Báo tiếng Nhật: “救急医療”ひっ迫続く現場医師「限界が近い」

新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいで救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれ先さきがすぐに決きまらない「搬送はんそうが困難こんなんな事例じれい」は6000件けんを超こえて6週しゅう連続れんぞくで過去かこ最多さいたを更新こうしんし、依然いぜんとして増加ぞうか傾向けいこうが続つづいています。こうした中なか、救急きゅうきゅう医療いりょうの「最後さいごの砦とりで」とされる大学だいがく病院びょういんなどでは緊急きんきゅう性せいが高たかい一般いっぱんの病気びょうきやケガの患者かんじゃの受け入うけいれを断ことわらざるを得えなかったり、すぐに治療ちりょうを行おこなえなかったりするケースが続つづいています。現場げんばの医師いしは「地域ちいきの救急きゅうきゅう医療いりょうは限界げんかいが近ちかい」と訴うったえています。

救急きゅうきゅう医療いりょうひっ迫ひっぱく患者かんじゃ受け入うけいれに数すう時間じかんかかるケースも

大阪おおさか吹田すいた市しにある大阪おおさか大学だいがく医学部いがくぶ附属ふぞく病院びょういんの高度こうど救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンターは新型しんがたコロナの重症じゅうしょう患者かんじゃに対応たいおうするとともに、脳卒中のうそっちゅうや交通こうつう事故じこのけがなど、それ以外いがいの緊急きんきゅう性せいの高たかい患者かんじゃを受け入うけいれる地域ちいきの救急きゅうきゅう医療いりょうの「最後さいごの砦とりで」を担になっています。

新型しんがたコロナの重症じゅうしょう患者かんじゃ用ようの病床びょうしょうは2月つき22日にちの時点じてんで14床しょうのうち13床しょうが埋うまり、ひっ迫ひっぱくした状態じょうたいが続つづいています。

織田おだ順じゅんセンター長ちょうによりますと、センターには2月つきに入はいって新型しんがたコロナ以外いがいの緊急きんきゅう性せいが高たかい患者かんじゃの受け入うけいれ要請ようせいも増ふえ続つづけていて、中なかには到着とうちゃくまで数すう時間じかんかかるケースが出でているということです。

緊迫きんぱくの現場げんば受け入うけいれ先さき見みつからず男性だんせいは一時いちじ心肺しんぱい停止ていしに

NHKが取材しゅざいに入はいった2月つき17日にち、センターに搬送はんそうされてきた大阪おおさか市内しないの50代だいの男性だんせいは新型しんがたコロナには感染かんせんしていませんでしたが、急性きゅうせい心筋しんきん梗塞こうそくのため緊急きんきゅうに治療ちりょうが必要ひつようだとして対応たいおうした救急きゅうきゅう車しゃの隊員たいいんが大阪おおさか市内しないを中心ちゅうしんに近ちかくの救急きゅうきゅう病院びょういんなどに10回かいにわたり問い合といあわせをしましたが受け入うけいれ先さきが見みつからず、最終さいしゅう的てきにセンターに搬送はんそうされてきました。

男性だんせいがセンターに到着とうちゃくしたのは救急きゅうきゅう車しゃを要請ようせいしてからおよそ2時間じかん半はん後ごで、男性だんせいは容体ようだいが悪化あっかして一時いちじ心肺しんぱい停止ていしとなり、人工じんこう呼吸こきゅう器きや人工じんこう心肺しんぱい装置そうち＝ECMOを使つかった治療ちりょうを受うけました。

他た府県ふけんからの要請ようせいも 1月つき上旬じょうじゅんと比くらべ7倍ばい近ちかく増加ぞうか

センターによりますと、緊急きんきゅう性せいが高たかい患者かんじゃの受け入うけいれ要請ようせいは京都きょうとや兵庫ひょうごなどの他た府県ふけんを含ふくめ離はなれた地域ちいきからも相次あいつぎ、断ことわらざるをえないケースが増ふえていて、現在げんざいは1日にち15件けんほどと1月つき上旬じょうじゅんと比くらべて7倍ばい近ちかくに増加ぞうかしているということです。

