの3分ぶんの1

子こどもの接種せっしゅは12歳さい以上いじょうを対象たいしょうにしたワクチンに比くらべると1回かいに接種せっしゅする有効ゆうこう成分せいぶんの量りょうは3分ぶんの1で、3週間しゅうかんの間隔かんかくで2回かい接種せっしゅを受うけます。学校がっこうでの集団しゅうだん接種せっしゅは推奨すいしょうせず、自治体じちたいによる集団しゅうだん接種せっしゅか小児しょうに科かのクリニックなどでの個別こべつ接種せっしゅとする方針ほうしんです。

“努力どりょく義務ぎむではない”

オミクロン株かぶに対にたいする有効ゆうこう性せいのデータが十分じゅうぶんでないことなどから接種せっしゅは現時点げんじてんでは12歳さい以上いじょうのように接種せっしゅを受うけるよう努つとめなければならないとする「努力どりょく義務ぎむ」とはなっていません。

接種せっしゅには保護ほご者しゃの同意どういが必要ひつようで、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは有効ゆうこう性せいや安全あんぜん性せいのデータを踏ふまえて子こどもと保護ほご者しゃが十分じゅうぶんに話し合はなしあい、かかりつけの医師いしとも相談そうだんして判断はんだんするよう呼よびかけています。呼吸こきゅう器きなどに基礎きそ疾患しっかんがある子こどもは重症じゅうしょう化かリスクが高たかいことから接種せっしゅを受うけてほしいとしています。

ネット上じょうでは…

子こどもへの接種せっしゅについて、ネット上じょうでは子育こそだて中ちゅうとみられる人ひとたちのさまざまな声こえが聞きかれました。

●接種せっしゅさせたいと考かんがえている人ひと

「私わたしがいつコロナウイルスをもらってきてもおかしくないところで働はたらいているので、子こどもにも早はやくワクチンを打うたせたい」

「ワクチンを打うって何なにかなるリスクより、病気びょうきそのものにかかった後のちのリスクの方ほうが圧倒的あっとうてきに高たかい」

●接種せっしゅさせたくないという声こえ

「子供こどもに対にたいしては接種せっしゅに反対はんたいです。副ふく反応はんのうのリスクの高たかさはきちんと考かんがえたら分わかるはず。守まもってあげられるのは親おやだけだと思おもう」

「副ふく反応はんのう強つよいのは身みを持もって体験たいけんしているから子こどもになんて絶対ぜったい打うたせない」

●接種せっしゅすべきかどうか迷まよっているとの意見いけんも

「感染かんせんしても症状しょうじょうが軽かるい可能かのう性せいの方ほうが高たかいかなと思おもえる。子供こどもへのワクチン接種せっしゅは数すう年ねん様子ようす見みたい」

「接種せっしゅする気き満々まんまんだったんだけどネットで重おもい副ふく反応はんのうの情報じょうほうを見みて、むしろ打うたないほうがいいのではと悩なやんでしまう」

ファイザー臨床りんしょう試験しけん“発症はっしょう防ふせぐ効果こうか 90.7％”

アメリカやスペインなどで5歳さいから11歳さいまでの2200人にん余あまりを対象たいしょうに行おこなわれたファイザーのワクチンの臨床りんしょう試験しけんでは、発症はっしょうを防ふせぐ効果こうかは90.7％で接種せっしゅ後ごに出でた症状しょうじょうもおおむね軽度けいどから中なか程度ていどで安全あんぜんだと報告ほうこくされています。

臨床りんしょう試験しけんで大人おとなのワクチンの3分ぶんの1の量りょうに当にあたる10マイクログラムを3週間しゅうかんあけて2回かい接種せっしゅする1500人にん余あまりと、ワクチンに似にせた物質ぶっしつ、プラセボを投与とうよする750人にんで効果こうかや安全あんぜん性せいを確認かくにんしたところ

▽中和ちゅうわ抗体こうたいの値ねは16歳さいから25歳さいにワクチンを接種せっしゅした時ときと同おなじ水準すいじゅんまで上昇じょうしょうし

▽2回かいの接種せっしゅを受うけてから7日にち以上いじょうたったあと新型しんがたコロナに感染かんせんして発症はっしょうしたのはワクチンを接種せっしゅした人ひとで3人にん、プラセボを投与とうよした人ひとで16人にんで

