About Todaii Japanese
Copyright belongs to eUp Technology JSC
Copyright@2025
About Todaii Japanese
Copyright belongs to eUp Technology JSC
Copyright@2025

14日は東北の梅雨入りも発表され、大雨による災害リスクの高まる時期となっています。気象庁は線状降水帯の予測精度の向上を目指し、主に東シナ海で船による観測を行っていますが、能登半島の豪雨をはじめ、日本海側でも線状降水帯による被害が相次いでいることから、ことしから、日本海での観測も本格化させることになりました。
気象庁は3年前から、線状降水帯の発生が予測された場合、半日程度前から呼びかける取り組みを進めていて、去年からは府県単位で発表しています。
6月9日の明け方には鹿児島県、9日の夜遅くには九州北部の福岡、佐賀、長崎、大分、それに熊本県に対し情報が発表されました。
このうち9日夜には、鹿児島県で実際に線状降水帯が発生しました。
一方、予測精度には課題もあります。
去年、この情報は合わせて81回発表されていますが、実際に線状降水帯が発生したのは8回と、府県単位の発表となったこともあって、「的中率」は、およそ1割にとどまりました。
また、線状降水帯が発生したにもかかわらず、予測できていない「見逃し」は62%となっています。
予測精度向上を目指し、これまで気象庁は、九州に面している東シナ海や、太平洋に観測船を派遣し、集中的に水蒸気量の観測などを行っていました。
ただ、去年は7月に山形県で大雨、9月には能登半島の豪雨と、日本海側で相次いで線状降水帯が発生し、被害が出ましたが、いずれも予測できませんでした。
日本海側で線状降水帯が相次いで発生していることから、気象庁はことしから、日本海でも本格的な観測を行うことにしました。
大雨が予想された場合、観測船は日本海に向かい、「ラジオゾンデ」と呼ばれる観測機器が取り付けられた気球を船から飛ばして、上空の気圧や湿度を観測したり、船に搭載した人工衛星を使ったシステムで水蒸気の量を分析したりします。
気象庁は、得られたデータを活用し、線状降水帯の予測精度向上につなげたいとしています。
線状降水帯を予測する鍵として注目されているのが、海から日本列島に向かって、上空にある大量の水蒸気が川のように流れ込む「大気の川」とも呼ばれる現象です。
過去に線状降水帯が発生した際にも、「大気の川」が確認され、要因の一つと考えられていますが、「大気の川」が流れ込んだからといって、必ずしも線状降水帯が発生するわけではなく、水蒸気が上空でどのように分布しているのかなど、メカニズムの解明につながるデータも十分得られていないのが実情です。
このため、気象庁気象研究所は6月下旬以降、大学と共同で航空機を活用した観測を実施することにしています。
水蒸気の流れ込みが強まるなど、線状降水帯が発生する環境ができると予想された場合、関東の南から沖縄の沖合にかけて飛行し、「ドロップゾンデ」と呼ばれる観測機器を投下します。
「ドロップゾンデ」は、落下しながら上空の温度や湿度、気圧などを観測してデータを送信できる機器で、得られたデータから、水蒸気の分布状況や、大気がどの程度不安定なのか分析できるということです。
航空機による観測は、9月中旬にかけて行う計画で、線状降水帯の予測精度の向上につなげたいとしています。
共同で観測を行う名古屋大学・横浜国立大学の坪木和久教授は、2017年以降、航空機による台風の直接観測を続けています。
坪木教授は「航空機での観測は、機動的に多くの場所で機器を投下して観測できる点で有効だ。線状降水帯の発生は、すなわち『災害』に結び付くので、命が失われない社会を目指して予測精度の向上に努めたい」と話しています。
また、気象庁の観測船が日本海で観測を行うことについては、「日本海からどの程度水蒸気が入ってくるのか観測データが少なく、予測が難しいのが現状だ。日本海の沖合での観測は、政治的にも複雑な場所で難しいところがあるが、気象庁が行う船による観測は第一歩で、少しでも予測精度が向上することを期待している」と話しています。