昔、山の中のお寺に、和尚さんと小僧さんがいました。小僧さんは素直で正直な人でした。お寺では魚を食べてはいけませんでしたが、和尚さんは鮎がとても好きでした。和尚さんは、小僧さんに見つからないように、こっそり鮎を食べていました。でも、ある日、小僧さんに見つかってしまいました。和尚さんは「これは剃刀だよ」とうそをつきました。
次の日、和尚さんは小僧さんと馬に乗って出かけました。「何があっても、何も言わずに私についてきなさい」と言いました。川を渡るとき、和尚さんのタバコ入れが馬から落ちました。でも、小僧さんは何も言わずにそのままにしました。後で和尚さんはタバコ入れがないことに気づき、「これからは馬から落ちたものは何でも拾いなさい」と言いました。
しばらくして、馬の後ろから糞が落ちてきました。小僧さんは和尚さんの大切な傘で糞を受けました。和尚さんはびっくりして、「すぐに川に捨ててきなさい」と怒りました。小僧さんは理由がわからず、川で傘を洗いました。すると、傘の中にたくさんの鮎が入りました。和尚さんはうれしかったですが、小僧さんは傘も鮎も川に捨ててしまいました。