背景はいけいには新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいで地域ちいきのほかの救急きゅうきゅう病院びょういんが対応たいおうできなくなり、患者かんじゃの受け入うけいれ要請ようせいそのものが増ふえているほか、医療いりょうスタッフの数かずにも限かぎりがある中なかで緊急きんきゅう手術しゅじゅつや搬送はんそうが重かさなるなどして対応たいおうが難むずかしくなっていることがあります。

織田おだセンター長ちょうは「現場げんばでできる努力どりょくや工夫くふうは最大限さいだいげん行いっているが、すべての受け入うけいれ要請ようせいには応こたえ切きれていないのが実情じつじょうだ。治療ちりょうの優先ゆうせん度どを決きめて受け入うけいれの可否かひを判断はんだんせざるを得えないこともあり、患者かんじゃの不ふ利益りえきが最小さいしょう限げんになるよう細心さいしんの注意ちゅういを払はらって対応たいおうしているが、非常ひじょうに心苦こころぐるしく思おもっている」と心情しんじょうを語かたりました。

対応たいおう策さくとしてセンターでは近ちかくの病院びょういんと直接ちょくせつ連絡れんらくを取り合とりあいベッドやスタッフにわずかに余裕よゆうがあるタイミングを見計みはからって緊急きんきゅう手術しゅじゅつや患者かんじゃの受け入うけいれを互たがいに依頼いらいし合あっているということですが、織田おだセンター長ちょうは「21日にちも40回かい以上いじょう病院びょういんへ問い合といあわせても受け入うけいれ先さきが見みつからずこのセンターに搬送はんそうされてきた患者かんじゃがいて、地域ちいきの救急きゅうきゅう医療いりょうは限界げんかいが近ちかいと感かんじている。新型しんがたコロナの重症じゅうしょう者しゃは感染かんせん者しゃの増加ぞうかがピークを迎むかえてもしばらく増ふえ続つづけるので、この先さき、新型しんがたコロナの患者かんじゃとそれ以外いがいの救急きゅうきゅう患者かんじゃへの対応たいおうがどこまでもつのか非常ひじょうに危惧きぐしている。一般いっぱんの人ひとには救急きゅうきゅう医療いりょうがこのような厳きびしい局面きょくめんに立たたされていることを知しってほしい」と訴うったえていました。

ドクターカーの出動しゅつどうも増加ぞうか

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいで救急きゅうきゅう医療いりょうで「最後さいごの砦とりで」とされる東京とうきょう都内とないの大学だいがく病院びょういんでは救急きゅうきゅう患者かんじゃ用ようの病床びょうしょうがひっ迫ひっぱくし、入院にゅういんの受け入うけいれが難むずかしくなっていることもあり、医師いしらが「ドクターカー」で緊急きんきゅうを要ようする患者かんじゃのもとに駆かけつけて対応たいおうするケースが増ふえてきています。

東京とうきょう文京ぶんきょう区くにある3次じ救急きゅうきゅうの指定してい病院びょういん、日本にっぽん医科いか大学だいがく付属ふぞく病院びょういんはコロナ患者かんじゃ用ようとコロナ以外いがいの緊急きんきゅう性せいの高たかいけがや病気びょうきの患者かんじゃ用ようの病床びょうしょうが現在げんざい合あわせて24床しょうあり治療ちりょうを行おこなっていますが、オミクロン株かぶが急きゅう拡大かくだいした1月つきからは多おおくの医療いりょう機関きかんでコロナ対応たいおうに注力ちゅうりょくするために一般いっぱんの救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれを絞しぼっている影響えいきょうもあり、満まん床ゆかに近ちかい状態じょうたいが続つづいています。

先週せんしゅうからは治療ちりょうに時間じかんがかかるコロナの重症じゅうしょう患者かんじゃの入院にゅういんも増ふえ、病床びょうしょうのひっ迫ひっぱくの度合どあいが高たかまっていて、コロナとコロナ以外いがいを含ふくめ患者かんじゃの受け入うけいれの要請ようせいを数すう十じゅう件けん断ことわらざるを得えない日ひもあり、22日にちも午後ごご3時じごろまでに10数すう件けんの要請ようせいに対にたいして受け入うけいれができたのは2件けんにとどまりました。

