
「WBCの最後、クローザーでいった時の方が緊張していた。WBCのああいう舞台で気持ちも上がる、出力も出るという場面をこなせたのはプラスじゃないかな」。
しかし、すぐに持ち前の修正力を発揮し、投手としては中5日のローテーションで登板をこなしました。 シーズン前半の投球回数は、これまでで最も多かった昨シーズンの87イニングを大きく上回る100と3分の1イニングで、初めて100の大台を超えました。
昨シーズン、打率2割7分3厘、ホームラン34本だった大谷選手はシーズンを振り返り「打率3割近く打てるイメージでいこうと思っていた。その中でホームランがどれくらい出るかが1つのチャレンジだった」と話していましたが、この『打率とホームランの両立』という目標を今シーズンの前半戦で見事に実現しています。
打球速度の平均などは去年やおととしと比べても大きな差はありませんが、注目すべきはストレートやツーシームといった速球に対する打率です。 おととしは打率2割7分7厘、去年は打率3割2厘でしたが今シーズンは3割3分1厘と大きく数字を伸ばしています。 相手の投手たちが大谷選手に投げるボールのおよそ半数を占めるストレートを確実に捉えていることが、打率アップにつながっています。
一般的に、バットは長くなると遠心力が出て飛距離のアップにつながりますが、その分、操作は難しくなります。 ことし2月のキャンプでバットについて、「心地よくスイングできるかがいちばん大事」と語っていた大谷選手は、操作の難しくなったこの新しいバットを使いこなし、目標である打率とホームランの両立につなげています。
チームの大黒柱、トラウト選手をはじめことしも主力選手にけが人が相次ぎ、6月17日に今シーズン最多の「8」あった勝ち越しは徐々に無くなり、チームは負け越し「1」でシーズン前半を折り返しました。 大谷選手は指名打者として先発出場するオールスターゲームをはさみ、シーズン後半初戦、7月14日のアストロズ戦で投打に先発出場する予定です。 WBCの優勝後、エンジェルスに合流した際に「やっぱりこのチームでも優勝したいという気持ちになった」と語っていたように、チームを2002年以来のワールドシリーズ優勝に導けるか、残されたレギュラーシーズンはあと71試合です。
打率とホームランの両立
大谷にかかる期待 後半戦も