昔、青森県に窪田の旦那という人が住んでいました。窪田の旦那は、何年か前に倒れていたおばあさんを助けて、家の中に住ませていました。
家の近くの山には、年をとって歩けなくなったキツネが住んでいました。おばあさんは窪田の旦那のおかげで生きているので、毎日もらう食べ物をキツネにも分けてあげていました。
ある年の春、キツネはいなくなりました。
その年の秋、村の若者たちが京都に行きました。京都を見てまわっていると、窪田の旦那に会いました。窪田の旦那は「私は若者たちより1日遅く出発しましたが、1日早く京都に着きました」と言いました。
若者たちが村に帰ると、窪田の旦那がいました。窪田の旦那は京都には行っていませんでした。
おばあさんは「きっとキツネが毎日もらった食べ物のお礼に、旦那のふりをして京都に行ったのでしょう」と言いました。