日本新聞: 救急対応の病院駐車場の救急車で診療も「限界超えた対応に」

救急きゅうきゅう対応たいおうの病院びょういん駐車ちゅうしゃ場じょうの救急きゅうきゅう車しゃで診療しんりょうも「限界げんかい超こえた対応たいおうに」

Feb 23, 2022 20:02

Furigana

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいによる医療いりょうひっ迫ひっぱくで、東京とうきょう都内とないで救急きゅうきゅうの対応たいおうを行おこなう病院びょういんでは、新型しんがたコロナだけでなくコロナ以外いがいの緊急きんきゅう度どの高たかい救急きゅうきゅう患者かんじゃを受け入うけいれることが難むずかしくなってきています。中なかには病院びょういんの駐車ちゅうしゃ場じょうにとめた救急きゅうきゅう車しゃの中なかで患者かんじゃの診療しんりょうを行おこなわざるをえないケースも出でていて、現場げんばの医師いしは「限界げんかいを超こえた対応たいおうになっている」としています。

東京とうきょう・文京ぶんきょう区くの東京とうきょう医科いか歯科しか大学だいがく病院びょういんは、感染かんせん拡大かくだいの第だい6波はに際にさいして、新型しんがたコロナの中等ちゅうとう症しょうや重症じゅうしょうの患者かんじゃ用ようのベッドを合あわせて61床しょう確保かくほして対応たいおうするなど、東京とうきょう都内とないでのコロナ対応たいおうの中心ちゅうしん的てきな役割やくわりを担になってきました。

この病院びょういんではコロナ以外いがいの患者かんじゃは一時いちじ的てきな治療ちりょうを行おこなったあとは他たの病院びょういんで診みてもらうという役割やくわり分担ぶんたんをしてきましたが、今月こんげつ上旬じょうじゅんからは近隣きんりんの病院びょういんでも救急きゅうきゅう用ようの病床びょうしょうがひっ迫ひっぱくして患者かんじゃを受け入うけいれられなくなっているため、コロナ以外いがいの患者かんじゃへの対応たいおうも増ふえてきています。

ただ、入院にゅういんするための病床びょうしょうや医療いりょうスタッフが足たりないため、中なかには救急きゅうきゅうの初期しょき診療しんりょうを行おこなう場所ばしょで患者かんじゃが留め置とめおかれるケースもあったほか、さらに今月こんげつ中旬ちゅうじゅんごろからは院内いんないで患者かんじゃを診みる場所ばしょも不足ふそくし、病院びょういんの駐車ちゅうしゃ場じょうに止とめた救急きゅうきゅう車しゃの中なかで、診療しんりょうせざるをえないケースも出でているということです。

都内とないでは、この病院びょういんのように、緊急きんきゅう度どの高たかい患者かんじゃに対応たいおうする3次じ救急きゅうきゅうの指定してい病院びょういんでも、患者かんじゃの受け入うけいれ要請ようせいに対応たいおうするのが難むずかしくなってきているため、病院びょういんでは、駐車ちゅうしゃ場じょうで診療しんりょうせざるをえないケースが今後こんごも増ふえるとみています。

東京とうきょう医科いか歯科しか大学だいがく病院びょういんの大友おおとも康裕やすひろ救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンター長ちょうは「骨折こっせつの患者かんじゃや高齢こうれいのコロナ患者かんじゃの受け入うけいれ先さきもなかなか決きまらないという状況じょうきょうになっている。駐車ちゅうしゃ場じょうでの診療しんりょうは入院にゅういん先さきが決きまらず、搬送はんそうを待まつ間まに状態じょうたいが悪わるくなり、不幸ふこうな結果けっかとなることを避さけるための苦肉の策くにくのさくだ。救急きゅうきゅう医療いりょう体制たいせいはすでに限界げんかいを超こえているが、できるかぎりの努力どりょくをしたい」と話はなしています。

約やく20の病院びょういんで受け入うけいれできずに搬送はんそうされ救急きゅうきゅう車しゃの中なかで処置しょち

東京とうきょう医科いか歯科しか大学だいがく病院びょういんでは、救急きゅうきゅう搬送はんそうされてきた患者かんじゃを病院びょういん内ないで診みることができず、駐車ちゅうしゃ場じょうにとめた救急きゅうきゅう車しゃの中なかで処置しょちを行おこなうケースが相次あいついでいるということです。

23日にちも午前ごぜん8時じごろに、病院びょういんの駐車ちゅうしゃ場じょうで患者かんじゃを乗のせたままの救急きゅうきゅう車しゃに医師いしなど3人にんのスタッフが乗り込のりこみ、点滴てんてきなどの処置しょちを行おこなっていました。

このとき、搬送はんそうされてきたのは50代だいの患者かんじゃで、23日にち朝あさ、息苦いきぐるしさを感かんじ、救急きゅうきゅう車しゃで搬送はんそうされましたが、およそ20の病院びょういんで受け入うけいれができず、この病院びょういんに来くるまでに1時間じかん以上いじょうたっていたということです。

患者かんじゃに対にたいして、医師いしたちが初期しょきの治療ちりょうを行おこなった後のち、新型しんがたコロナの検査けんさを行おこなうと陽性ようせいだったということで、その後そのご、別べつの病院びょういんに搬送はんそうされたということです。

対応たいおうした医師いしは「今月こんげつ以降いこう、自分じぶんが当番とうばんに入はいった日ひだけでも5回かいか6回かいは駐車ちゅうしゃ場じょうでの診療しんりょうで対応たいおうしていて、急変きゅうへんした患者かんじゃを救急きゅうきゅう車しゃの中なかで対応たいおうして、なんとか無事ぶじに救すくえたケースもあった。入院にゅういんが難むずかしい状況じょうきょうの中なかで、命いのちの危険きけんにさらされる患者かんじゃを減へらすために必要ひつようで、理解りかいしていただきたい」と話はなしています。

東京とうきょう都内とない救急きゅうきゅう搬送はんそうが困難こんなんなケース高水準こうすいじゅんで推移すいい

東京とうきょう都内とないで第だい6波はに入はいって急増きゅうぞうした救急きゅうきゅう搬送はんそうが困難こんなんになるケースは、高たかい水準すいじゅんのまま推移すいいしています。

都とは、救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれ先さきを探さがす際さいに救急きゅうきゅう隊たいが5つ以上いじょうの病院びょういんに断ことわられたり20分ふん以上いじょう経過けいかしても決きまらなかったりして困難こんなんとなった場合ばあい、地域ちいきの中核ちゅうかく病院びょういんなどが搬送はんそう先さきを探さがす「東京とうきょうルール」という仕組しくみを運用うんようしています。