2日にちに1回かいほどの出動しゅつどうが1日にち4回かいになることも

病院びょういんでは患者かんじゃの受け入うけいれが厳きびしくなっている中なかで消防しょうぼうからの要請ようせいを受うけて医師いしが車内しゃないで治療ちりょうしながら患者かんじゃを搬送はんそうする「ドクターカー」での対応たいおうも進すすめていて、病院びょういんによりますと、出動しゅつどうはふだんは2日にちに1回かいほどだったのが先週せんしゅうからは1日にちに4回かいになることもあるということです。

ドクターカーには人工じんこう呼吸こきゅう器きやレントゲン検査けんさの装置そうちなどが搭載とうさいされていて、今週こんしゅうには子こどもがけいれんを起おこしたケースでドクターカーで駆かけつけ、医師いしが現場げんばで処置しょちをしたあと別べつの病院びょういんに搬送はんそうできたこともあったということです。

横堀よこぼり將司つかさ高度こうど救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンター長ちょうは「救急きゅうきゅう搬送はんそうの要請ようせいに応おうじるのも難むずかしいが搬送はんそう先さきが決きまらずに患者かんじゃさんの状態じょうたいが悪わるくなることだけは避さけないといけない。医師いしがなんとか早はやく治療ちりょうに介入かいにゅうし、病院びょういんに来くるまでに患者かんじゃさんの命いのちが絶たえないようにする必要ひつようがある」と話はなしています。

「搬送はんそうが困難こんなんな事例じれい」 6000件けん超こす

総務そうむ省しょう消防庁しょうぼうちょうは患者かんじゃの搬送はんそう先さきが決きまるまでに病院びょういんへの照会しょうかいが4回かい以上いじょうあったケースなどを「搬送はんそうが困難こんなんな事例じれい」として、県庁けんちょう所在地しょざいちの消防しょうぼう本部ほんぶなど全国ぜんこくの52の消防しょうぼう機関きかんの報告ほうこくをもとに毎週まいしゅうとりまとめています。

2月つき20日にちまでの1週間しゅうかんでは6064件けんで、過去かこ最多さいたとなった前まえの週しゅうの5740件けんからさらに増加ぞうかしました。

地域ちいき別べつでは東京とうきょうが2849件けん、大阪おおさか市しが557件けん、横浜よこはま市しが432件けん、札幌さっぽろ市しが164件けん、北九州きたきゅうしゅう市しが129件けん、仙台せんだい市しが101件けんなどとなっています。

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだい前まえにあたる令りょう和わ2年ねんの同おなじ時期じきに比くらべると、北九州きたきゅうしゅう市しが63.5倍ばい、東京とうきょうが7.9倍ばい、横浜よこはま市しが4.68倍ばい、大阪おおさか市しが2.9倍ばい、仙台せんだい市しが2.61倍ばい、札幌さっぽろ市しが1.83倍ばいなど各地かくちで大幅おおはばに増ふえています。

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが疑うたがわれるケースは2032件けんで前まえの週しゅうに続つづき高たかい水準すいじゅんで、全体ぜんたいの34％となっています。

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんの疑うたがいのないケースは4032件けんと前まえの週しゅうからおよそ350件けん増ふえ、依然いぜんとして全体ぜんたいのおよそ3分ぶんの2を占しめています。

総務そうむ省しょう消防庁しょうぼうちょうは「新型しんがたコロナの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは少すこしずつ減へっているが必かならずしも病床びょうしょうがすぐに空すくわけではない。搬送はんそうが困難こんなんな事例じれいは依然いぜんとして多おおく、余談よだんを許ゆるさない状況じょうきょうが続つづいているため危機きき感かんを持もって今後こんごの状況じょうきょうを注視ちゅうししたい」と話はなしています。