ウクライナ軍はこの対戦車ミサイルを使って首都キエフに迫るロシア軍の戦車部隊に応戦しているものとみられます。
背景には、ロシア側を過度に刺激したくないという考えもあったとみられますが、前のトランプ政権は方針を転換し、2018年にウクライナの防衛力強化を理由にジャベリンの供与を決定しました。ただ、ウクライナの制空権をめぐってロシアとの攻防が激しくなっていることから、ジャベリンをはじめ軍事物資を輸送機で運ぶのは難しくなっています。 アメリカ国防総省のカービー報道官は25日、記者会見で「新たな手段を探さなければならないが、自衛のための支援は続ける」と述べ、軍事物資の供与を続けていく方針を強調しました。
インタビューに応じたのは、2017年から2019年までアメリカ国務省のウクライナ政策担当の特別代表を務めたカート・ボルカー氏です。 アメリカからウクライナ軍への対戦車ミサイル、「ジャベリン」の供与などに取り組み、現地を訪れて、ゼレンスキー大統領とも面会してきました。
また、ボルカー氏は、「ウクライナ軍は8年間、東部で親ロシア派の武装勢力と散発的な戦闘を続けてきた。多くの人たちが軍を経験し、予備役も多い」と述べ、実戦経験も豊富だと分析しています。 一方でボルカー氏は、ロシアとウクライナの軍の戦力は圧倒的な差があるとしたうえで「ウクライナ軍はある程度までは自分たちを守るための戦闘ができるだろう。しかし、必要な防空能力や沿岸警備力、サイバー攻撃への対応能力などを備えておらず、難しい戦いになるだろう」と述べました。
それによりますと、ロシア軍はウクライナの国境周辺に展開する地上部隊のうち、およそ3分の1の戦力をウクライナ国内に投入し、引き続き主に3つの方向から前進しているということです。
そのうえで「ロシア軍はキエフへの前進を引き続き試みているが、彼らが予想していたほど速くは移動できていない」と述べ、キエフへの侵攻がロシア側の想定よりも遅れているという認識を示しました。 また、ウクライナの北東方向から国境を越えて第2の都市、ハリコフに南下するルートでは、ハリコフで今も戦闘が続いているということです。 さらに、ウクライナ南部のクリミアから北上するルートでは、これまで確認されていた北西方向にある都市、ヘルソンに向かうルートに加えて、新たに北東方向に進む部隊が確認されたということです。 これらの部隊は東部ドネツク州のマリウポリなどがある地域に向かっているとしています。 また、アゾフ海に面するマリウポリの西側では、ロシア軍による水陸両用作戦が行われ、数千人の部隊が上陸している可能性があるということです。 一方、ロシア軍は、軍事関連施設を主な標的としてこれまでに200発以上の弾道ミサイルや巡航ミサイルなどを発射しましたが、そのうちの一部が住宅地に落ちたということです。 アメリカ国防総省の高官は、ロシア軍はこれまでのところ、人口が集中する地域を奪えておらず、ウクライナの制空権も確保できていないとしていますが「情勢は急速に変化する可能性がある」と述べ、警戒感を示しています。
撮影された映像には、道路上で激しく壊れ、全体が黒く焼け焦げた車両と、その周辺を調べるウクライナ軍の兵士の様子が映っています。
具体的な軍事支援の内容は明らかにしていません。 バイデン大統領は、これに先だって行ったウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、経済や安全保障関係の支援を継続することを伝えていました。
このうち、陸軍が28万人、海軍が15万人、航空宇宙軍が16万5千人となっています。 去年(2021年)のロシアの防衛費は、620億ドルと世界5位で、ここ数年、軍備の近代化を進め、特に地上戦の能力が大きく向上していると指摘しています。 そして、ロシアは、アメリカの軍事力に対抗するため、核戦力を重視し、ICBM=大陸間弾道ミサイルやSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルなどの戦略核兵器を保有しています。 さらに、アメリカのミサイル防衛システムの配備に対抗して、音速の20倍、「マッハ20」に達するとされる極超音速兵器「アバンガルド」など新型兵器の開発も進めています。 近年では通常戦力に加えて、サイバー攻撃や意図的な情報宣伝などを組み合わせた「ハイブリッド戦」も展開しているとされています。
このうち陸軍は12万5600人、海軍は1万5千人、空軍は3万5千人となっています。 一方、ウクライナは、ロシアの脅威に対抗するため、アメリカなど欧米諸国から軍事支援を受けていて、アメリカなどから対戦車ミサイル「ジャベリン」を供与されているほか、トルコから攻撃型無人機「バイラクタル」を購入するなど、装備の近代化を進めています。 また、2014年にロシアに、ウクライナ南部のクリミア半島が一方的に併合された後、ウクライナ政府は、徴兵制を復活させています。 国防省は、2014年に「領土防衛部隊」を結成し、市民に対して銃など武器の扱い方などの講習を行っていて、非常時には最大12万人が編成される見通しで、軍の指揮下に置かれることになります。 先月には「国家レジスタンス基本法」が施行され、ロシア軍が侵攻してきた場合、国民が一丸となって抵抗するとしています。
アメリカがウクライナに「ジャベリン」を供与
専門家「ウクライナ軍は格段に向上」
ウクライナ軍「外国の支援を得て軍備を強化」
米国防総省 ロシア軍のキエフ前進「想定よりも遅れ」
ロシア軍の車列が破壊されたとの情報も
アメリカがウクライナへの軍事支援として3億5000万ドル拠出
ロシア軍の兵力は90万人
ウクライナ軍は19万6000人
アメリカ政府の元高官はウクライナ軍がアメリカなどの支援を得て、以前と比べて装備も能力も格段に向上していると指摘していて、アメリカは、前線の防衛の切り札として対戦車ミサイル「ジャベリン」もウクライナ軍に供与してきました。
対戦車ミサイル 「ジャベリン」とは