患者の多くは高齢者で、病院が撮影した映像には今月入院した高齢患者の肺のCT画像が映っていて、炎症を示す影がどこにあるか詳しく見てみると、新型コロナの特徴とされるすりガラス状の肺炎の影はなく、気道近くに肺炎の影がみられました。
これは、コロナの感染によってものを飲み込む力が衰えて「誤えん性肺炎」を起こして悪化しているものとみられるということです。
オミクロン株はデルタ株などと比べて肺炎が重症化しにくいのではないかとされてきましたが、この病院では、高齢患者の多くがこうした「誤えん性肺炎」を起こしているということです。
こうした高齢患者はコロナの回復後も飲み込む力は回復せずに弱っていき、亡くなるケースもあるということで、病院はリハビリに力を入れています。 病院が撮影した映像には、リハビリを行うスタッフが高齢患者の飲み込む力をチェックする様子がみられました。 酒井医師は「食事を口からとっていた方たちが、感染を機に食べられなくなってしまい、元の生活に戻れない方々も多い。病院での治療が長引き、飲み込む機能が戻らず死に至ってしまう方も多いので、機能を戻していくためにリハビリは非常に大切だと思う」と話しています。
病院が撮影した映像には、リハビリの様子が記録されています。 このうち、中等症の80代の男性は、たんやだ液が気管から肺に誤って入り、軽度の「誤えん性肺炎」を起こし、今月15日から飲み込む力を回復させるためのリハビリを受けていました。 この日は、リハビリの担当者と医師が患者の飲み込む力をチェックしていて、舌を右や左に動かしたり、ほおを膨らませたりへこませたりしてもらって、口の動きを見ていました。 そして、とろみをつけた水を口の中に垂らして、飲み込む様子をチェックしていました。 男性はその後もリハビリを続け、10日後の25日はおかゆなどを食べられるまでに回復し、リハビリの担当者は飲み込む力は問題ないと判断していました。 一方、90代の女性は、今月15日には「痛いところはないか」というスタッフの呼びかけに答えていましたが、1週間後には口から食事ができず、鼻から栄養をとっている状態になっていました。 リハビリの担当者が、舌を出したり引っ込めたりできるか確認したあと、だ液を飲み込むよう求めましたができず、水を飲むこともできませんでした。 リハビリに当たった酒井医師は「リハビリを通じてもともとあった機能にできるだけ到達することが必要です。一方で、コロナの感染でもともと持っていた能力をひどく落としてしまっていて、機能を戻すだけの余力がない場合もあります。できるかぎりのリハビリを続けていきたい」と話していました。
飲み込む力 回復させるリハビリに注力