発症はっしょうを防ふせぐ効果こうかは90.7％だったとしています。

●接種せっしゅ後ご痛いたみ・けん怠けんたい感かんなども“ほとんどは軽度けいどから中なか程度ていど”

安全あんぜん性せいについて接種せっしゅ後ごには接種せっしゅした部位ぶいの痛いたみや倦怠けんたい感かんなど症状しょうじょうが出でたケースが報告ほうこくされていますが、ほとんどは1日にちから2日にちほどで収おさまり軽度けいどから中なか程度ていどだったとしています。

具体ぐたい的てきな症状しょうじょうは

▽接種せっしゅした部位ぶいの痛いたみが1回かい目めの接種せっしゅ後ごで74％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごで71％

▽けん怠けんたい感かんが1回かい目めで34％、2回かい目めで39％

▽頭痛ずつうが1回かい目めで22％、2回かい目めで28％

▽接種せっしゅ部位ぶいの赤あかみが1回かい目めで15％、2回かい目めで19％

▽接種せっしゅ部位ぶいの腫はれが1回かい目めで10％、2回かい目めで15％

▽筋肉きんにく痛つうが1回かい目めで9％、2回かい目めで12％

▽寒気さむけが1回かい目めで5％、2回かい目めで10％

▽38度ど以上いじょうの発熱はつねつが1回かい目めで3％、2回かい目めで7％などでした。

解熱剤げねつざいを服用ふくようした人ひとは1回かい目めで14％、2回かい目めで20％だったということです。

アメリカ 5歳さい～11歳さい接種せっしゅ副ふく反応はんのうの報告ほうこく

アメリカでは去年きょねん11月つきから5歳さいから11歳さいを対象たいしょうにした接種せっしゅが始はじまっていて、CDCはおよそ870万まん回かいの接種せっしゅが行おこなわれた去年きょねん12月つき19日にちの時点じてんで接種せっしゅ後ごの有害ゆうがい事象じしょうとして報告ほうこくされた4249件けんについての分析ぶんせき結果けっかを公表こうひょうしています。

アメリカでは誰だれでも、ワクチンによるものか分わからない場合ばあいでも接種せっしゅ後ごに出でた症状しょうじょうを報告ほうこくできる仕組しくみになっていて、報告ほうこくされたうちの97.6％に当にあたる4149件けんは重おもいものではなかったとしています。具体ぐたい的てきには次つぎのとおりです。

▽おう吐おうとが316件けんで率りつにして7.6％

▽発熱はつねつが291件けんで7％

▽頭痛ずつうが255件けんで6.2％

▽失神しっしんが255件けんで6.2％

▽めまいが244件けんで5.9％

▽けん怠けんたい感かんが201件けんで4.8％など

一方いっぽう、重おもい症状しょうじょうとして報告ほうこくされた100件けんのうちでは

▽発熱はつねつが29件けんで29％

▽おう吐おうとが21件けんで21％

▽胸むねの痛いたみが12件けんで12％

などとなっています。

このほか

▽心筋しんきん炎えんと診断しんだんされた人ひとが11人にんいて全員ぜんいんが回復かいふくしたということで、心筋しんきん炎えんの起おきる頻度ひんどは12歳さい以上いじょうと比くらべて大幅おおはばに下さがっていると紹介しょうかいしています。

さらに接種せっしゅ後ごに亡なくなった人ひとは2人にんいましたが、2人にんとも複雑ふくざつな病歴びょうれきがあり接種せっしゅの前まえから健康けんこう状態じょうたいが悪わるかったということで、死亡しぼうと接種せっしゅとの因果いんが関係かんけいを示しめすようなデータはないとしています。

米べいCDC“安全あんぜんで有効ゆうこう性せい高たかく利益りえきが上回うわまわる”

ワクチンの接種せっしゅは接種せっしゅによる効果こうかなどの利益りえきが副ふく反応はんのうなどのリスクを上回うわまわった場合ばあいに推奨すいしょうされ、5歳さいから11歳さいの子こどもに対にたいするワクチン接種せっしゅについてアメリカのCDC＝疾病しっぺい対策たいさくセンターは安全あんぜんで有効ゆうこう性せいも高たかく利益りえきが上回うわまわるとして推奨すいしょうしているほか、カナダやフランスなどでも推奨すいしょうしています。

