ウクライナへの
支援で
結束をアピールしたNATO=
北大西洋条約機構について、ロシア
大統領府の
報道官は「
攻撃的な
同盟だ」と
述べ、
改めて警戒感を
示しました。
12日まで2日間の日程で行われた首脳会議でNATOはウクライナに複数年にわたる支援を行うことで合意し結束をアピールしました。
これに対しロシア大統領府のペスコフ報道官は12日、NATOについて「安定や安全を確保するためにつくられた同盟ではない。不安定と侵略をもたらす攻撃的な同盟だ」と述べ、改めて警戒感を示しました。
ウクライナ軍の参謀本部は11日、ロシア軍が首都キーウなどウクライナ各地で無人機などを使った攻撃を行ったと発表し、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は11日の分析で「ロシア軍の無人機攻撃はNATOの首脳会議と重なり、ウクライナへのさらなる軍事支援を思いとどまらせるねらいがあるとみられる」と指摘しました。
一方、ロシア国防省は12日、武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルからロシア軍へ戦車などを引き渡す作業がまもなく完了すると発表しました。
国防省によりますと
▽2000以上の戦車や装甲車などのほか
▽2500トン以上の弾薬やおよそ2万丁の銃が含まれるということです。
国防省はワグネルの戦闘員に国防省と契約を結ぶよう求めていて、事実上の武装解除について発表することでワグネルを傘下に置いたことを誇示するねらいもあるとみられます。
“ロシア軍の副司令官 スロビキン氏は休暇中”国防委員長
ウクライナへの
軍事侵攻でロシア
軍の
副司令官を
務めるスロビキン
氏が、
先月、
民間軍事会社ワグネルの
代表プリゴジン
氏が
起こした
武装反乱のあと
拘束された
などと
伝えられていることをめぐり、ロシアの
メディアは12
日、
議会下院のカルタポロフ
国防委員長が「
彼はいま
休暇中だ。
連絡はできない」と
述べる動画を
公開しました。
一方、ロシアの独立系メディアは12日、関係者の話として、スロビキン氏が反乱に関与した疑いでFSB=連邦保安庁に拘束され、2週間あまり親族と連絡を取っていないと伝えました。
武装反乱のあと一部の欧米メディアは、プリゴジン氏と近かったとされるスロビキン氏が事前に反乱の計画を把握していたと伝え、消息に関心が集まっています。
スロビキン氏は空軍の総司令官も務めていますがイギリス国防省は12日、ロシア国防省が10日に公開した軍の会議の映像では、スロビキン氏の副官が参謀総長に報告をしていると指摘し「反乱のあとスロビキン氏が仕事を外されたという仮説が補強されている」という分析を示しました。