一方いっぽう、イギリスやドイツは重症じゅうしょう化かリスクが高たかい子こどもや免疫めんえきの働はたらきが弱よわくなっている人ひとと同居どうきょしている子こどもなどは接種せっしゅが可能かのうとしています。

●利益りえきとリスク

CDCのワクチンに関にかんする委員いいん会かいでは去年きょねん11月つき、子こどものワクチン接種せっしゅの利益りえきとして

▽ワクチンによって新型しんがたコロナウイルスへの感染かんせんや重症じゅうしょう化かを防ふせぐ効果こうかがあることや

▽周まわりに感染かんせんを広ひろげないこと

それに

▽学校がっこうなどで安心あんしんして過すごせることなどが示しめされた一方いっぽう

リスクとしては

▽短たん期間きかんの副ふく反応はんのうが起おきることや

▽ワクチンによる心筋しんきん炎えんなど、ごくまれな副ふく反応はんのうが起おきるかどうかなどが

あるとしています。

「メリットとデメリットを考かんがえなければいけない」

小児しょうに科か医いでワクチンに詳くわしい北里きたざと大学だいがくの中山なかやま哲夫てつお特とく任にん教授きょうじゅは「子こどもがワクチンを接種せっしゅした際さいのメリットと副ふく反応はんのうのデメリット、そして感染かんせんした場合ばあいのデメリットを考かんがえなければいけない」と話はなしています。

子こどもがワクチンを接種せっしゅするかどうかの判断はんだん材料ざいりょうとしては「子こどもが感染かんせんすると軽症けいしょうだったとしても自宅じたく療養りょうようが続つづくなど、身体しんたい的てきにも精神せいしん的てきにもつらい思おもいをする。ワクチンは感染かんせんを100％防ふせぐものではないが少すくなくとも軽症けいしょうで済すますことができる可能かのう性せいが高たかい。またワクチン接種せっしゅで子こどもから親おやや同居どうきょしている祖父母そふぼなど家庭かてい内ないに持ち込もちこみにくくなるなどのメリットが考かんがえられる。学習がくしゅう塾じゅくや習い事ならいごとのように家族かぞく以外いがいの人ひとと密みつに接せっすることが多おおい場面ばめんは感染かんせんが起おきやすく、ワクチンを接種せっしゅしてある程度あるていど予防よぼうする必要ひつようがあるかもしれない」と述のべました。

そのうえで「重症じゅうしょう化かしやすい基礎きそ疾患しっかんのある子こどもは積極せっきょく的てきに進すすめる必要ひつようがある。ただ、おしなべて全員ぜんいんに接種せっしゅを進すすめる必要ひつようがあるかというと専門せんもん家かの間までも議論ぎろんが分わかれている。子こどもの感染かんせんが増ふえていても重症じゅうしょう化かする人ひとが少すくないのなら接種せっしゅしなくてもいいのではという発想はっそうもあるかもしれないが、誰だれが重症じゅうしょう化かするかは事前じぜんには分わからない」と話はなしました。

そして「ワクチンは強制きょうせいではなくみずから理解りかいして決きめることが重要じゅうようで、正ただしい情報じょうほうを得えて自分じぶんで判断はんだんするという科学かがく的てきな見方みかたを身みにつけてほしい」と述のべました。

保護ほご者しゃの考かんがえは…

接種せっしゅの対象たいしょうになった5歳さいから11歳さいの子こどもを持もつ保護ほご者しゃは、接種せっしゅをどのように考かんがえているのでしょうか。

接種せっしゅを希望きぼうする？＜東京とうきょう江東こうとう区く＞

東京とうきょう江東こうとう区くは区内くないに住すむワクチン接種せっしゅの対象たいしょうになった5歳さいから11歳さいの子こどもの保護ほご者しゃで、区くの公式こうしきLINEに登録とうろくしている人ひとを対象たいしょうに、今月こんげつ10日にちから13日にちにかけて接種せっしゅについてアンケートを行おこない2000人にん余あまりから回答かいとうを得えました。